この連載をはじめてはや6年。はじめたころは、家計に関しては「貯金」「節約」が主流であり、「貯蓄体質になるための家計節約術」「貯金の増やし方」「家計改善のコツ」というようなタイトルが好まれていたと記憶しています。

時がたち、今でも「節約やりくり」は家計に大切なことですが、老後2000万円問題や国が税制優遇制度を整えたことにより、徐々に「自分たちの将来のために」と、投資に目を向ける人が明らかに増えていると感じます。

投資の成功は「家計」と「投資」の両輪にある

家計における「貯金」の延長線上と考えられる投資は、投資信託の積立投資。この投資に目を向ける人が、非常に増えたのです。たとえば、毎月2万円を積み立て、4%で運用できたとすると、20年で730万円ほどに膨れ上がります

貯金するだけだと480万円に積みあがるだけですので、投資の複利の力を用いた効果は、経験が浅く半信半疑ながらも、多くの方が「自分にもできるかもしれない」と期待するようになりました。事実、上下はあれど順調に資産形成に繋がっている経過を体験されている方も多数います。

家計の延長線にある投資は、常に「家計」と「投資」を両輪に持つ意識がなければなりません。両方がないと上手く走れないのです。このことを念頭に置きながら、投資を続けると将来が良くなっていくことでしょう。

投資を継続するための家計管理が重要!

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1.「固定費」「変動費」の見直し

家計と投資は両輪の関係にありますから、まず、家計管理が上手くいかないと、投資も継続できません。家計を良好に保つために意識すべきことに、「固定費」「変動費」があります。

固定費とは毎月一定額かかるもので、家賃やスマホ代、生命保険料などが該当します。ローンの返済額もそうです。これは一度見直しをすると、その効果が意識しなくても長期間、継続できるため、無理のない支出削減ができます。

ですから、支出の見直しは、まずは固定費からとおすすめしています。

これだけで支出が思うように減らないのであれば、変動費も見直します。変動費は食費、日用品代、水道光熱費など、そのときどきで支出額が変わるもの。

モチベーションがその成果を左右するので、継続しやすい方法で支出を削減する工夫をします。たとえば、食費なら1週間で予算をつくり、それを継続していくなどです。

貯金を増やせている人の家計の割合は、

固定費45%:変動費35%:貯金20%

まずは自分の家計の割合を知ってから、この割合を目指し、削減策を考えてみましょう。

2. 価格ではなく価値観で判断する「家計三分法」

支出の削減を図るための、もう1つの方法に「家計の三分法」もおすすめしています。

これは価格ではなく価値で判断する家計管理法。自分やご家族にとって必要な支出はしっかり残しながら、それ以外の支出を削減するという、支出のメリハリを実現するための方法の1つです。

支出を「消費」「浪費」「投資」の3つの価値に分け、できるだけ「消費:浪費:投資=70%:5%:25%」に近づくように支出をコントロールしていきます。

分ける基準は、「消費」は生きるために不可欠なもの、生活に必要な利用料、使用料など。「浪費」はいわゆるムダ使い。「投資」は将来に向けた自己投資や貯金、金融投資です。ルールはこの程度で、明確な基準はありません。あとは自分の価値観で支出を仕分けるだけ。

これを実践すると、浪費はしてはいけないと感じ、ゼロにしようとする人もいますが、それは間違い。どんなに支出を削減したとしても、生きる楽しみを維持するために「浪費」は生活費の5%ほどを取ります。

「この支出は浪費だ」と認識しながら浪費していくことで、意味のある浪費ができるようになります

また、単なる消費や浪費にあたる支出を隠すように「投資」に振り分けたくなったり、浪費は消費にして増やさないようにしようとする気持ちも出ることがありますが、そこは「客観的に判断する」ことで、防いでいきます。

「自分の軸」を持つことで家計力が身に付く

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1人でやるよりも、家族やパートナーと一緒にやるほうが判断が正確になります。

そして何より、自分のお金の使い方のクセを知ることで、家計の弱点を知り、改善に向かうことができます。新しい価値観に出会えることもありますので、ぜひやってみてください。

このように、自分の軸をしっかり持ちながら家計を整えていくと、それは一生モノの家計力、貯金力になることでしょう。

一般的な「節約術」ばかりに頼らず、このような整え方を上手に取り入れながら「自分の家計の構成」をしっかりと組み立ててください。

積立投資も同時に走らせられる家計が実現することを願っています。これまでありがとうございました。

横山光昭(よこやま・みつあき)

横山光昭(よこやま・みつあき)

家計再生コンサルタント、株式会社マイエフピー代表。お金の使い方そのものを改善する独自の家計再生プログラムで、家計の確実な再生をめざし、個別の相談・指導に高い評価を受けている。これまでの相談件数は23,000件を突破。書籍・雑誌への執筆、講演も多数。著書は60万部を超える『はじめての人のための3000円投資生活』や『年収200万円からの貯金生活宣言』を代表作とし、著作は累計330万部となる。

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