リモートワークが普及して以来、自宅の作業環境を整えるべくさまざまな工夫を施してきたライフハッカー[日本版]編集部。しかし、理想のデスク環境の構築は想像以上に難しく、その探求は尽きません。

そこで今回は、UI/UXデザイナーとして活躍し、またガジェットやプロダクト選びに情熱を注ぐ安藤剛さんが登場。「いいデスク環境づくり」に対しても常に探求を続け、各プラットフォームで発信を続ける安藤さんに、仕事が捗る快適なデスクに欠かせないポイントや工夫のヒントなどについてお話を聞きました。

安藤剛(あんどう・ごう)

安藤剛(あんどう・ごう)

2013年にクリエイティブ・ファームTHE GUILDを共同で創業し、デジタル領域の様々なサービスの事業をユーザー体験の軸で支援。CXO(最高体験責任者)やUXアドバイザーを歴任し、2020年にプロダクトメーカーPREDUCTSを創業し、2021年よりPREDUCTS DESKを販売開始。

集中のために「必要なものだけが置かれたデスク」が理想形

──まずはじめに、安藤さんがデスク環境に強くこだわるようになったきっかけを聞かせてください。

私は自宅のオフィスで働くことがほとんどですが、作業に集中するために、なるべく視界に余計なものを入れたくないと常々思っていました。

しかし、UI/UXデザイナーという仕事の関係上、机の上にあらゆるデバイスや充電機器、ケーブル類などのモノがあふれてしまう状況が続いていたんです。

「この課題をどうにか解決したい」という思いから試行錯誤をはじめ、長年のライフワークとしてデスク環境づくりに取り組むようになりました。

──安藤さんが考える「理想のデスク」とは、どのような条件を満たしたデスクですか?

“目の前の仕事をするために必要なもの”以外置いていないデスク」が理想です。

視界に入ってくる情報は、意識していなくてもどうしても人間の脳が処理してしまうもの。ですので、仕事に関係のないものをなるべく排除することが、生産性を高めるためには大切だと考えています。

必要最低限の要素で構成され、集中状態をつくる動線が明快で、かつ集中を妨げない仕組みづくりができている。そうした「余計なことを考えなくていい」環境が理想形でしょうか。

──デスク環境のなかでも、特にケーブルマネジメントを重視されているそうですね。その理由は?

以前は電源タップを床に置いていました。でも、ある時ふと床を見て、デスク上のPCやガジェット類を充電するケーブルが電源タップに向かってぞろぞろと伸びている姿を見て、すごく散らかっているように感じたんです。また、そうした状態では埃も被りやすく、掃除がしにくいこともストレスの1つでした。

そこで、電源タップをデスク裏に取り付けて固定し、ケーブルが垂れ下がらない工夫を施してみたところ、視界が美しく整頓されて気持ちが静まるような感覚を得ることができたんです

この方法はとても良いと感じたのですが、私は市販のデスクをDIYで改造しているため、だからこその難点もあった。それを解決できないかと、「自分の理想を詰めたデスク」を企画・開発するに至りました。

飽くなき探求心。制限のない「自由な使い方」がしたい

電源タップをデスク裏に取り付けて固定し、ケーブルが垂れ下がらない工夫を施したかつてのデスク
電源タップをデスク裏に取り付けて固定し、ケーブルが垂れ下がらない工夫を施したかつてのデスク

──理想を追求するために、ご自身でデスクをつくってしまったと! 安藤さんが開発された「PREDUCTS DESK」には、どのような特徴があるのでしょうか?

