「うまくいく人」と「うまくいかない人」との違いはなにか?
この問いに対して『うまくいく人の考え方』(永松茂久 著、SBクリエイティブ)の著者は、「どんな視点でものを見ているか」つまり“考え方の差”だけだと断言しています。
うまくいく人は人の何十倍も努力をしているわけではありません。多くの人が常識という枠の中で物事をとらえ、考えているときに、その枠を超えた部分、つまり盲点を見抜くことに長けているだけの違いです。
その盲点を見抜き、それを実行することで、他の人とは違った結果を生み出しているのです。(「まえがき」より)
そういう人たちのように、ものの見方、視点を変えるだけで「うまくいく人」になれるというのです。
やみくもな努力は必要なく、むしろピントが合わない状態で努力し続けてしまうと、成功とは違った方向に進んでしまうこともあるそう。
・努力することなくうまくいく人の考え方が身につく
・余計な力が抜け、心が軽くなる
・過去に自分がうまくいったとき、いかなかったときの理由がわかる
・人間関係が今よりずっと楽になる
・「うまくいくってこんなに簡単なことだったのか」と気づく
・未来に対する不安がワクワクに変わる
・無駄な努力をしなくてすむようになる
・自分に自信が持てるようになる
・読みやすく、簡単に理解できる
(「まえがき」より)
このようなメリットが得られるという本書のなかから、きょうは第5章「うまくいく人の習慣力」に目を向けてみたいと思います。
肯定癖をつける
人の心には、その人独特の思考パターンがあるもの。
肯定的な人がどんな状況下でも一筋の光を見つけられる一方、否定的な人はそうもいかないようです。
私の大尊敬する日本の超一流の文化人の方からこんな言葉を教えてもらったことがあります。
「万象肯定、万象感謝」。文字通り、すべての存在やできごとを肯定し、すべての存在やできごとに感謝する、という意味の言葉です。(146ページより)
「考え方を変えようとしてうまくいかなかったら、ただ口にするだけでいいよ。そうすればだんだんその思考になってくるから」といわれ、そのとおりにしていたのだとか。
その結果、本当に物事が肯定的に見えてくるようになり、感謝の気持ちが湧いてきたそうです。
人の思考は、そうそう簡単に変わるものではありません。いきなり考え方を変えようとしてもうまくいかないわけですが、そんなときはまず口癖を変えてみる。そうするだけで、ゆっくりと思考が変化していくのだと著者はいいます。
言葉は現実化します。自分が普段使っている言葉が人生を作り出しているのです。(147ページより)
だからこそ否定癖を捨て去り、肯定癖をつけることが大切なのでしょう。(146ページより)
行動力を磨く
うまくいく人の条件として、これまで様々な思想家、哲学者、成功者たちが「行動力」の大切さを訴え続けてきました。
行動する人は必ず何かを手にします。たとえ失敗に終わったとしても、何らかの学びを得ることができるのです。(160ページより)
逆にいえば、行動しない人は失敗しない代わりに、なにも得ることができないわけです。得るものがあるとすれば後悔だけ。人生において、それは最大の失敗ではないでしょうか?
ちなみに、日本人の平均的な行動回数は1回を下回っていると言われています。これはどういうことかというと、
「1回のチャレンジもせずに、人生を終える人がほとんどである」
ということです。(160ページより)
仮に現時点で能力不足だと感じていたとしても、行動しなければなにも始まりません。
そこで著者は、まず一歩踏み出すことを提案しています。いきなり大きなことを狙う必要はなく、できるところからでOK。チャレンジ精神を大切にしながら行動力を磨いていけば、いつか必ずうまくいくということです。(160ページより)
行動量を増やす
行動力は大切ですが、行動すれば失敗することもあるもの。とくに始めたばかりのころは、失敗ばかりの毎日が続いたとしても不思議ではありません。
ただし、だからといってその失敗にくじけてはいけないと著者は主張しています。成功率を考えるのは、まだまだ先の話だから。
あなたが現時点で、10回打席に立って、1本ヒットを打ったとしたら、あなたの打率は1割ということになります。
では、その調子でバッターボックスに立ち続け、1000回バットを振ったらヒットは100本になるかといえば、実はそんな単純な話ではありません。
どんなに空振りばかりしている人でも、1000回も打席に立ち続ければ、少しずつ上達します。
そうすると、やがてコツを覚え1割だった打率が2割、3割と上がっていき、やがてホームランを打てるようになるのです。(162〜163ページより)
つまり、行動を起こすときには「行動量」が大切だということ。
ドイツの哲学者であるヘーゲルが説いた「量質転化の法則」ということばからもわかるように、圧倒的な行動量は人を成長させるのです。したがって、失敗を恐れずチャレンジし続けることが重要なのでしょう。(162ページより)
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本書はビジネスパーソンや経営者、一部の特殊な仕事をしている人のために書かれているわけではないそうです。
もっと広い視野のもと、老若男女、年齢、仕事の枠を超え、成長したいと願うすべての人に向けられているというのです。しかも最初から読み進める必要はなく、気になった項目から読むことも可能。そういう意味でも、実用性の高い一冊だといえそうです。
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Source: SBクリエイティブ