リーダーシップは難しいものです。

リーダーシップとは、難しい決断を下して難しいことをすること。さらに重要なことに、ほかの人たちに難しいことをさせることでもあります。

何を率いるリーダーなのかによりますが、いつでも失敗してしまう恐れのあることがたくさんあります。

時には、そうしたことが自分自身に苦痛をもたらし、また他人に苦痛を与えることもあります。そのせいで自分の会社が崩壊してしまうこともあり得るのです。

失敗しない方法を見つけ出すことは、学ぶべき重要なことのように思えます。問題は、それがまったく現実的ではないということです。必ず失敗することになる。そうでないと言う人がいたら、それは嘘をついているでしょう。

ティム・クックからのアドバイス

これは、5月にApple CEOのティム・クックが行なったスピーチに関して、私がとても気に入った点です。

ギャローデット大学の卒業生たちに語りかけるなかで、クックはリーダーシップの最も重要な原則について話しました。

お話したい重要なアドバイスが1つあります。とても重要なので、今日話すアドバイスはこの1点だけです。

何をするにしても、自分の価値観でリードすること」。

クックは、地球上で最も価値ある企業のCEOとして、史上最も成功した製品であるiPhoneなどを製造・販売する約18万人の従業員に対して責任を負っています。

そのリーダーシップのもと、Appleは史上最大かつ最も収益性の高い企業の1つとなりました。

クックには、リーダーシップに関して何かしらの経験があると言っていいでしょう。クックがその経験について語る際には、時間を割いて耳を傾ける価値があります。

価値観は行動の原動力

また、クックはプライバシーや環境、アクセシビリティなど、Appleが大切にしていると語る事柄を率直に擁護する人物でもあります。クックによれば、アップルの価値観は、同社が行なうあらゆることの原動力です。

だからこそ、この「何をするにしても、自分の価値観でリードする」という言葉は、今後耳にするリーダーシップの原則のなかで最も重要なものかもしれません。

お分かりの通り、リーダーシップと価値観は切り離せないものなのです。

価値観はあらゆる決断に影響を与える

クックが「自分の力でリードする」とは言わなかったことに注意しましょう。心や情熱でリードするとも言いませんでした。

こうしたものとの関係でリーダーシップを語る人はたくさんいますが、それに比べ、クックはリーダーシップに対して型にはまらないアプローチをとります。自分の価値観でリードすると言うのです。

そうしたほかのものが重要でないと言っているのではありません。しかし、自分の価値観を尊重せずに強さでリードするのは危険な場合があります。情熱についても同じことです。

一方で、価値観とは、自分のあらゆる決断に影響を与える、核となる指針です。クックは次のように語ります。

「自分の価値観でリードする」とは、自分自身が何者であり、何を信じているのかを深く理解したうえで、大小様々な決断を日々下すべきということ。

すべては自分の価値観からはじまるべきなのです。

採用する人物から設計する製品、その販売方法にいたるまで、あらゆる決断は自分自身が何者であり、何を信じているのかということから影響を受けているべきなのです。

会社として、人々の生活を豊かにする技術を創造するということが常に目的でした。

その目標は、自分たちの価値観を徹底的に追求することでしか達成することができないと考えています

だからこそ、誰にとってもアクセシビリティのある技術をつくるために懸命に取り組んでいます。

だからこそ、プライバシーに対する基本的権利を守るために戦っているのであり、環境を保護し、世界を元よりも良い状態にする助けとなるべく常に革新を続けているのです。


Appleが下す決断に反対することはいくらでもできます。しかし、同社が大切にしていることに基づいて行動していることは明らかでしょう。

それが、最も重要な教訓なのかもしれません。

リーダーとなれば、多くの人が同意していない決断を下すことがたくさんあります。自分の価値観でリードしたとしても、細かい点では間違うこともあるかもしれません。

それでも失敗はするものですが、自分自身が何者で、何を信じているのかがわかっていれば、正しいことを行なっていると確信するのは、はるかに簡単なのです。

Source: YouTube

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