iPhone SEは、iPhoneに必要な機能を手頃な価格のミッドレンジスマホで、必要最低限の機能でいい多くのユーザーにぴったりです。

これまでの私なら、すぐにSEをおすすめしていました。しかし、先週、Googleが最新のミッドレンジスマホであるPixel 6aを発表して、考えが変わりました。

6aが発売されるのは7月下旬の予定です。7月21日から予約受付、発売は7月28日からになります。ですから、今iPhone SEを買うのはやめておいたほうがいいと思います。

この記事は、今すぐ新しいスマホが必要な人には役に立ちません。

しかし、少し時間をかけてスマホを購入する余裕がある人は、この記事を読んで、どのミッドレンジのスマホが自分に適しているか比較検討してみてください。

Pixel 6aとiPhone SEの共通点

まずはデバイスの共通点から。

Pixel 6aとiPhone SEは、どちらも5G対応スマホで、最新世代のスマホ接続の高速通信を楽しむことができます(もちろん、利用可能な場合はですが)。

6aは449ドル(日本では税込53,900円)、SEは429ドル(日本では税込57,800円から)と、価格帯も似ています。

GoogleとAppleのミッドレンジスマホで価格が同じぐらいなので、それぞれどのような機能を使用できるか比較しやすいですね。

メガピクセルの観点からは、メインのカメラは非常によく似ています。Googleのメインシューターは12.2MP、SEのメインシューターは12MPで、どちらも4K動画を60fpsで撮影。

フロントカメラも似ていて、6aのフロントカメラは8MP、SEのフロントカメラは7MPです。どちらも1080p動画を30fpsで撮影します。

画像そのものがSEと比較してどうなのかは、レビュアー(特に写真家や動画撮影者)が6aを入手して使ってみるまでわかりません。しかし、レビューがなくても、両デバイスのカメラが類似していることはわかります(詳細は後述します)。

Pixel 6aがiPhone SEより優れている理由

しかし、6aの優越性は、6aとSEが異なる部分にあり、それは、この2つのデバイスを見た瞬間にわかります。

ベゼルレスデザイン

Appleは、4.7インチの750p IPSディスプレイを挟む2つの大きなベゼルを持つiPhone 8のデザインを再利用することにしました。

このデザインは5年前のiPhone SEに使用したデザインと同じもので、iPhone 6のデザインとそれほど違いません。

一方、Pixel 6aは、6.1インチの1080p OLEDディスプレイをほぼ縁無しで搭載

完璧な最新機種という印象です。

Googleは、最近の多くのスマホに見受けられるように、画面上部にカメラ用カットアウトを設けることを選択しました。この機種は、決して「ミッドレンジ」とは言えません。

カメラの違い

Googleは6aに12MPの超広角カメラを搭載していますが、SEではあえて省略しています。超広角のファンでなくとも、カメラ機能は6aがSEに圧勝しています。

Googleは、Appleと違って、ミッドレンジの顧客が、暗闇の中で高品質の写真を撮れる「夜間撮影モード」搭載のスマホを使用できるべきだと判断しました。

A15 Bionicチップを搭載したSEに夜間撮影モードが搭載されていないのは、受け入れがたいことです。Googleのスマホには、写真から不要な人や物を自動的に取り除く「消しゴムマジック」もあります。

Androidの新機能では、編集の色を変えて、画像の背景にうまく溶け込ませることもできるようになります。

5G対応の有無

両機種とも5Gに対応していますが、対応の仕方は異なります。SEは6GHz以下の5Gにしか対応しておらず、4G LTEからの速度向上は控えめです。

一方、Pixel 6aはミリ波5Gに対応しています。これはよく耳にするタイプの5Gで、Wi-Fiのような超高速と信頼性を備えています。

ミリ波はまだ発展途上で、世の中のほとんどの5GはSub6。これを破格とまでは言いません。

それでも、この点に関してAppleは熱心ではありません。

iPhone SEがPixel 6aより優れている点

現時点で、iPhone SEが6aよりも優れていると思う点は2つあります。

A15 Bionicの処理能力

1つ目は、プロセッサーです。両機種とも、それぞれ自社製SoCを搭載しています。

iPhone SEが搭載しているA15 Bionicは、iPhone 13シリーズとiPad miniに搭載されているのと同じチップです。

6aはGoogleのTensorチップを搭載しており、これは同社がPixel 6と6 Proに採用したSoCです。しかし、パフォーマンスの点でA15はTensorをかなり上回る傾向があります。

現在、クロスプラットフォームで動作するベンチマークソフトGeekbenchには6aのテストが1つ報告されており、6aはシングルコアで1050、マルチコアで2833のスコアを記録しています。

なぜかGeekbenchには第3世代のiPhone SEのテストがありませんが、iPhone 13を見ると、シングルコアで1685、マルチコアで4498と、A15のパワーが感じられます。数字がすべてではありませんが、持ち前のパワーに関しては、A15がTensorをしのぐようです。

ソフトウェアのサポートが長い

もう1つの重要な強みだと思うのは、寿命が長いところです。GoogleはPixelスマホのソフトウェアアップデートを3年以上続けたことはありません(例えばPixel 3aはそろそろサポートが切れます)。

同社は6aについて5年間のセキュリティアップデートを約束しており、かなり長い間スマホを保護することができますが、2025年以降に新しいAndroidの機能が提供されるかどうかわかりません。

一方、Appleはソフトウェアアップデートに関しては素晴らしい実績があります。同社は2015年に登場したiPhone 6sをiOS 15でサポートしています。

ハードウェアとソフトウェアを自社で作っているAppleが、ソフトウェアとセキュリティのサポートを7年にわたってできるなら、Googleもできるはずです。

やはりSEより6aに軍配

テックライターとしての私は、6aが全体的に優れたスマホだと思います。

私はiPhone SEが大好きで、「クラシックな」iPhoneのデザインにも好感を持っていますが、6aが値段の割により多くのものを提供していることは無視できません。

もちろん、iOSが必要でなければの話ですが。Appleユーザーの友人の連絡先を緑にしたり、FaceTimeにすぐにアクセスできなかったり、Apple専用アプリにこれまで費やしたお金を全部諦めることを想像できない人には、6aは向いていないかもしれません。

モバイルプラットフォームの切り替えは、特にAppleがRCSメッセージングの採用を拒否しているため、必要以上に難しいのが現状です。

しかし、柔軟なユーザーなら、6aがおすすめです(あくまでも紙の上ではですが)。もちろん、このスマホが実際にどのように機能するかは、まだわかりません。

7月になれば、この2つのスマホのどちらを買うべきかはっきりするはずです。別のものが登場して人気をさらわない限りはですが。

Image: Google, Geekbench