私を含めてデスク周りにこだわっている方は、天板の裏に電源タップやPC本体を取り付けるなどのDIY加工をしている方が多い。一方、木ネジを使ってしっかり固定する方法だと、一度取り付けたものを取り換えるのが難しくなってしまいます。

しかし実際には、デスク環境は働いていくなかでどんどん変化します。デスクトップPCからノートPCに買い換えたり、モニターやスピーカーなどの周辺機器を新調したり…。

必要な機材やガジェットが変化した時に、デスク周りをアップデートできないと、自分のワークスタイルとのギャップが生じてしまい、結果的に仕事効率の低下やストレスを生む状態になってしまいます

「PREDUCTS DESK」の天板裏
「PREDUCTS DESK」の天板裏

「PREDUCTS DESK」では、天板の裏に4本のレールを埋め込むことで、この課題を解決しようと試みています。レールにいろいろなタイプのモジュールを取り付けられる仕組みにすることで、その時々の条件に合わせた最適なデスク環境をつくることができるようになっています。

──デスクに非常用バッテリーをのせるユニークな使い方も発信されていましたね。

非常用バッテリーと可動式デスクの組み合わせは最高です!

それまで、デスクは固定の位置に鎮座しているものだったのですが、非常用バッテリーを使うことで「コンセントの位置」という縛りから解放され、デスクを自由に動かせるようになりました。

たとえば、ウェブ会議をする際、背景に家の中が映り込まないように向きを変えたり、日中の日差しを避けるために位置を動かしたり。また、私はデスク上で写真撮影をすることも多いので、自然光が最適に入る位置に動かすといった使い方もしています。

「デスクは固定位置に」という概念を覆してくれる、非常におすすめの組み合わせですよ。


安藤さんのデスクへの想い、これまでの取り組みや工夫を振り返ると…

  • 集中に入るまでの動線がシンプル
  • 集中を妨げるノイズが極めて少ない
  • 要素を必要最低限に抑えつつ、制限に縛られない

という3項目が「仕事が捗る、集中できるデスク」に欠かせない要素だと考えられそうです。

そしてこの3項目の実現をスマートにサポートしてくれるのが、LGから新たに発売された革新的なモニター「DualUp Monitor」。

今回は、安藤さんが「DualUp Monitor」を実際に自宅オフィスへ導入。その使い心地、活用法についても語ってくれました。

「16:18モニター」に衝撃。縦長ディスプレイで表示領域が倍に

──まずは「DualUp Monitor」の第一印象について教えてください。

DualUp Monitor」は、16:18のアスペクト比が大きな特徴ですが、この形状にまず衝撃を受けました。21インチ相当のウィンドウを縦に2枚並べることができますが、これは複数の作業を並行してこなすようなマルチタスク型の方にはかなり便利だと思います。

普段一緒に仕事をするデザイナーやエンジニアなどには複数のウィンドウを常に表示しながら作業する人も多く、たとえばデザインや動画編集、コーディングなど、作業によっては、従来の横長のモニターでは見づらいと感じていた人もいます。

それゆえに、こうした職種の知人も16:18縦長の「DualUp Monitor」に注目しています。なので、プロダクトを扱うデザイナーや3Dモデラー、動画編集者などのクリエイターのほか、プログラミングを行なうエンジニアにとっては、今まで以上に快適さをもたらし、効率を向上させる魅力的な選択肢になると思います。

ゾーンに入るのを左右する「姿勢」も自在に調整可能

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可動域を広範に調整可能なアームが本体に付属。別売りのモニターアームを用意する必要はない
可動域を広範に調整可能なアームが本体に付属。別売りのモニターアームを用意する必要はない
可動域を広範に調整可能なアームが本体に付属。別売りのモニターアームを用意する必要はない
可動域を広範に調整可能なアームが本体に付属。別売りのモニターアームを用意する必要はない

──「DualUp Monitor」の付属アームは、最大210mmまでの前後伸縮と、90度のピボット、-335〜335度の水平回転、-25〜25度の傾き調整などが可能です。この可動域の範囲や使い勝手などはどうでしたか?

