MacBookには最高レベルのトラックパッドが搭載されていますが、Macでフルサイズのマウスを操作した時の使い心地は、間違いなくさらに優れたものになります。
外付けマウスのスクロールの動きを細かく制御したい、あるいはそのほかの方法でカスタマイズしたいという場合、「BetterMouse」こそが必要なツールです。
注意点があります。BetterMouseはすばらしいツールですが、万人向けではありません。何をしているのかわからないでやっていると、マウス体験としては前よりも格段に酷いものになってしまうかもしれません。
しかし、ここでは自分に合った使い方ができるようさまざまなオプションをご説明します(BetterMouse を使って内蔵トラックパッドのスクロールの動きをカスタマイズすることもできますが、外付けマウスを使うと最も効果的に機能するツールだということにご留意ください)。
このアプリは5ドルかかるものの、1週間の無料トライアルを提供している、ということも特筆すべき点です。
BetterMouseは公式ウェブサイトから、またはHomebrewを使ってインストールすることができます(さまざまな機能を最大限に活用するには、アクセシビリティの許可を与える必要があります)。
スクロールの速度を微調整する
BetterMouseを開き、画面上部のメニューバーのアイコンをクリックして、すべてのオプションを表示させます。「Scroll(スクロール)」タブには、(当然ですが)スクロールに関するカスタマイズオプションがすべて含まれています。
Smooth Scroll(スムーズスクロール)
最初の3つの設定(「Duration(持続時間)」「Brake Point(ブレーキポイント)」「Speed(速度)」)は、このスライダーバーの下にある「Smooth Scroll(スムーズスクロール)」オプションと繋がっています。
「Smooth Scroll」を有効にすると、この3つの設定を段階的に変更してスクロールの速度を制御することができます。
この3つのスライダーバーは、ホイール付きマウスを持っている場合に最も役立ちます。トラックパッドやジェスチャーを利用したスクロールを使うマウスだと入力の精度が大幅に低くなるため、スクロール設定の微調整にはあまり意味がなくなります。
Acceleration(加速度)
「Acceleration(加速度)」設定は、macOSの「システム環境設定」にあるスクロール速度のオプションに似ています。これがBetterMouseにあるのは良いことですが、すでに内蔵されているもの以上のことはできません。
Hori speed(水平速度)
「Hori speed(水平速度)」オプションでは、水平方向のスクロールの速度を制御することができますが、ほとんどのウェブサイトがレスポンシブデザインに移行しているため、現在のウェブではあまり役に立ちません。
しかし、動画編集アプリには今でも水平方向のスクロールを多用するものがたくさんあり、そうしたアプリ内のスクロールの速度もこの設定を調整すると制御できます。
「Scroll」タブには、そのほにもわかりやすいオプションがいくつかあります。
唯一の注意点は、コンピュータをマウスのホイールと同じ方向にスクロールさせたい場合は「Vertical Invert(垂直反転)」と「Horizontal Invert(水平反転)」を無効にする必要があることです。
こうした設定のカスタマイズが終わったら、同じページにある「Take a snap(スナップを撮る)」ボタンをクリックして保存します。
あとで何かを変更したうえで保存した設定に戻したい場合は、「スナップに切り替える」ボタンをクリックします。
カーソル速度をカスタマイズする
マウスカーソルが遅すぎたり、無作為に画面の隅にあちこち飛んでしまったりすることがある場合は、BetterMouseのカーソルコントロールを使えばちょうど良い中間の速度を見つけることができます。
BetterMouseの「Cursor(カーソル)」タブに移動し、「Speed」と「Acceleration」の値を変更します。
「Speed」を下げるとカーソルの動きが遅くなり、上げると速くなります。
一番良いところを見つけたら、「Acceleration」設定を微調整して、選択したスクロール速度までどれだけ速く加速するかを変更します。
ただし、注意しましょう。速度と加速度の両方で高い値を設定すると、マウスを制御するのが非常に難しくなることがあります。ほとんどの人は、マウスのスクロール速度は20前後、加速度は5前後にすると良いでしょう。
特殊なマウスジェスチャを設定する
BetterMouseの最も優れた特徴は、カスタムショートカットを作成して、それをマウスボタンにバインドできることです。
一例を挙げると、アプリの「Buttons(ボタン)」メニューで「Command+中クリック」を押し、それをシステム音量の変更にバインドすることができます。
こうしたショートカットは、それぞれに異なる修飾キー(Option、Shift、Commandなど)を使って組み合わせることができます。さらには、アプリに特化したショートカットを設定することもできるため、同じボタンを別のタスクに再利用可能です。
たとえば、Chromeではマウス上で「Button 3」に新しいタブの追加を、「Button 4」でページの再読み込みを設定する一方、Slackでは「Button 3」でハイライトしたテキストにハイパーリンクを追加し、「Button 4」で全未読メッセージを削除します。
また、Final Cut Proでは、ブレードツールを起動するボタンをつくると同時に、スナップを有効化・無効化するボタンがあると良いでしょう。
マウスのボタンの数だけショートカットを設定できるため、Mac上のほとんどすべてのアプリでマウスボタンとキーボードを組み合わせたショートカットを使って、ショートカットを増やしていくことができるのです。
少しやっかいなのが、こうしたショートカットを対応させるのに使うインターフェイスです。
これを動作させるには、アプリの「Buttons」タブを開いてから、考えているショートカットを押す必要があり、そうするとメニューにそのショートカットが表示されます。
表示されたら、ドロップダウンメニューをクリックして、何に対して対応させたいかを選択します。
この機能は、Mac Mouse Fixなどのほかのアプリでマウスボタンの制御を許可している場合は動作しません。BetterMouse を正常に機能させるには、ほかのすべてのアプリでボタンのバインドを無効にする必要があります。
最後に、アプリの「Exceptions(例外)」タブに進むと、こうしたショートカットをアプリに特化した形で制御することができます。リストに好きなアプリを追加して、ショートカットを好きなように変更しましょう。
Source: BetterMouce