何かを決めなければならないとき、迷わないタイプでしょうか?

もしくは、あらゆる可能性と選択を調べるために、インターネットの底なし沼に落ち込んで、何がなんだかわからなくなって絶望するタイプ

前者の人はおめでとうございます。自分に確固たる自信があるか、自分をきちんと律することができる人で、どちらにしても喜ばしいことです。

それぞれの長所と短所の細かなリストをつくるのに何日も費やし、決断できない人におすすめの方法があります。それが、「37%ルール」です。

「37%ルール」とは何か?

「37%ルール」とは、数学の最適停止問題からきており、報酬を最大化し、コストを最小化するために特定の行動をする(もしくは、それ以上の選択肢を探し求めるのをやめ決断をする)最適なタイミングを決めるものです。

数学者によると、選択肢の最初の37%を見た、もしくは調べた直後が、その最適なタイミングなのだそう。

当然、選択肢の37%がどれにあたるかを計算するために、最初にすべてを洗い出す必要があります。そのために、最大値(上限)か期限を設定しなければなりません。

たとえば、車を買いにいった場合、10台の車を見てからどの車を買うか決めたいのであれば、最初の3〜4台はまったく買うつもりなく見るということです。

4台目を見た後から収穫逓減のタイミングになるので、その次の車が最初の4台よりも良いと思えば、その車をキープするということです。

もしくは、選択肢を調べる期限を決めるというやり方でもいいでしょう。プログラマー兼作家のBrian Christianは、著書『Algorithms to Live By: The Computer Science of Human Decisions』で、次のように説明しています。

最高の家を手に入れるために、家探しの期間の37%(1カ月間探すつもりであれば11日間)は、探している家に興味を示さないようにします。

通帳と印鑑は家に置いたままにして、ただチェックをするだけです。

しかし、11日間が過ぎたら、これまで見てきた家よりも良いと思った最初の物件は、(手付金を入れるなど)すぐに購入するという覚悟を決めましょう。

これは、「見る」と「買う」の間の直感的に満足のいく妥協点ではありません。それがおそらく最適解なのです。

この「37%ルール」は、デートや旅行の行き先を決めることから、家の購入や秘書(どんな職種でも)の採用まで、あらゆる決断に応用することができます。

数学者によると、このルールに従えば、情報収集やデータ分析に無駄に没頭することなく行動に移り、成功の確率を最大にすることができるのです。

「37%ルール」の限界

もちろん、経済的に大きな決断や心情の問題などに関しては、このルールは感情や直感、瞬間的な相性、推薦の影響力などを考慮していません(たとえば、独身の自分に、親友が吟味して勧めてくれた1年ぶりのデートの相手が、とても魅力的でおもしろい人だということもあります)。

すべての状況に当てはまるわけではないので、数学的な理論だけを理由に、あきらかに素晴らしい選択肢を捨てる必要はありません。

早急な決断をしてあとで後悔したり、あらゆる選択肢を考慮するのに時間をかけすぎたりする傾向にある人は、このルールは参考になると思います。今度、悩ましい選択や決断に迫られた場合は、このルールを思い出してみてください。

意思決定のプロセスの約3分の1は情報収集で、それから後は、次に出合った素晴らしい選択肢を選ぶのが最適です。

Source: American Scientist, Brian Christian, LinkedIn