俳優やモデル、歌手からの指名がひきもきらないメイクアップアーティストのKUBOKIさん。手がけるクライアントの半分は男性で、幅広い年代を担当しているというキャリアの持ち主です。

そのため男性美容にも一家言あり、一般の方を対象としたヘアサロンを運営しているほど。

そんなKUBOKIさんからビジネスパーソンに向けたメッセージが、この「30代からのケアのトリセツ」。第6回は、未経験という男性がほとんどと思われる「ベースメイク」の汎用性の高さについて取り上げます。

▼初めての方はまずこちらから

【新連載】プロに聞く「身だしなみ」のためのメンズケア入門 | ライフハッカー[日本版]

【新連載】プロに聞く「身だしなみ」のためのメンズケア入門 | ライフハッカー[日本版]

色数が多い男性の肌。ちょい補整で「精悍」な印象に

「そもそも、ベースメイクって何?」という男性は多いのではないでしょうか。

「ベースメイクは見た目にいい影響があるだけでなく、肌の健康にもいい」とKUBOKIさんは語ります。

ベースメイクというのは、肌の色ムラや凸凹をカバーするもの。女性がよく使うファンデーションがその典型ですが、男性でも俳優や歌手、アナウンサーなどが人前に出る時はほとんどの場合、ベースメイクをしています。

一般の男性にとっても、簡単なベースメイクを取り入れるメリットはたくさんあるので、ぜひ一度トライしてみてください。

KUBOKIさんが、自身もよく使うベースメイクアイテムが「BB」。これは、ベージュ色で肌のアラを隠してくれる保湿クリームのこと。

メイクのわざとらしさはなく、しかも肌をきちんと保湿してくれる一石二鳥アイテム。「まずは、これを試してみては」とKUBOKIさんは勧めます。

BBは淡いベージュの色がついたものがほとんどで、スキンケア効果もあります。

洗顔後の肌に直接のせてOKというものも多いので、僕はシェービング後の肌にさっと伸ばすことも多いですね。

スキンケアの手間が省けて、朝時間が有効活用できる。BBはそんな優れモノです。

しかも、男性はヒゲがあるため、剃ったあとの肌はグレーにくすんで見えがち。また、頬の皮脂量が女性より多いため、くすんだりテカったり赤みが出てきたりするなど、肌の色ムラは生じやすくなっています。

そんな色ムラをさっと均一に整えるためにも、ごく簡単なベースメイクはやったほうがいいそうです。

鼻や額など高い部分は日焼けしてオレンジ色っぽくなり、ひげ部分は毛の黒と肌色が混ざってグレーに沈みます。

顔の中に色のコントラストがあると、調子が悪そうに見えます。顔色が優れず、疲れて見えるのは、ビジネスパーソンにとってはマイナスですよね。

そのトーンをちょっぴり補整することで清潔感が生まれ、バイタリティあふれる印象を生むんです。

しかも、いまどきのBBには紫外線カット効果のあるものが多く、乾燥からも紫外線ダメージからも肌を守れるのだとか。そんな“1本3役”なBBを試さないなんて、もったいない。

1分とかからず完了する簡単ベースメイクで、生き生きとした印象を出しましょう。

「明るさ」と「色み」をチェックし、バレない1品をチョイス!

ドラッグストアはもちろん、コンビニにも置かれることが増えてきたBB。バリエーションも豊富なので何を選んだらいいか迷ってしまいそう。

そんな時は「自分の肌と同じくらいの明るさか、ワントーン暗いものを選ぶこと」とKUBOKIさんは語ります。

自分の肌より明るい色を選ぶと、顔から浮いてしまうので気をつけてください。

女性用のBBクリームは白肌に見せるツヤっぽいものが多いので、男性が使うと「塗った感」が出てしまいます。韓流アイドルのように見せたいならともかく、ビジネスパーソンには不向きでしょう。

