今年に入ってから、物価上昇に注意するようなコラムをたくさん書いているのですが、どうやら本格的に「2022年は値上げの年」となってきました。

もともと、小麦粉、サラダ油、パン、カップ麺と値上げが相次いでいる流れにありました。さらに吉野家やマクドナルドも値上げに、これは人件費、原材料費、物流費すべてが値上がり傾向にあるためです。

これに加えて、ロシアとウクライナ間の紛争長期化はさらなる食品価格の高騰と原油価格・天然ガス価格の値上げを招いています

ガソリン代に限っていえば、昨年から続く値上がりは数十%のケタで拡大していますし、電気代やガス代にも影響は広がっています。(燃料費調整のお知らせ 4月分/TEPCO)

東京電力のモデル世帯でみると、前年同月比でなんと27%アップです。昨年末の牛丼価格の値上げ幅は10%でした。そんな「5〜10%」の値上げが各所で連続していることに注目すると、もはや一大事と考えたいところです。

さて、値上がりした分はどうやって調整していくか? 目下はその分「節約」をしなければ家計は回らなくなってしまうかもしれません。

長い目でみれば、物価が上がる時期は給料も相応にアップするものですが、まだ物価上昇がはじまったばかりですから、物価上昇分を節約でカバーしていく必要があるのです。

目次

  1. 月にどれくらい節約すべきか、はっきりさせる
  2. 固定費を減らす
  3. 安いサービス、商品に乗り換えてみる
  4. あえて、買わないでみる
  5. 底値をリサーチしてみる
  6. 最初の数年、値上げラッシュを乗り切ろう

月にどれくらい節約すべきか、はっきりさせる

Image: Shutterstock

まずは節約のイメージです。皆さんの家計が毎月いくらくらいかを考えてみます。

手取りの金額(銀行口座に振り込まれている給与の金額)がすべて消費に回っていると仮定して、いくら負担が増えるか概算してみましょう。上げ幅はまずは5%になっても節約でクリアできるところを目指してみます。

たとえば、毎月の手取りが15万円で、仮に物価が5%上がるとすれば7,500円くらいを、25万円なら1万2,500円、35万円で17,500円くらいを削るイメージになります。

【手取り別】5%節約目標早見表

手取り節約目標(5%)
15万円7,500円
20万円10,000円
25万円12,500円
30万円15,000円
40万円20,000円
50万円25,000円

けっこう、大変な節約のイメージです。

しかし、もしも今年の後半にかけて、再値上げや10%以上の大幅値上げが続出しはじめたら、節約目標も上方修正が必要なことを意識しておいてください

まずは5%削る方法を以下で紹介するマネーハックで考えてみましょう。

1. 固定費を減らす(値上げ分、別のところで削る)

最初に紹介する節約術は「固定費をストップ」させる方法。値上げが生じる分、「使わない支出」をざっくり削ってしまおうという考え方です。

固定費は確実に引き落としされる分、ストップできれば以降の引き落としはゼロ円となり、確実かつ大きな生活コストのカットとなります。

銀行預金通帳、クレジットカードの利用明細をチェックし、自動引き落としで止めても困らないものはないか探してみましょう。

削れる固定費の見分け方3つの例

  1. 利用実態ゼロのもの:速攻で解約する
  2. 利用がほとんどないもの:会費に見合わなければ思い切って解約する
  3. サービスがかぶっているもの:1つに絞って残りは解約する

「いつか再開するから…」と思うタイプのサービスは「とりあえず解約」くらいの気分で利用停止します。

「今月はサボったけど、来月こそはジムに通う」のようなタイプの会費を削るのです。サブスクなども月500円〜1,000円程度だからと、複数契約している傾向があります。

たとえば動画配信サービス、どうせ1つのアプリに視聴が集中しているなら、NetflixかAmazon Prime、どちらかに絞ってしまいましょう。

解約手続きは大抵面倒なものですので(最悪の場合、未だに電話必須だったりする)、気合いを入れて徹底的に手続きをしましょう。

ここで節約目標の半分以上を削れると、あとがかなり楽に。5,000円以上の削りどころを見つけられたらかなり効果が出るはずです

2. 安いサービス、商品に乗り換えてみる

次は固定費と日常生活費ともに、「割安なものに乗り換え」を考えてみましょう。

先ほどのサブスクなども、アニメしか見ないなら、Netflixのサブスクを解約し、dアニメストアにすれば500円以下で済みます。ドラマや映画に興味がないなら徹底的に削るのです。

スマホの契約プランは、ahamo、povo2.0、LINEMO、あるいはMVNOなどに乗り換えてみましょう。

これらのいいところは「サービス(ギガや速度)は落ちずにコスト(利用料金)が下がる」ということです。質を保ちつつ費用を落とすのは最高の節約なので考えてみてください。