アームが本体に付属しているので、別途モニターアームを導入する必要がないのはうれしいですね。取り付けも簡単で、迷いなくデスクに設置できました。

また、最近モニターアームを採用される方が非常に多いのですが、ディスプレイに付属するスタンドをわざわざ捨てなければならないストレスがない点もうれしいポイントです。

また、私のデスクは昇降式。スタンディングで作業する場合、高さのあるモニターでは画面上部との距離が生まれてしまい、見えにくくなってしまうことも。

そうした際、「DualUp Monitor」なら見やすくなるようモニターの角度をクイッと手前に傾斜させることが可能。可動域が広いので自分のスイートスポットに的確に合わせられますし、その調整も簡単にできます。

集中しやすい姿勢にすぐ調整できる」「集中状態を適切にキープできる」という点において、このモニターは理想のデスク環境の条件に適っているかもしれません。

ノイズを最小限に。クリエイターにうれしいスペックも完備

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アーム自体がケーブルを収納できる構造になっているため、ケーブル類をスッキリとまとめられる
アーム自体がケーブルを収納できる構造になっているため、ケーブル類をスッキリとまとめられる
安藤さんのストレスだった「ケーブルが垂れ下がった状態」も避けられる
安藤さんのストレスだった「ケーブルが垂れ下がった状態」も避けられる
アーム自体がケーブルを収納できる構造になっているため、ケーブル類をスッキリとまとめられる
アーム自体がケーブルを収納できる構造になっているため、ケーブル類をスッキリとまとめられる
安藤さんのストレスだった「ケーブルが垂れ下がった状態」も避けられる
安藤さんのストレスだった「ケーブルが垂れ下がった状態」も避けられる

また、細かいですがアーム自体の内部にケーブルが通せる構造になっているのも感心するポイントの1つでした。

デスク下までケーブルを回しやすく、ケーブルマネジメントが容易に。「視界のノイズを極力減らす」という自分のスタイルを維持することができました。

──USB-CやDisplayPortに加え、HDMIを2ポート、USB-B入力、出力用USB-Aを2ポートなど豊富な外部接続端子を備えていることも特長です。この点を生かした使い方のアイデアはありますか?

私は一眼レフカメラをウェブカメラとして使用しており、そのためにはカメラの電源確保、PCへの接続と、2本のケーブルを用意する必要があります。

DualUp Monitor」はハブポートとしての役割も期待できるので、モニター背面のポートからUSB-Cケーブル1本でPCの接続と給電を兼ねることができるようになれば、見た目もかなりスッキリします。

──デザインはもちろん、写真や動画の編集もされる安藤さんですが、「DualUp Monitor」の画質や色味はどうでしたか?

とてもクリアで精細に見えます。画質もSDQHD(2560×2880)と、写真や動画を扱うにも十分なスペックです。

私自身、自社のプロダクトの写真を撮影・編集することがありますが、普段使用しているMacとの色味・表現の差に違和感はなく、レタッチ作業なども問題なく行なえると感じました。

「マルチタスクをスマートにこなす」のに最適なモニター

──最後に、「DualUp Monitor」はどのような人に適したモニターだと考えますか?

マルチタスクの作業をする方にぴったりのモニターだと思います。

たとえば動画制作では、メインの編集アプリを画面一杯に広げて作業することが多く、ほかの資料を参照しようとした時にアプリの上を塞いでしまうことになります。同様にデザイナーなども、クリエイティブアプリを開きながら、その作業を遂行するためにほかのリファレンスを参照することが多く、同様の課題を抱える人もいます。

そうした仕事の進め方をする人にとって、必要な情報をスマートに表示し、迷いなくアクセスできる環境を整えてくれる「DualUp Monitor」は、作業効率化に大いに役立ってくれるはずです。

デスクマネジメントの一環で「DualUp Monitor」を導入し、働き方に合わせて活用することで、作業の捗るその人なりの理想のデスク環境を構築できるのではないでしょうか。


「いい仕事」は「いいデスク」から。作業環境をベストな状態に整えることで、仕事のパフォーマンスは大きく向上します。

安藤さんが追求してきたシンプルで集中しやすいデスク環境づくりをヒントに、スマートなマルチタスクを実現する「DualUp Monitor」を組み合わせれば、さらに理想的なデスク環境を実現できるはずです。

Photo: 安藤剛 / Source: LGエレクトロニクス・ジャパン, PREDUCTS DESK