男性用のBBで、しかも肌色と同じか、ワントーン暗めのものを選ぶのがベターです。

ただ、肌色は明るさだけでなく、赤みの強さによっても変わります。

KUBOKIさんが男性用BB選びの目安にしているのが「オレンジ寄りベージュ寄り」という色の分け方。自分の肌色に合ったものなら自然になじみ、肌色のムラもカバーしやすくなると言います。

肌がくすみがちな人、ヒゲが濃い人におすすめなのは、オレンジが強めなBBクリーム。若干日焼けしている人も、肌の赤みとキレイになじんでくれるので使いやすいですよ。

それほど赤みが強くない人はベージュトーンのものを選ぶとスッと溶け込んで自然な印象に仕上がります。

アイテム1:初心者も使いやすい、軽やかジェルタイプ

フェイスジェル(BBクリーム)」(リップスボーイ)

イヤなベタつきやテカリは抑えつつ、表面はさらりと整えてくれる軽やかジェル。するりとなじみ、使っていることが周囲にバレにくいのに、色ムラやくすみが隠れて健康的な肌印象に。

アイテム2:お疲れ肌に赤みをプラス。元気な印象に

ミスター ベースカラー コントローラー」(オルビス)

青クマやヒゲ、毛穴の影など男性の肌に多い「青み」をカバーしてくれるBB。ややオレンジ寄りの発色で、フレッシュな血色感を補って生き生きとした肌印象へ。

アイテム3:日本人の肌のために生まれた、しっかり保湿タイプ

NULL BB クリーム」(G.Oホールディングス)

日本人男性の肌色を計算して設計された、絶妙ベージュ。青っぽいヒゲの剃り跡やニキビ跡もすっとカバーし、サラリとした肌を丸1日キープしてくれます。

慣れれば10秒で済むスマートなBBの塗り方をレクチャー

ドラッグストアでも手軽に男性用BBが購入できる時代になりました。

ただ、気負わず入手できるのはありがたいのですが、いざ使おうとしても「あれ?どうすれば?」とわからなくなる人も多いかもしれません。

KUBOKIさんに簡単な塗り方についても聞きました。

製品にもよりますが、1回に使う量は小豆粒程度。量が多いと“塗った感”が出てしまうので、ごく少量を顔全体に薄く伸ばすのが基本です。

BBを指先に出して、両頬鼻先あご先の5カ所にのせます。これを指の腹でさっと伸ばすだけ。

この時、「内側から外側へ」と広げるように意識するのがポイント。慣れれば10秒で完了するほど簡単なのに、ぱっと見が生き生きして見えるようになります。

SPF(紫外線「UV−B」に対する防止効果)が搭載されていないBBであれば先に日焼け止めが必要になりますが、いまどきのBBの多くは紫外線カット効果を盛り込んでいるので、洗顔後にこれを塗るだけでもOK。

秋冬ならSPF30程度夏はSPF50+程度を目安にしましょう。

さらに、面倒くさがりなメンズ向けに、超クイック塗りテクニックも教えてくれました。

BBを手のひらに出し、両手をすり合わせて伸ばします。その手のひらでさーっと顔を撫でれば、ほんの数秒でOK。これで保湿も紫外線カットも、肌の補整もできるのだから、BBを使わない手はないですよ。

ちなみに、男性用BBは普通の洗顔料で落ちるものが多いそう。中にはクレンジング(洗顔とは別の、メイクを落とすためのアイテム)が必要なものもあるので、そういった場合はシートを使うと手軽に落とせるのだとか。

アイテム4:メイクも汗もこれ1枚。さっぱり気分に

パージ パフォーマンス ワイプス」(FIVEISM×THREE)

メイクをしている時はもちろん、汗や皮脂をさっぱり落としたい時にも便利なシートタイプ。個包装なので、暑い時期は持ち歩いて日中の汚れリセットに使う人も。スースー感のある「中年のニオイ消し」とはまったく違う、穏やかなハーブの香りで気持ちもスッキリ。


聞けば聞くほど、メリットがたくさん出てくる「男性のベースメイク」。夏の紫外線対策や肌荒れ、マスク荒れ予防として、トライしてみてはいかがでしょうか。