朝起きたときに、どんな色の洋服を着ようかと、時間をかけて考える人もいれば、あまり気にしない人もいるでしょう。

けれども、洋服の特定の色合いには文化的な意味合いがついて回ることは、皆さんもご存知だと思います。

たとえば、西洋文化のしきたりでは一般的に、誰かが黒い服を着ていれば、その人が喪に服していることを意味します(あるいは、お葬式やお通夜、告別式に出席している場合もあるでしょう)。

それに対して、赤は「勝負の色」とみなされています。赤い服を着ている人は、自分自身と周囲の人に対し、「自分は真剣に何かに挑もうとしている」というメッセージを送っているのです。

色彩心理学を取り入れた最近の例に、「ドーパミンドレッシング」というコンセプトがあります。

ドーパミンドレッシングでは、洋服の色や素材、スタイルの力を借りて、身に着けている本人の気分を盛り上げることを目的にしています。

ドーパミンって何?

念のために簡単に説明しておきますが、ドーパミンは、いわゆる「幸福ホルモン」のひとつとして知られています(セロトニンも幸福ホルモンのひとつです)。

気分や、やる気、集中力を強く左右するホルモンです。

ドーパミンが多めに出ていると、人は気分が高揚するのが一般的です(少なくとも、それなりにいい気分になります)。

元気よく過ごすぞ、というやる気満々な状態です。

一方、ドーパミンの出方が少ない場合は、気が滅入ったり、希望が見出せなかったり、日々の単純な作業に要するエネルギーすら湧いてこなかったりします。

ドーパミンドレッシングって何?

みなさんはすでに、ドーパミンのレベルを自然に上昇させるうえで効果的な方法をご存じかと思います。

ぐっすり眠る体を動かす好きな音楽を聴く、といったことがおすすめとして挙げられます。

そしてこれからはさらに、洋服に関する行動も加わることになるかもしれません。

ドーパミンドレッシングは基本的に、気分を上げてくれる色や素材、スタイルの洋服を着るということです。

特に決まりはありません。にぎやかな柄が描かれた洋服や、明るい色のファッションを毎日着なくてはならないわけではありません。

というのも、目の覚めるようなブルーのセーターや、蛍光イエローの靴下を身に着けると気分が盛り上がる人がいるのは事実ですが、そうした明るい色合いの服は、まわりの人に不快感を与えることもあるからです。

あるいは、マンガの登場人物みたいに見えたり、その人らしくないと思われたりする可能性もあるでしょう。

むしろ、黒や褐色、もっと柔らかい中間色を組み合わせたほうが、気分も上がるし、自分らしいと感じられる人もいるかもしれません。

ドーパミンドレッシングの注意点

これが、ドーパミンドレッシングで注意を要するポイントのひとつです。

私たちは、社会で広く認識されている文化的なイメージの影響を受けて、特定の色やスタイルを批判したり、好ましくないとして退けたりすることがあります。

けれども、ドーパミンドレッシングでは、社会一般の受け止め方(たとえば、黒い服を着ると悲しくなるという考え方)や、その色が周囲にどのようなメッセージを送るのかは重視されません。

それよりも、その色をまとった「本人」がどう感じるかが重要なのです。

Source: The phychlogy of Fashion, Nature, Bazzar