歩き慣れた道であっても、急に車やバイクが飛び出してきてヒヤッとすることはありませんか?

大人でもそうなのに、小さな子どもだったら「ヒヤッとする」では済まされない、大変な事故につながってしまうケースもあるでしょう。もしかしたら事故の危険があるかもしれない場所が事前に把握できれば、交通事故のリスクは大きく下がりそうです。

実際、歩行中の交通事故死傷者数は7歳が最も多いことが統計でわかっています。このことから、この年頃は「魔の7歳」と呼ばれているとか。

出典: 警察庁「通行目的別に見た学齢別・歩行中死者・重傷者数(平成27年~令和元年合計)」
出典: 警察庁「通行目的別に見た学齢別・歩行中死者・重傷者数(平成27年~令和元年合計)」

7歳といえば、小学生になって行動範囲が広がり、友だちとおしゃべりしながら下校したり、公園から1人で帰ったりする機会が増える年齢。任せてもらえることがうれしくて、パパやママと一緒にしか行ったことのないスーパーや商店街へ1人で行ってみたいという気持ちも出てくる年頃です。

しかし子どもは大人より背が低くて視野も狭いため、信号や車が認識できず事故にあう確率が高くなってしまうことも容易に想像できます。

不幸な交通事故から子どもたちを守りたい…。そんな思いのもと、この春ローンチされたのが「もしかもマップ」。親子で通学路などの危ない箇所を確認し、マップに登録して見える化するサービスです。

ライフハッカー[日本版]副編集長の田中は、小学3年生の長女と保育園児の次女を持つ父。長女は魔の7歳こそ無事乗り越えたものの、小学3年生になり1人で出歩く機会がさらに増えました。

3年生とはいえ、本当に大丈夫だろうか…と心配していたところに知ったのが、この「もしかもマップ」。さっそく、田中は長女と一緒に使ってみることにしました。

Image: イーデザイン損保

共創型自動車保険「&e」を手掛けたイーデザイン損保の新サービス

「もしかもマップ」は、イーデザイン損害保険株式会社(以下、イーデザイン損保)が開始したサービスです。

イーデザイン損保は、「事故時の安心だけでなく、事故のない世界そのものを、お客さまと共創する。」をミッションに掲げる保険会社。

これまでにもIoTセンサーとスマートフォンを連携して安全運転を支援するサービスを盛り込んだこれまでにない自動車保険「&e(アンディー)や、より健康でエコな移動手段を促進するマイレージアプリ「ノルクなどをローンチしてきました。

そして次なる施策として、飛び出しなどによる「魔の7歳」の事故をなくしたいという思いで生まれたのが、この「もしかもマップ」。

もしここで飛び出したら、安全確認しなかったら危ないかも」という可能性を想像しながら利用してほしい、という思いから「もしかもマップ」という名前が付けられました。

ユーザー登録は至って簡単。サイトにアクセスしてメールアドレス、パスワードとニックネームを設定すればアカウントの登録は完了です。通学路などの子どもの行動範囲を親子で一緒に歩きながら、危険なポイントを探していきます(歩きスマホは厳禁です)。

それでは、実際に使ってみましょう。田中と長女のAちゃんは「もしかもマップ」を通じて、親子で交通安全の意識を高めることができるでしょうか。

Image: イーデザイン損保

“危険”を可視化して、みんなで共有

Aちゃんは「魔の7歳」よりは少し年上ですが、コロナ禍で通学や放課後に外で遊ぶこともままならない期間もあったため、まだまだ1人歩きの“初心者”であることは間違いありません。

「子どもと交通安全について話す機会はあまりありませんでした。娘が小学校に上がる前、通学路を『ここは危ないから気をつけてね』と教えながら歩く練習したのですが、最近では『行ってきます』『気をつけてね』というやり取りだけになってしまっていました。

また、普段一緒に歩くときは手をつないで完全にこちらがハンドリングしているので、なぜそこが危ないかを教えることもしなくなっていましたね」(田中)

確かに「ほら、よそ見しない」「ちゃんと歩道に上がって」などと言うばかりで、なぜそこが危ないのか、子どもが何を怖いと思っているのかまで、日ごろあまり考えていないという親御さんは少なくないかもしれません。

親子で「もしかもマップ」を見ながら危ないポイントを確認
親子で「もしかもマップ」を見ながら危ないポイントを確認

さっそく街へ出てマップを立ち上げ、危険だと感じた「もしかもスポット」を探す「安全てんけん」を開始した2人。ベンチに座って、今いるエリアの危ない場所を探してみることにしました。

「もしかもマップ」には、日本国内で実際に事故があった場所(※)がピンで可視化されていて、今いるところで事故があったかどうかを検索することが可能です。

さらにユーザーが大人の視点と子どもの視点で危ないと思う「もしかもスポット」に立てたピンがその理由とともに表示されるので、そこで事故があったかどうかだけでなく、大人や子どもが危険と感じた場所かどうかもわかります。

※警察庁交通事故統計情報のオープンデータ (2020年1月1日~12月31日)による全国の交通事故データと80以上の地方自治体からの提供データが反映

子どもの視点で“危険”を考えてみる

では、少し歩いてみましょう。毎日通っている道も、危険を探して歩くと見え方が違ってくるものです。

駅前は人も車も多いですが、怖いのが歩道をものすごい勢いで走り去る“自転車”の存在。また、裏通りでは飲食店の前に重ねられたビールケースや無造作に置かれたバイクが目隠しとなり、Aちゃんはいきなり視野に入ってきた車にドキッとした様子でした。

