イーロン・マスクがTwitterを買収するのではという憶測が何週間も飛び交っていましたが、この億万長者の実業家はついに同社の所有権を手に入れました。
マスクは常にTwitterの大ファンでしたが、Twitterの運営方法については厳しく批判してきました。
彼は今や、これまで提案してきた改革を推進するためのポールポジションに立っています。
この記事では、彼が過去に語った改革の中で最も実行される可能性が高いものと、それが私たちの日常的なTwitterの使用にどのような影響を及ぼすかについて、追跡してみました。
マスクがTwitterの新しいオーナーとして推進する5つの改革は次の通りです。
1.モデレーションルールを変更する
イーロン・マスクのTwitterに対する最大の不満の一つは、同プラットフォームのコンテンツモデレーションルールです。
モデレーションとは、ユーザーが投稿したコンテンツを運営者がチェックすること。
自称「言論の自由絶対主義者」のイーロン・マスクは、Twitterが言論の自由を促進するために十分なことをしていないと考えており、Twitterをたびたび批判しています。
これは、彼がTwitterの株式を大量に購入した後も、Twitterの取締役会への参加を拒否した理由の1つだとされています。

彼は、自分の意見がどれだけ支持されているか知るために、Twitter上でユーザーに「このプラットフォームは言論の自由の原則を受け入れていると思いますか」という質問に投票で回答させています。
200万人の投票者のうち70%以上が「No 」と回答しました。

マスクによれば、Twitterの買収に踏み切ったのは、言論の自由を守る姿勢を改善することが目的です。
「私は、Twitterが世界中の言論の自由のためのプラットフォームとなる可能性を信じて、Twitterに投資しました。そして、言論の自由は民主主義が機能する社会には必須であると信じています」とマスクはSEC規制当局への提出書類で指摘しています。
マスクがどこまで言論の自由の思想を貫くかわかりません。
無制限なアプローチの可能性は低いと予測している人たちがいる一方で、ほどほどの調整が成されると予測する人たちもいます。
しかし、ひとつだけ明らかなのは、マスクがモデレーションルールの変更を強く望んでいるということです。
2.Twitterのアルゴリズムをオープンソースにする
マスクはこれまでも何度かTwitterのアルゴリズムを一般公開することに言及しています。
これは一般ユーザーには大ごとではないように思えるかもしれませんが、実は大変なことです。Twitterのアルゴリズムをオープンソースにするということは、Twitterの中核機能に関する透明性を高めることを意味します。
そうなると、テクノロジーに詳しくない人も、その恩恵にあずかることになります。
たとえば、ユーザーであれば、自分のツイートがなぜプロモートされるのか、なぜ可視化されないのかについて理解を深めることができます。また、何が効果的で何が効果的でないかを、推測を超えて理解できるようになります。
3.Twitterの政治的中立性を強化する
Twitterは、政治的な発言に肩入れしていると疑われ、多くの反発を受けています。話題の内容によって、右派はTwitterを左寄りだと主張し、左派は右寄りだと主張。真実がどうであれ、Twitterはもっと政治色をなくすべきだとマスクは考えています。
2022年4月のツイートで、マスクは政治的に中立なTwitterの構想をほのめかしています。
マスクはこの問題を頻繁に取り上げているので、実際に行動を起こすかもしれません。
4.スパムボットと戦う

スパムボットはSNSにおいて深刻な問題であり、Twitterも例外ではありません。それを問題だと認識していない人には、むしろ大きな問題になる可能性さえあります。
Twitterは2021年の同社のブログ記事で、スパムボットの実態を語っています。
毎週、約500万から1000万のアカウントがスパムボットとしてフラグを立てられています。
つまり、Twitterのユーザーは、交流していると思っている「人」や流れてくる意見の中には、スパムボットからのものが含まれている可能性があるということです。
ボットキャンペーンが組織的に行われると、人々の会話に影響を与え、世界的に影響を与える可能性があります。
イーロン・マスクはこの状態を終息させたいと思っており、ボットの数を減らしたいのです。
Twitter自身も言っている通り、スパムボットの対処は大変厄介な問題で、明確な解決策はないかもしれません。
イーロン・マスクがどのようにこの問題に取り組むのか、興味深いところです。彼が成功すれば、すべての人、特にスパムボットをフォローして交流している無防備なユーザーにとっては、ウィン・ウィンになります。
5.Twitter Blueのサブスクに変更を加える

Twitter Blueは、Twitterのサブスクリプション版で、いくつかの追加機能を利用することができます。現在、このサービスは月額課金モデルで運営されています。
イーロン・マスクはTwitterを買収する前に、Twitter Blueのあり方について3つの重要な変更を提案しました。
- サブスク料金は月額2ドル程度にして年払いにする。
- 全てのTwitter Blueユーザーはサインアップすると検証済みのチェックマークが付与されるが、そのチェックマークが付くのはTwitter Blueに加入してから60日後にする。
- サブスクの期限が切れると、チェックマークはなくなる。
Twitter Blueの対象地域は現在のところごく少数の国に限られ、ユーザーも少数です。
価格引き下げとチェックマークが約束されれば、Twitterのプレミアムサービスに対す関心が高まるかもしれません。
改革案は見た目以上に複雑
マスクが提案した改革は、紙の上では素晴らしくて簡単に実行できるように見えます。しかし、外部からシステムを批判することと内部から修正することは別の話です。
また、彼が提案する改革は大規模なので、一朝一夕に実現できるとは思えません。もし、彼がこの改革の推進を選択した場合、実現にどれだけの時間がかかるのか、いまだにわかりません。
マスクには強固な意志とリソースがあるかもしれませんが、言論の自由のような問題につきものの政治的嵐を果たして切り抜けられるのでしょうか?
彼にはすべての正解が見えていると信じたいところですが、どのように改革を実行するのか見守る必要があります。
Original Article: 5 Things About Twitter Elon Musk Is Likely to Change by MakeUseOf