職場で友達ができるって、素敵なことじゃありませんか? 仕事帰りに一緒に遊びに行ったり、共通の経験を語り合ったりすることができますし、会社を辞めたあともずっと友だちでいられることもあります。

でも、そんな素敵なこととは真逆のもっと暗い状況もあるんです。それは、職場に嫌いな同僚がいる場合です。

しかし、どんなに嫌いな同僚がいても、職場では生産性を保ち、仕事をこなしていかなければなりません。どうすればそうすることができるのでしょうか。

プロとして相手と一定の距離を保つ

まずは、自分の気持ちを整理してほかのことに影響しないようにすることです。これは当たり前のことですが、その状態を保つ必要があります。

人事コンサルタントで、『Betting on You: How to Put Yourself First and (Finally) Take Control of Your Career』の著者であるLaurie Reuttimannさんは、「プロフェッショナル・デタッチメントと呼ばれることを実践してください」と語っています。

その人を同僚でなく、クライアントだと思って振る舞いましょう。相手がクライアントなら、感情的距離を少し置くことができますし、境界線を設定することもできます。

最後に、相手があなたを怒らせたとしても、それは取るに足りないことです。

なぜなら、1日の終わりには、相手はあなたの人生の一部ではなくなるからです。彼らは、あなたのネットワークの一部なので、感情レベルでは文字通り解雇してしまえます。」

プロフェッショナル・デタッチメントの実例

デジタル・スペースで働くある社員は、仕事の人間関係に差し障りがあると困るという理由で名前を伏せることを条件に、6年前、ある人物と一緒に仕事をしたときのことを話してくれました。

その人物は性格が険悪で、あけすけに社内政治を行なう人物だったので、実に不愉快だったそうです。「正直なところ、私たちはうまくやっていました。でも、私は数週間後に会社を辞めました。」

いや、会社を辞める必要はありません。退職は極端な例ですが、確かに選択肢の1つです。特に、もっと良い仕事に就いてレベルアップできるならなおさらです。

しかし、「正直言って、私たちはうまくやっていました」という部分に注目してみましょう。これぞ、「プロフェッショナル・デタッチメント」の結果です。

逃げるよりも良い選択

The Talent Fix: A Leader’s Guide to Recruiting Great Talent』の著者であるHRUTechのTim Sackettさんは、会社を辞めたり、相手を完全に無視したくなりますが、それをするとあまり印象が良くないと言います。

その環境から逃げ出すとその場ではスカッとするかもしれませんが、長期的なキャリアにはつながりませんし、そりが合わない人とは付き合えないように見えてしまいます。

むしろ、「悪意には善意で応えて相手を黙らせ、全く問題ないように振る舞いながらも、相手とのやり取りは制限しましょう」。そうすることで、「相手はもっとイライラして」、退職するかもしれません。

職場に嫌いな人がいても、その人と一緒に働くことはできます。その人の意見はひどい、その人の行動は許せない、その人の仕事は雑だ、と思っても構いませんが、業務時間中は自分の役目を果たしながら、相手に対して敬意を持ってプロフェッショナルな態度で接してください。

嫌いな人のそばで過ごす時間をできるだけ減らし、どうしても顔を合わせなければならないときはにこやかな顔で、大人らしく振る舞いましょう。

必要な手段で問題解決を図る

Reuttimannさんは、人事部時代、常に社員の人間関係の問題を扱っていたと言います(「私は人事部で働いていたので、社員の人間関係の問題は毎週のように目にしていました。私の人生の物語と言ってもいいぐらいです」)。

そうした対立には解決が必要であり、それには2つの方法があるとReuttimannさんは言います。健全な妥協点を見つけるか、生産的な解決策を見出すかです。

当事者の2人が健全な妥協に至れば、やるべきことに同意し、お互いを尊重し、片方が完全に勝つことはなくても、「両者とも多少は勝つ」ことになります。

一方、生産的な解決策に至った場合は、お互いがお互いを嫌いなままであり、お互いの違いを乗り越えることはできませんが、「仕事を片づける」ことにだけは同意することになります。

健全な妥協は、当事者自身の力で達成できます。その場合、相手とのプロジェクトを増やし、相手のことをよく知り、仕事を優先させることを考えましょう。

それがうまくいかない場合は、生産的な解決策を見つける方に舵を切りましょう。ただし、その際は調停役が必要です。Reuttimannさんによると、調停役は同じ部署の誰か、マネージャー、人事担当者などが適しています。

自分に問題がないか見極める

怒らないで耳を傾けてくださいね。自分に問題がないか考えてみたことはありますか?

あなたは正当な理由があってその同僚を嫌っているのでしょうか、それとも絶交したかつての親友を思い出させるから嫌いなのでしょうか。

なんとなく機嫌が悪いだけじゃありませんか。自分の仕事が嫌いで、そのイライラをそこで働く罪のない人たちにぶつけている可能性はありませんか。

もし彼らがあなたの望む仕事についているとしたら、自分だったらそんな仕事の仕方はしないのにと批判していませんか。

同僚同士のいざこざは、今にはじまったことではありません。2012年、スタンフォード大学の経営科学・工学の教授であるRobert Suttonさんは、ハーバード・ビジネス・レビューに、「人間は、自分よりうまくいっている人がいると、その人をさげすむ傾向がある」と語っています。

自分の嫌悪感が、本当に本質的なことに根ざしているかどうか判断するために、嫌だと思う特徴でなく嫌だと思う行動を特定するようにしましょう。

仕事のあとで職場以外の友人に愚痴をこぼす

同僚との噂話は、ある種のストレス解消や連帯感につながるのは確かですが、軽蔑している同僚の悪口を職場の人に話すのはやめましょう。

誰が自分の味方なのかわかっていますか。感情を吐露した相手が密かに敵の味方だったり、誰の味方でもなく話をまぜかえして面白がる傍観者である可能性もあります。

職場のフラストレーションは、職場以外の友人にぶちまけましょう。

嫌いな同僚とは、その敵意が双方向であろうと一方向であろうと、礼儀正しく付き合わなければなりません。

仕事ではプロフェッショナルな態度を保ち、オフタイムには言いたいことを言って感情をすべて吐き出すことで、心の重荷を軽減しましょう。

Source: Laurie Reuttimann, The Tim Sackett Project, HRU Tech, Harvard Business Review