さらに、信号も横断歩道もないうえに、車、バイク、自転車、ベビーカーなどが行き交う商店街では、Aちゃんがどう歩いていいか迷って立ち止まる場面も。

商店街はたくさんの人がいるから安心と思いがちですが、道は狭く、扉を開けるとすぐ車道に出る店も多いため、買い物ができたことのうれしさに気をとられて“もしかも”のシーンに遭遇しやすい場所でもあります。

「危ない場所を一緒に確認することで、娘を送り出すときの言葉も変わってくるような気がします。

ただ『気をつけてね』と言うのではなく『お店を出るときに、ちゃんと左右を見てね』とか『公園の前の道は大きい車が通るから、信号のある横断歩道を渡ってね』などと具体的に伝えることで、娘も何に気をつけるべきか理解しやすくなると思います」(田中)

さらに、頻度はそこまで高くないものの、たまに車を運転することもあるという田中。そのときにもこのマップは役に立つとも語ります。

「大人には見えていることも、娘には見えていないし気づいていない。今回そんな場面を見て、運転するほうも気をつけてあげなければいけないと感じました。

自分がいつも通る場所のどの道で事故が起きているのか、子どもが何を不安に思っているかをドライバーも把握して、双方で事故のない世界を目指せたらいいですよね」(田中)

交通安全のルールを、楽しみながら学べる

「もしかもマップ」の活用はここで終わりではありません。家に帰ってもう一度マップを振り返ることも、大切なアクションです。

もしかもマップでは、実際に街を歩きながら危険な場所にピンを立てられる「安全てんけん」の機能だけでなく、家でマップを見ながらピンを立てられる機能もあります。

「Aちゃん、今日危ないと思ったのはどこ?」と、2人はさっき歩いた場所を見直して、もしかもスポットにピンを立てていきます。Aちゃんは、裏通りでヒヤッとしたことを思い出し、そこへ「車が飛び出してきそうだから」という理由をつけてピンを立てました。

「Aちゃんが危ないと思ったところを、ピンを立ててみんなに教えてあげられるのはどう思う?」という田中の問いに、ちょっと困った顔を見せるAちゃん。

しかし、「これを見て、お友だちや近くに住んでいる人が注意してくれたらうれしい?」と聞き直すと、Aちゃんは大きくうなずいてくれました。

また、危険な場所の情報を共有するだけでなく、交通安全のための学習を楽しみながら行なえるのも「もしかもマップ」の特長です。ナビゲーション役を務めるのは親しみやすいイラストのキャラクター「もし子ちゃん」。

もしかもドリル」は交通安全の基本ルールを全5問で答えるドリル。Aちゃんは見事全問正解し、「あんぜんバッジ」をもらえてうれしそう。何度も繰り返して解いていました。

左: 「安全てんけん」のあと、Aちゃんが危ないと思った場所にピンを立てた。/右: 「もしかもドリル」に全問正解し、あんぜんバッジを獲得
左: 「安全てんけん」のあと、Aちゃんが危ないと思った場所にピンを立てた。/右: 「もしかもドリル」に全問正解し、あんぜんバッジを獲得
Screenshot: ライフハッカー編集部 via もしかもマップ

人や学校、自治体、社会が手を取り合って

この「もしかもマップ」は、イーデザインの「SDW(SaveDriveWith)」プロジェクト(データを活用した共創型事故削減プロジェクト)の一環として運用されています。

「SDW」は全国の自治体や小学校と連携することで、通学路に潜んでいる危険な箇所を“見える化”することで、子どもへの注意喚起や交通インフラの整備への一助を担うというものです。

1人ひとりが危険を感じた「もしかもスポット」の情報を収集してデータ化し、国や自治体、企業、教育機関、そしてユーザーが連携していけば、イーデザインが目指す「事故のない世界」にまた一歩近づけることでしょう。

そのためにも、私たちがこの「もしかもマップ」にピンを立て、声を届けることが必要です。そんな大切な取り組みに、子どもと一緒に参加できるのは、とても意義あることなのではないでしょうか。

田中: 今日は一緒に危ない場所を探せて、どうだった?

Aちゃん: 楽しかった!

田中: それはよかった。交通事故にあわないように、気をつけようと思えた?

Aちゃん: 通学路は慣れているからこれまで危ないと思ったことはなかったけど、危険もあるんだと気付けたし、これから気をつけていこうと思った。

さらに「あとはね、」と、数年後には小学生になる妹のMちゃんについて「事故にあってほしくない」とお姉ちゃんの顔を見せてくれたAちゃん。幼心に「もしかもマップ」を通じて、大切な人に事故にあって欲しくないと願う気持ちのバトンだと感じたのかもしれません。

後日、田中とAちゃんが一緒に歩いていたところ、ある見通しの悪い交差点で「あっ、ここは“もしかもスポット”だ!」と指をさして教えてくれたそう。

「もしかもマップを使って親子で話し合えたことで、日常のなかでも注意が必要だ、危ない場所はパパに伝えて一緒にピンを立てようと思ってくれるようになったようです」と、田中は話します。

親子にとっても単に交通安全について意識を高めるだけでなく、これまでとは違ったコミュニケーションツールであり、関係性を深める機会ともなる「もしかもマップ」。

ぜひお子さんや大切な人と、マップを片手に「安全てんけん」してみませんか?

もしかもマップの使い方

Photo: YUKO CHIBA/Source: もしかもマップ, YouTube