Googleはアメリカ太平洋時間の5月11日に開催した今年のI/Oイベント(Googleが主催する開発者向けのイベント)で、Pixel 6a、Pixel 7、および Pixel Watchなどのエキサイティングな新しいプロダクトを発表しました。
こうしたイベントではハードウェアが主役になりがちですが、今回はAndroidにも目を向けています。
Android 13の新機能や一般的なAndroidのアプデに加えて、ソフトウェアに関しても多くのことが発表されました。
Googleは、Androidのセッションで、OSを「Phone at the Center」、「Extending Beyond the Phone」そして 「Better Together」という3つの大きなテーマで考えていることを明らかにしました。
各テーマに関して具体的に発表された内容は次の通りです。
Phone at the Center:RCSとDigital IDを実装する
Googleは、「Phone at the Center」の冒頭で、Android 13の新機能をいくつか説明しました。これらの機能は最初のベータ版からすでに存在していました。
具体的には、アプリのアイコンが「Material You」を使って壁紙に合わせて色を変えることができるなどの機能、楽しい 「グルーヴィー」再生バーを備えた新しいメディアコントロールパネル、アプリごとに異なる言語をパーソナライズする機能などです。
Android 13が多くの新しいセキュリティ機能とプライバシー機能を備えていることも発表されましたが、具体的なことはあまり詳しく触れられませんでした。
また、RCSを実装するためにスマホのキャリアと協力することが強調されました。
RCSは、エンドツーエンドの暗号化、Wifiメッセージング、SMSに代わる既読通知のようなリッチメッセージング機能をもたらす次世代のテキストメッセージング・プロトコルです。
ところで、今年のGoogle I/Oでは、最初に重要な新機能が発表されました。GoogleはGoogle Walletをリニューアルして、デジタルID、特にデジタル運転免許証をGoogle Walletで使用できるようにします。
この機能は、AppleのWalletアプリのデジタルIDプログラムとそっくりで、間もなくロールアウトされる予定です。両プラットフォームの機能が実用化されると、この機能が有効な州や国ではスマホを使って自分のIDを「見せる」ことができるようになります。
それも、単にIDの写真を見せるだけでなく、NFCかQRコードでIDを認証し、そのIDが有効であり、自分のIDであることを証明することができます。
Googleは、緊急時にAndroid搭載のスマートウォッチから簡単に緊急サービスに接続できる「緊急SOS」をWear OSに搭載することも発表しました。
また、Androidの地震警報システムを拡張し、スマホの加速度センサーを活用することで、地震の発生を事前に警告することができるようになります。
Extending Beyond the Phone:Androidアプリはタブレットサイズのディスプレイ用に最適化される
Googleは、スマホに続き、2つ目のテーマである「Extending Beyond the Phone」に話題を移し、タブレットに搭載されているAndroidに目を向けました。
Androidアプリをタブレットサイズのディスプレイ用に最適化したいとして、まずは「TikTok」「Facebook」「Canva」「Google Messages」などの重要なプレイヤーを含む20以上の人気アプリを早急に更新する予定です。
これらのアプリのUIは、より大きなスクリーンサイズに対応するために変更されることになります。
たとえば「TikTok」の場合は、画面の一部を動画に、残りの部分をコメントに使うことで、一度に両方を快適に見られるようになります。
iPadOSのようなウィンドウ管理システムもお披露目されました。下部のドックやアプリのリストからアプリをドラッグ&ドロップすれば、すぐに画面を分割することができます。
Better Together:Androidデバイス間の連携がよりシームレスになる
最後に、Googleは、さまざまなAndroidデバイスをシームレスに連携させる方法、つまり 「Better Together」を実現する方法を説明しています。
このシームレスな連携は、Chromebookや自動車などの新しいデバイスにまで拡張されます。スマホのハブも拡張されるので、スマホのメッセージングアプリをChromebookにストリーミングすることができるようになります。
私が個人的に好きな新機能は、スマホから何かをコピーして、タブレットに直接貼り付ける機能です。
この機能は、iPhone、iPad、Macを問わず、Appleのエコシステム全体を通じてうまく機能しているので、このオプションがついにAndroidにも搭載されると思うとワクワクします。
テレビなどの他のデバイスとヘッドフォンやスマートデバイスをFast Pairのようにシームレスにペアリングできるようにする「Fair Pair」の拡張も強調されました。
ペアリングといえば、Googleは、今秋登場する「Matter」を発表しました。これは、Google Nestを多くのブランドやプロダクトに接続して簡単にペアリングするソリューションです。
Androidに関する発表の締めくくりとして、GoogleはPixelデバイス向けに新しいAndroid 13のベータ版をI/Oイベント当日にリリースしました。
これはAndroid 13の2つ目のベータ版となり、このI/Oイベントで発表された新機能がかなりの確率で含まれていそうです。
最初のベータ版から新しいアップデートをインストールしようとしている人やベータ版を初めて試してみたい人は、こちらの過去記事でPixelにAndroid 13をインストールする手順をチェックしてみてください。