庁舎などに入ると、時折壁に政治家の写真がかけてあるのを見かけます。首相や大統領のこともあれば、議員や地元の政治家のこともあります。

写真は、見る人を鼓舞し、励まし、権威やリーダーへ仕えることを思い出させるためにかけられているのは明らかです。

しかし、ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領であれば、自身の写真を庁舎の壁には決してかけさせないでしょう。

ゼレンスキー大統領の決断の基準

ゼレンスキー大統領の考え方はシンプルです。自分の大切な人を頭に思い浮かべながら決断をすれば、その決断は良いものになる可能性が高いというものです。

大切な人に恥じないような行動をし、大切な人が認めてくれるような反応をしようとします。言葉も行動も、自分がなりたいと思う人物になる可能性がはるかに高くなります。

すると、その人の決断は、身勝手さやご都合主義のような、つまらない配慮を超越したものになるからです。

アメリカ政府がゼレンスキー大統領にウクライナの首都キエフから避難するよう提案した時も、「ここで闘います。私に必要なのは弾薬であって、脱出ではありません」と返答しました

ロシア政府が侵略前夜に正当性を主張した時も同じです。

ゼレンスキー大統領は政治家としてではなく、一人の人間として答えました

私がドンバス地方を攻撃すると言っているが、爆弾を落とすって? あそこはユーロ2012で私や地元のみんなが応援したチームのスタジアムがある場所ですよ?

負けた時にみんなで飲んだバーがあるんですよ?ルハーンシクには私の親友のお母さんが住んでるんですよ?

もちろん、一般の人が政治家の写真を壁にかけていることはあまりないでしょう。

写真を飾るなら大切な人を選ぶ

起業家精神の象徴として、ウォーレン・バフェットやリチャード・ブランソン、ジェフ・ベゾス、マーク・キューバなど、刺激やインスピレーションをもらうことを目的として写真をかけている人はいるかもしれません。

また、いつか旅行したいと思っている場所や、いつか買いたいと思っている車など、やる気を出すためにご褒美のような写真を飾っている人もいるでしょう。

それが効果があるのであれば、いいことだと思います。

しかし、あなたが愛する人の写真を目につく場所、職場のデスクの上に、モニターの横に、正面の壁に飾ったら(もしくは持ち歩いたら)と考えてみてください。

その写真を決断する時の判断材料にしてみてください。

その人は、あなたがこれから言うこと、あなたがこれからやること、あなたの行動によって明らかになるあなたの人物像を、誇りに思うだろうかと自問自答してみてください。

その写真を見て、手に入れたいものではなく、なりたい自分がどんな人物だったかを思い出してください。

そうすれば、いつだって大抵正しい決断ができます。

正しい理由で決断するようになるからです。


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