いまApple Storeで買える、いちばん小さくて手頃な価格のiPhoneの代表格といえば、第3世代の「iPhone SE」(2022年発売。以下、SE 3)と「iPhone 12 mini」(以下、12 mini)です。

けれども、これらふたつのモデルには、内部ハードウェアやデザインなど、さまざまな点で大きな違いがあります。

価格が7万円以下のiPhoneを探すとなると、選択肢はこのふたつ。とはいえ、その価格に見合うのはどちらの機種なのでしょうか?

SE 3と12 mini、果たしてどちらに軍配が上がるのか、7つの視点から見ていきましょう。

1. 価格

まずは、いちばん重要な「価格」から見ていきましょう。

先ほどもお伝えしたとおり、どちらも7万円以下の予算に収まります。

けれども実際には、SE 3のほうが12 miniよりもずっとお手頃です。SE 3の64GBベースモデルが5万7800円(税込)であるのに対して、12 miniは6万9800円です。

限られた予算でiPhoneを探している人にとって、この1万円以上の価格差は無視できません。

いちばん手頃な価格のiPhoneがほしいのであれば、選ぶべきは間違いなくSE 3でしょう。しかし、12 miniにはこの価格差というハンデを補える機能やデザインが備わっています。

2. 性能

SE 3の画面
Image: MakeUseOf

性能の点でも、SE 3は12 miniに勝っています。12 miniよりずっと安いにもかかわらず、SE 3には、iPhone 13シリーズとともに登場したAppleのフラグシップチップ「A15 Bionic」が搭載されているのです。

一方、iPhone 13シリーズより丸1年前に発売された12 miniには、性能で劣る「A14 Bionic」プロセッサーが搭載されています。

さて、問題はここからです。SE 3と12 miniを実際に使い比べてみて、その性能の違いに気づく人は、どのくらいいるでしょうか。

答えは「ほとんどいない」です。どちらのプロセッサーも大変優秀で、どんなタスクを課しても、たいていはうまくこなしてくれます。

ですが、数年は使うことを見越して購入を検討している人は、ソフトウェアサポートを念頭に入れて、より新しいチップを搭載したSE 3を選んだほうが無難かもしれません。

この時点では、SE 3に気持ちが傾いている人もいるでしょう。しかし、12 miniの反撃はここからです。次は12 miniの長所を紹介していきます。

3. デザイン

12 miniのデザイン
Image: MakeUseOf

AppleはSE 3で、2018年に発売されたiPhone 8のデザインを採用しました。

この決定が多くのファンをがっかりさせています。いくら6万円以下とはいえ、2022年発売のスマホにユーザーが期待するデザインではありません。

Google Pixel 5aを見ればわかりますが、同価格帯のAndroidスマホのほうが、ずっと見た目が洗練されています。

ということで、SE 3の古めかしいデザインが気になって仕方がないのであれば、12 miniを選べば間違いないでしょう。

Face IDノッチと、ベゼルレスに近いスクリーンを搭載したそのデザインは、まさに最新式iPhoneのデザインです。

ボディーのエッジは直角で(フラットエッジデザイン)、ホームボタンはありません。総合的に見て、12 miniのほうがビジュアルの魅力は上と言えるでしょう。

また、SE 3のほうが12 miniよりもサイズはやや大きいという点も重要です。

しかし、サイズこそ大きいものの、SE 3のディスプレイは、上下がベゼルに占拠されているせいで、12 miniのそれよりも小さくなっています。というわけで、デザインの点では12 miniの圧勝です。

4. ディスプレイ

12 miniの画面
Image: MakeUseOf

SE 3には、小ぶりの4.7インチディスプレイに加えて、性能で劣る「IPS LCD」パネル(すでにスマホの業界標準ではなくなっています)が採用されています。

それに加えて、SE 3のディスプレイ解像度は、1080pよりも720p寄りです。750×1334ピクセルの解像度から得られる画素密度は326ppiで、可もなく不可もなくといったところ。ちなみに、最近のスマホのディスプレイは、450ppi以上が標準となっています。

