充分な睡眠をとることは大事です。
2018年のある研究によると、睡眠時間が5~6時間の人の生産性は、睡眠時間が7~8時間の人に比べて19%低く、5時間未満の人は生産性が30%近くも低いことがわかりました。
確かに、睡眠を充分にとらないと起きている時間は長いですが、睡眠時間が短いと実際には仕事があまりはかどらないものです。
6時間しか眠らないと、集中力や深い思考力、問題解決力を必要とする作業がかなり難しくなるということが、他の研究でも明らかになっています。
実際、注意力や反応時間に関して言えば、睡眠時間が6時間の場合はビールを数本飲んだ時と同じような反応をもたらし、睡眠時間が4時間の場合はビールを5本飲んだ時と同じような反応になるのです。
睡眠不足になると、複数の作業を必要とするあらゆる活動(つまり日常生活でのほとんどすべての活動)を行なうことがより難しくなることが、他の研究結果でも示されています。
さらに、睡眠不足は食べ物に対する脳の報酬中枢の活動を活発化させる、という研究結果も出ています。食生活が乱れると睡眠不足を引き起こし、不幸にもそれがさらに乱れた食生活につながるのです。
そう、私たちはそもそも睡眠を充分にとることが大事だということ知っている。
でも、もし寝つきが悪いとしたら、どうしたらいいのでしょうか?
そんなあなたには、「軍隊式睡眠法」がおすすめです。
早く眠りにつくための簡単な方法
著名な短距離走コーチであるロイド・バッド・ウィンターは、2012年に出版された著書『リラックスして勝つ』(原題 “Relax and Win: Championship Performance”)の中で、アメリカ海軍飛行訓練学校がパイロットの入眠改善のために考案した方法を紹介しています。
6週間後にはパイロットの96%が、椅子に座ったままでも、マシンガン連射の録音を聞きながらでも、あるいはコーヒーを飲んだ後でも、2分以内に眠りにつくことができたのです。
その方法をご紹介しましょう。
- 顔全体をリラックスさせます。目を閉じ、ゆっくりと深く呼吸します。そして、ゆっくりと顔全体の筋肉をすべて緩めます (額の筋肉から始め、徐々に顔の下のほうへ向けて緩めてみると良いでしょう)。あご、頬、口、舌、顔全体をすべてリラックスさせます。目も含めて、すべての力を手放します。
- 肩と手を下ろします。緊張感をすべて手放します。首や僧帽筋(首から背中にかけての肩甲骨周辺の筋肉)の力を抜き、椅子やベッドに沈み込むような感覚を味わいます。次に、右腕の上部から力を抜き、上腕二頭筋、前腕、手をゆっくりとリラックスさせます。反対側も同じように行います。ゆっくりと深い呼吸を続けましょう。
- 息を吐いて胸まわりをリラックスさせます。肩と腕の力が抜けていれば、胸まわりも簡単に力を抜くことができます。
- 脚の力を抜きます。まず右足の太ももから、椅子やベッドに沈み込ませていきます。次に、ふくらはぎ、足首、足裏も同じように行ないます。左脚も同じように繰り返します。
- ここで心をクリアにします。確かに、何も考えないというのは難しいことです (私は結局「何も考えない」ということを考えていました)。そんな時は、心の中に何かリラックスできるイメージを思い浮かべてみます。暗闇の中で心地よく横たわっている自分自身を思い描いてみましょう。しかし、それでもうまくいかない場合は・・・
- 「考えない」という言葉を10秒間繰り返します。少なくとも、眠れなくなるようなことを考えずに済みます。
この軍隊式睡眠法は、練習が必要となります。
最初の数回はまだ早く眠れないかもしれませんが、続けることで、力や緊張感を手放すことができ、自分自身をリラックスさせることが可能。
より早く眠ろうと「努力」してもしなくても、私たちは皆、リラックスすることによって眠りにつくのです。
さっそく今夜から、この軍隊式睡眠法を試してみてはいかがでしょうか。
Source: Oxford Academic, NCBI(1, 2), Science Daily, Amazon
Originally published by Inc. Use the Military Method to Fall Asleep Within 2 Minutes, Starting Tonight
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