マウス操作の方法も、人によって個性が出るものですね。
カーソルが飛ぶレベルの速度に設定にして、マウス自体はあまり動かさずに使う人。逆に、カーソルの動きを遅く(1ドット単位で制御できる設定に)して、マウスを大きく動かして使う人。
ほかにも、手のひら全体で包み込むようにマウスを持つ人と、指で挟むようにして持つ人、など。
それぞれの操作方法によって、最適なポインティングデバイスは違ってくるはず。
今回ご紹介する「ASUS TUF Gaming M4 Air」は、公称値約47gの超軽量マウス。本来は、ゲーム用途で素早い操作を可能にするためのゲーミングマウスです。
しかし、一般用途でも疲れにくく、意外にもたくさんのメリットがあるマウスなので、注目したいアイテムです。
カーソルの動きを遅くしているという人に最適

超軽量マウスには、大きく2つのメリットがあります。
- マウスを振るのに力がいらない
- マウスを持ち上げるのがラク
この2つの長所は、カーソルの動きを遅くしている(カーソルを細かく制御したい)人にとって、かなり大きなメリットになると思います。
カーソルの速度が遅い場合、マウスひと振りのカーソル移動距離が短く、長い距離を移動させたいときには、何度もマウスを持ち上げているはずですからね。
トラックボールはイマイチ合わないという人にも◎

振りが軽いというメリットは、トラックボールを使うことでも同様に得られます。
トラックボールなら、本体を持ち上げる必要がないという点も、疲れにくさにつながりますね。
とはいえ、指先でのボール操作が苦手な人もいるでしょう。実際トラックボールには、細かい制御が難しい(特に、縦方向に直線的に動かす動作)という問題点もあります。
トラックボールを愛用している筆者も、画像編集をするときだけはマウスに持ち替えています。
マウスがポインティングデバイスの主流になっているのには、それなりの理由があるというわけですね。
実際の重量を比較してみた

重量差がどれくらい"軽さ"を生むかは、実際に体感してみるのがベストですが、とりあえず手持ちのマウスをピックアップして、重量を測ってみました。
ちなみにトラックボールは、そもそも持ち上げることがないし、逆に重いほうが安定して使えるものですが、ついでなので計測しています。
M4 Airの軽量さがダントツだった!
結果は以下のとおり。(全て実測値です)
- ASUS TUF Gaming M4 Air:約55g
- DELL オプティカルマウス(PCに付属していたもの):約70g
- サンワサプライ MA-ERG9(縦型マウス):約120g
- エレコム DEFT PRO(トラックボール):約175g
DELLのマウスは、機能ボタンなどが搭載されていないシンプルなもの。サンワサプライの縦型マウスは、2つの機能ボタン、2パターンのDPI切り替えボタンが搭載されたものです。
縦型マウスは体積が大きいので、それなりの重量になるのは当然とも言えますが、2つの機能ボタンと4パターンのDPI切り替えボタンが搭載されたM4 Airがいかに軽いかが、よくわかると思います。
軽さの秘密はほかにも
重量だけじゃなく、M4 Airが"軽い"のにはほかに2つの理由があります。

まず、「TUFゲーミングパラコード」と名付けられているケーブルは、とても柔らかくしなやかに曲がってくれるもの。
もちろん芯に金属線が通っているので、普通のナイロン紐よりは抵抗感があるものの、一般的なポリエチレン被覆のケーブルよりずっと柔軟に曲がってくれます。

さらに、マウスパッドやテーブルと接するパーツも、安定感と軽さを両立させるためによく考えられた形状になっています。
とにかくよく滑ってくれるし、軽々と持ち上げてササッと振れますよ。
横スクロールボタンは非搭載

デメリットも挙げておくと、M4 Airの最大の弱点は、横スクロールに対応していない点です。表計算ソフトでテーブルが横に長いデータを多用している人など、これが致命的な問題になる人もいるでしょう。
ただその分、ホイール操作の安定感はかなりのもの。幅広ゴムの感触も、かなり質感が高い印象があります。
また、先に少し触れたとおり、カーソルの速度を変更できるDPIの切り替えは4段階。
速いか遅いかだけを選べる2段階のものが一般的ですが、4段階になっているので、DPI切り替えボタンだけで細かく速度変更が可能。シチュエーションに応じて手軽に使い分けすることができますね。
撥水性保護コーティング基盤で安心

M4 Airは、軽量化のために、外装にパンチング処理が施された特長的なルックスをしていて、内部基盤が丸見えになっています。
飲み物をこぼしたり、ラーメンの汁が飛び散ったら大変だと思うところですが、実はこの基盤には撥水性のコーティングが施されています。
ホコリなどが気になるようなら、ブロアーなどで吹き飛ばすようにすれば、実用上の問題はなさそうですよ。
専用アプリでカスタマイズにも対応

今どきのデバイスなので、特にドライバーを用意しなくても、USB接続するだけですぐに認識してくれます。(※Windows 10、11のみ)
ただし、ボタンをカスタマイズしたい場合には、公式サイトから「Armoury Crate」をダウンロード、インストールする必要があります。
Armoury Crateを使えば、ショートカットキーを登録したり、文字列を登録することも可能に。毎日何度も打っている定型文などをセットしておけば、かなり便利になりますよ。
軽量化を優先しているため、ゲーミングマウスにありがちな派手なイルミネーションは非搭載ですが、だからこそ一般用途に使いやすいとも言えます。
ぜひ、試してみてください。
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