対する12 miniには、5.4インチのOLEDディスプレイ(Appleは「Super Retina XDR」ディスプレイと呼んでいます)が搭載されています。

OLEDディスプレイは、色精度や視野角、黒さの点で、LCDを大きく上回っています。スクリーン解像度も1080×2340ピクセルと、こちらのほうが高く、その画素密度は476ppiです。

さらには、12 miniのOLEDディスプレイのピーク輝度は1200nitなので、Dolby VisionやHDR10のコンテンツを楽しむこともできます。

5. Face ID対Touch ID

12 miniでベゼルレスに近いスクリーンを実現するために、Appleはホームボタンを諦めざるをえませんでした。

つまり、Touch IDが犠牲になったわけです。しかし、その一方でFace IDは進歩を遂げ、いまではマスクを着けていても、ユーザーの顔を認識できるようになりました。

とはいえ、最終的な決め手はユーザーの好みです。

Touch IDのほうが好きな人もいれば、Face IDが好きな人もいます。iPad Airでは、電源ボタンに指紋スキャナーが組み込まれていますし、いずれはiPhoneでも両方が使えるようになることを期待する人がほとんどでしょう。

というわけで、Touch ID派の人はSE 3に気持ちが傾いているかもしれませんが、時代の波に乗り遅れたくない人なら、12 miniのFace IDセンサーにきっと満足できると思います。いずれにせよ、どちらでもiPhoneのセキュリティーレベルは最高です。

6. カメラ

12 miniのカメラ
Image: MakeUseOf

iPhoneで写真を撮ることが最優先事項のひとつなら、選ぶべきは12 miniです。12 miniには、広角カメラ(12MP、f/1.6)と超広角カメラ(12MP、f/2.4)からなるデュアルカメラシステムが採用されています。

12 miniはまさに、さまざまな場面での撮影に適しているのです。

対するSE 3に搭載されているのは、第2世代のSEと同じ広角カメラ(12MP、f/1.8)です。その価格を考えると、SE 3でも十分に素晴らしい写真が撮れます。同じ価格帯のライバル機種では、ここまでいい写真はなかなか撮れないでしょう。

自撮りカメラに関しては、SE 3には7MPセンサーが搭載されています。一方の12 miniは12MPセンサーなので、4K動画を60fpsで撮影することもできます

7. バッテリー

そのコンパクトさを考えるとしかたないのですが、どちらの機種についても、バッテリー性能が最大の強みとは言えません。

とはいえ、SE 3に関しては、やや大型の2018mAhバッテリーが組み込まれたおかげで、バッテリー性能は第2世代を上回っています。

それでもまだ十分とは言えませんが、A15 Bionicのエネルギー効率が優れているため、SE 3のバッテリーは第2世代と比べると、平均で1時間長く持ちます。

一方、12 miniには、実装面積こそ狭いものの、さらに大型の2227mAhバッテリーが組み込まれています。

そのおかげで、12 miniのバッテリーは、SE 3より最大で1時間長く持ちます。A14 Bionicはエネルギー効率でA15に劣るものの、OLEDディスプレイのエネルギー効率がそれを補ってくれるのです。

どっちのiPhoneを買うべき?

iPhone SE 3は、手頃な価格ながら、Appleのフラグシップ・モバイルチップを搭載しています。けれども、そのトップレベルの性能は、ボディーのデザインとディスプレイ、カメラを犠牲にして成り立っています。

とはいえ、5万7800円という価格を考えると、決して悪い買い物ではありません。2022年に発売されたスマホとしては、期待外れの点もあるというだけの話です。

1万2000円多く払ってもかまわないと思っているのなら、12 miniを手に入れましょう。はるかに上等なiPhone体験を楽しめるはずです。プロセッサーはSE 3よりもやや古めですが、高性能カメラやOLEDディスプレイが手に入ります。

ほかの大事な機能もお忘れなく。12 miniはMagSafeに対応しているので、さまざまなMagSafe対応アクセサリーが使えます。

Original Article: iPhone SE (2022) vs. iPhone 12 mini: Which One Should You Buy? by MakeUseOf