日常生活費については、今までパスしていたショップブランド、割安商品などを試してみます。牛乳や肉、トイレットペーパーからシャンプーまで「安いもの」に乗り換えてみましょう。

「思ったより美味しいね」となれば以降は節約が実現しますし、「やっぱり、イマイチ…」となれば元の商品に戻せばいいだけのことです。

値上がりは、まんべんなく訪れますが、高級品ほど値上がり幅は大きくなる傾向があります「あえて安物」で生活を楽しむチャレンジをしてみましょう。意外と、安くても高品質だったりします。

3. あえて、買わないでみる(値上げ分、消費を減らす)

3つめの節約術は「買わない」を徹底することです。不要な買い物をストップすることができれば、値上がりとは関係なく支出を減らすことができます。

日常生活の必需品を削る必要はありませんが、「買うボリューム」を減らしてみるとか、「買わなくてもいいもの」を買わずに会計してみるようなことを意識してみましょう。

たとえば、毎週野菜を傷ませて捨てている人は「そもそも買わない」とします。

なんとなく自炊しなくてはというプレッシャーがあるかもしれませんが、結果として毎週フードロスするうえに、いつもゴミ箱に捨てているくらいなら、必要なときに買うと割り切ってみます

ついついお菓子を食べてしまうタイプの人は「そもそも買わない」を徹底します。家にお菓子がなければ食べられないわけですから、どんなに安値でも買い物カゴに放り込まないようにします。結果としてダイエットにもなるかもしれません。

定期購読雑誌、積ん読本や積みゲーなども、ちゃんと読んだり遊んでいないなら、買い物を控えてみてください。ルーティンで平日15時に買うカフェラテやおやつも、買わなくても仕事の生産性は変わらないかもしれません。

いつも当たり前と思って買い物しているものこそ、「買わなくても、実は平気」ということに気づいたりします。

何気なく買い物をしているなかにこそ、ムダ遣いが隠れています。いつだって再開できるわけですから「一度、やめてみる」を実行してみてください。

4. 底値をリサーチしてみる(値上げ分、安く買う)

Image: Shutterstock

最後のアプローチは、「より安く」の追求です。値上げされるなら、その分くらい安いショップで買えれば当面は切り抜けることができます。

ネットの買い物に関しては、私たちは常に最安値を気にしています。大型出費も値下がりやポイント還元を狙って買い物をしているはずです。

むしろ注意したいのは日々の買い物です。

スーパーやドラッグストアが2〜3軒あった場合、最安値はお互いにシェアしあっているもの。これまで価格差を意識してなかったのなら、これからはちょっと気にかけてみる必要があります。

あなたが100メートル歩くだけで、同じポテトチップスの値段が15円違うといったことを意識していくのが値上がり時代の買い物術です。手間と時間がかかるので、チェックしていない人が多いのですが、調べてみるときっと気づきがあるはずです。

たとえば、メモ帳アプリに底値をコツコツ記録しておくだけで、実は割高な買い物をさせられていることに気がつきます

3つの商品の最安値を調べてみると「Aスーパー、Bスーパー、Cドラッグストア」でシェアされていることが多いのです。言うまでもなく、消費者としては最安値をピックアップしたいところ。

もちろん、ポイント還元率なども気にしてみたいものです。

0.5%還元のポイントカードであっても、ドラッグストアやスーパーが行なう「10倍ポイントデー」などでしっかり買い物できれば5.0%相当の節約に化けてきます。こういうお得は逃したくないものですね。

最初の数年、値上がりラッシュを乗り切ろう

日本でも1960年代から80年代初頭までは年5%くらいの物価上昇が続いていました。オイルショック時に相当する1973年は11.9%、74年はなんと24.3%、75年は11.9%の物価上昇を記録し「狂乱物価」などと呼ばれました。

ただし、物価が上昇すると、経済の原則として賃金もアップします。長い目でみれば「物価上昇の平均値=賃金上昇の平均値」にはなります(実際には賃金上昇率が上回る)。

とはいえ「物価上昇の初年度」はこれが通用しません。給料が上がるのは来年以降になるからです。やはり今年は本気で節約することが必要です。

実際に物価上昇分くらいの昇給が実現するまで、本気で節約を考えてみてください。そのスキルはこれからの時代にもずっと役立つことでしょう。

山崎俊輔

フィナンシャルウィズダム代表。ファイナンシャルプランナー。夫婦で共働き、共家事、共育児しながら子どもふたりを育てている。

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Source: NHK, TEPCO