「やりたいことがわからない」という悩みを抱える人のなかには、「好奇心が強いにもかかわらず怖がりである」とか、「没頭しやすいけれど長続きしない」という性格特性を持っている人がいる。そして、そういう人は「かくれ繊細さん(HHS型HSP、あるいはHSE)」かもしれないーー。

かくれ繊細さん専門のカウンセラーである『かくれ繊細さんの「やりたいこと」の見つけ方』(時田ひさ子 著、あさ出版)の著者は、そう指摘しています。

最近は、アメリカの心理学者のエレイン・アーロン博士の発見した概念「HSP:Highly Sensitive Person」(生まれつき感受性が強く敏感な気質を持った人)が少しずつ浸透してきて話題になることも増えました。

「かくれ繊細さん」とは、この「HSP」の中でも、共感能力が高く繊細で傷つきやすい側面(HSP)を、外向性、社交性、積極性、好奇心旺盛さという別の側面(HSS:High Sensation Seeking)によって表面化しないようカバーしている人たちです。(「はじめに」より)

多くのかくれ繊細さんの自己発見に協力してきた著者は、実は「やりたいこと」は、すでに自分のなかにあるのだといいます。しかし、そこに気づくのをやめておこうとする習慣がついているので、大切なことがわからない状態にあるというのです。

一方、かくれ繊細さんは、単に「やりたいことを見つけ出して、それをやったら満足」ではなく、「やりたいことに気づき、発掘し、それに挑戦し、夢中になる自分を体験するのが好き」なのだとか。その過程にいる自分の感覚を楽しむ(苦しい自分も楽しめる)のが、かくれ繊細さんにとっての充実した生き方だということ。

やりたいことを自分の中から掘り起こす作業を通して、自分自身を信頼できるようになりますし、やりたいことに実際に取り組むと、夢中になる自分を肯定しやすくなります。このような好循環が生まれ、生きづらさが軽減していく方をたくさん目撃してきました。(「はじめに」より)

そこで本書では、かくれ繊細さんの「やりたいことをして満足して生きたい」という思いを実現するためのメソッドを明らかにしているのです。

きょうは第4章「かくれ繊細さんが才能を発揮して活躍するコツ」内の「自分を扱うスキルを身につける」のなかから、2つのポイントをご紹介しましょう。

ミスをしたときは感情のケアをする

かくれ繊細さんはミスが苦手。ミスするとオドオドしてしまい、脳内にそのミスに関連する悪い想像を駆け巡らせ、必要以上に動揺してしまうのだそうです。

ミスによって湧き起こる感情は、「悲しさ」「みじめさ」「後悔」「悔しさ」「恥ずかしさ」。それらの感情を誰にも押しつけることはできないため、ひとりでぐるぐるし続けるしかない状態になるわけです。しかし、そんな内面に反して、対外的には「平気です」と涼しい顔をし続けられたりもするのだから困りもの。

そんなときは、自分のなかに湧き起こる感情すべてを拾い上げてセルフケアをするべき。具体的には、出来事・感情を具体的に書き出してみるといいそうで、本書ではそのための具体的なワークが紹介されています。

大きなミスは、かくれ繊細さんにとってこの世のほかのどんなことよりも傷つく出来事の1つです。とても1人で扱うことはできません。

できれば誰か信用できる人とのあいだで、どれか1つの感情ではなく、そのときに起こったすべての感情に対して、そう感じたことを理解し、腑に落として終わらせるようにしてください。(212ページより)

大切なのは、ことばにすること。しかも、それをわかってくれる人と共有する過程を経ると、「ミスを思い出しただけでいたたまれなくなるひどい状態」から抜け出すことができるのだそうです。(210ページより)

リラックスできないときは瞑想をする

「休みでもリラックスできない」「仕事のことが脳裏をかけめぐって、完全に休むことができない」「仕事と休日を切り替えられない」というような状態も、かくれ繊細さんにとっては大きな悩み。

著者はそんな人に、瞑想をすすめています。瞑想はコルチゾール(過覚醒によって生成されたストレスホルモン)を低下させるという研究結果もあるため、ひとつのスキルとしてぜひ習得しておきたいというのです。

瞑想には、精神を統一する禅の瞑想、マインドフルネス、超越瞑想の3タイプがあり、それぞれ脳への影響が異なるそう。著者はそのなかから、超越瞑想をすすめています。

超越瞑想のやり方

❶一点に集中して、意識の焦点をとらえてください。集中するのは数秒でかまいません。特定の一点は、薄目を開けて、なるべくほかのものが目に入らないようにして見てください。

❷外へ向かう意識を一点に集中できるようになったら、次はその意識を体内に移動し、外にあった集中を自分の体内に戻してください。

❸自分の体内に意識を集中させたら、さらに自分の体内に沈み込むようにしましょう。

(215ページより)

自分の意識がどこに向けられているのかを捉え、捉えた意識を特定の一点に持ち込んで集中するところから試してみるといいそうです。

かくれ繊細さんが外にあった注意を体内に戻せるようになると、短時間でも自分だけの時間に切り替えられるようになり、リラックスできるようになります。

また、自分の中に湧き起こる感情すべてを拾い上げるセルフケアをしてから瞑想すると、自分の中に起こっていたすべての感情を完了して、生まれ変わったような感覚を得られます。さまざまな瞑想音源を試してみるのもいいですね。(216ページより)

難しいことではないので、試してみてはいかがでしょうか?(214ページより)

著者によれば、かくれ繊細さんは元来努力家で研究熱心。したがって、「やる」という覚悟が決まれば目標に向かって邁進し、没頭する自分を得ることができるのだといいます。だとすれば本書を参考にしながら、自分の「やりたいこと」と向き合ってみたいところです。

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Source: あさ出版