働き方が多様化し、最近は収入を得ることを目的に本業を持ちながら別な仕事をする、副業、ダブルワークという働き方が増えています。

そんななか、本業を持ちながら第2のキャリアを築く「複業」という働き方も注目されています。

収入ではなく、スキルアップや実績を積むことを目的とした働き方で、パラレルキャリアとも呼ばれます。

では、複業をするときに、家計面、税金面などお金に関する事柄においては、どのようなことに気をつければよいでしょうか。

複業をする人に最適な家計管理とは?

「複業」をするにあたって、まず気をつけておきたいことは家計管理。複数からの収入により、今までとは異なった家計管理方法にシフトする必要があります。

業務委託だったり、給与収入が収入の中心になる場合、お金が入る日が決まっているので、収入の把握や支出の管理がしやすいかもしれません。

ですが、フリーランスや自営業のように、都度お金が入ってくる働き方になると、収入の把握も、支出の把握も難しくなりがちです。

しかも、業種によっては経費も発生し、ますますややこしくなってきます。

財布を細かく分けて管理する

複業をされる方は、経費を除いた手取り収入額を、毎月の生活費と考えましょう

収入から経費を除いて考えるのが難しいなら、経費用・家計用と財布を分けて管理するとだいぶスッキリします

財布ではなく、使うクレジットカードを分けても良いでしょう。そうすると、収入の中から経費の切り分けができ、家計管理がしやすくなります

1カ月の生活費に使える家計費が分かれば、あとは自分が何にいくら使って暮らしているのか、ムダな支出はないか、逆に払わなくてはいけないのに払っていない支出はないかを確認しながら、「家計のスリム化」を図りましょう。

そして、毎月しっかりと貯金をし、積立投資をして将来に備えることができるようになりましょう。

税金、社会保険料、年金などの手続きは?

Image: Shutterstock

複業をする人にとって、気になるのは税金や健康保険料、年金保険料などもあります。

税金は、複数の収入を取りまとめ、確定申告をすることで金額が決まります。申告すべき税金は、所得税、住民税、場合によっては消費税の申告も必要です。

よく給与所得者は「年間20万円を超えなければ確定申告はいらない」といわれますが、これは所得税に関する話。住民税は別なのです

住民税の滞納・遅延に注意

住民税は、パートのような働き方であっても、収入が市区町村の住民税取り扱いの課に報告されていますので、収入額に応じ、納めなくてはいけません

どうすると節税ができるかと考えると、まず、生命保険料控除、医療費控除、ふるさと納税などを使った寄付控除など、使える所得控除がないかを探すこと。

無理に控除額をつくることは、無駄な出費につながるので必要ありませんが、今あるもので控除されるものは、もれなく申告するようにしましょう。

安定した収入があるなら「青色申告」

もう1つ、「青色申告」による控除を受けることも考えられます。「開業届」を出し、個人事業として「複業」に取り組む場合です。

青色申告控除を受けられると、10万円、55万円、65万円のどれかの控除が受けられます。

帳簿が簡易簿記の場合は10万円、複式簿記で税務署窓口での申告なら55万円、複式簿記でオンライン申告で65万円となっています。(青色申告特別控除/国税庁)

収入からこれらの金額が引かれると、課税額が少なくなりますから、ぜひ活用したいところです。

健康保険、年金保険については、会社に所属している人は勤めている会社のものに加入するといいでしょう。

業務委託や都度報酬を受け取るような働き方の収入は、事業収入なので国民健康保険、国民年金に加入が必要になります。

会社とのトラブルを避けるには?

会社に属しながら複業をしている人は、トラブルにも備えておきたいところです。

考えられるトラブルは、副業などが禁止されているのに複業している、会社の仕事に身が入らなくなったなど。

働き方改革により、副業は社会的に認められてきていますが、会社の体制的にはまだ、認められていないところもあるのです。そういう場合はもちろん、複業も認められません。

隠れて複業をすることも考えられますが、住民税の徴収や社会保険料などからバレてしまうことも多いのです。

「住民税」や「社会保険料」でやっておくべき手続き

バレないために、住民税を普通徴収にしましょうという情報もありますが、会社は特別徴収が義務付けられています。

普通徴収にすると何か事情があると見られる可能性がありますし、強制的に特別徴収されてしまうことも。

また、社会保険は、複業が事業所得ならば問題ないですが、同じく給与所得者として働くのなら、「二以上事業所勤務届」を提出が必要となります。(複数の事業所に雇用されるようになった時の手続き/日本年金機構)

こういうことから、会社に知られる可能性が割と高いと考えられます。下手にバレて問題になるくらいなら、副業は理解を得た上ではじめるものと肝に命じておきましょう。


複業を考えるのなら、まず、今お勤めの会社が副業を認めているかどうか、就業規則で確認してみましょう。まわりの雰囲気理解度もある程度、探ることも大切です。

会社では禁止されていて、まわりも理解がないようなら、転職に理解のある職場を探して転職することも検討しましょう。理解されて、応援しあえるような職場で働けることが一番ですから。

コミュニケーションを取り、自分の考え方や会社の仕事もキャリアとして必要だと思っていることを知ってもらうと、トラブルは避けていけます。

横山光昭(よこやま・みつあき)

横山光昭(よこやま・みつあき)

家計再生コンサルタント、株式会社マイエフピー代表。お金の使い方そのものを改善する独自の家計再生プログラムで、家計の確実な再生をめざし、個別の相談・指導に高い評価を受けている。これまでの相談件数は23,000件を突破。書籍・雑誌への執筆、講演も多数。著書は60万部を超える『はじめての人のための3000円投資生活』や『年収200万円からの貯金生活宣言』を代表作とし、著作は累計330万部となる。

>>家計再生コンサルタント横山光昭の「お金最適化ガイド」の記事を見る

Source: 国税庁, 日本年金機構, JCB