「説明が上手い人」がやっていることを1冊にまとめてみた』(ハック大学 ぺそ 著、アスコム)の著者は、アラサーのビジネス系YouTuber。外資系金融機関に勤めながら、並行してビジネスパーソンに向けた動画を配信しているのだそうです。

つまり本書では、そんなバックグラウンドをベースに、「上手な説明」ができるようになるためのメソッドを明かしているのです。

上手な説明ができるようになると、「この人はすごいな」「この人なら、大事な仕事を任せても、きっと上手くやってくれるに違いない」と、結果を出す前に評価が上がるのです。

そう、説明が上手くなるということは、単に「話が通じやすくなる」ということを超えて、あなた自身の「価値」を周囲に認めさせるツールにもなっているということです。(「はじめに」より)

いいかえるなら、説明がうまくなることは、最高のブランディングだということ。説明力で自分のブランド価値を上げることができれば、説明がさらに説得力を持つという好循環をつくり上げることが可能。さらにはそれが信用・信頼へとつながっていくわけです。

ちなみに重要なポイントは、「自分がなにを伝えたいか」ではなく、「相手がなにを知りたがっているか」。それが理解できると、なにを話せばいいのか、なにを調べておけばいいのか、どんな話を準備するといいのかなどを逆算できるようになるからです。

こうした考え方に基づく本書の2章「『結局、何が言いたいの?』と言われなくなる方法」のなかから、きょうは「魔法のように話がわかりやすくなる説明の4ステップ」に焦点を当ててみたいと思います。

取引先A店の売上改善策を上司に打診する場面で

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今日、A店を訪問したのですが、

最近あの店、ちょっと気になるんです。

売上が少しずつ落ちてきているので。

何かしら対策が必要だと思うのですが、

ポイントカードの導入はどうでしょう?

B店でも、それで成功していますし……。

(44ページより)

著者によればこの説明の問題は、自分の頭に浮かんだ順序で話していること。そのため結論がわかりにくく、聞いている相手も先を読みにくいのです。

A店にポイントカードを検討できませんか?

今日も訪問しましたが、

最近売上の減少が顕著なので、

てこ入れの必要がありそうです。

ちょうど、B店でポイントカードを

導入した成功例がありますので、

A店にも導入してはどうでしょう?

(45ページより)

対するこちらは、結論が最初に示されています。

したがって話の趣旨や話す目的がすぐにわかり、検証や判断をスムーズに行えるわけです。(44ページより)

話がわかりやすくなる説明の4ステップ

「だからなんなの?」といわれない説明、内容が正しく伝わりやすく、相手もストレスなく受け入れやすい説明には、大きく3つの特徴があるそうです。

① 順序が理にかなっている

② 数字やデータを使用している

③ 速く、簡潔で、効率的

(46ページより)

このなかから、①の「順序が理にかなっている」をクローズアップしてみましょう。

大切なポイントは上記のように「結論から話す」ことで、そのもとになっているのが「PREP法」。

「PREP法」とは、P=Point、R=Reason、E=Example、P=Pointの頭文字から取ったもので、説明や話の順序をわかりやすくする4つのステップを示した、いわば「鉄板」の法則です。

ビジネスに代表される、「正確に」「素早く」伝えるべき説明の場面では、PREP法を理解し、説明したい内容をPREPの4つに分解するだけで、魔法のように説明力が上がります。(47ページより)

最初のPは「結論」、Rは「その結論に至る理由」、Eは「理由の具体例や根拠」、最後のPは「再度の結論」。つまり説明はまず「結論」から始め、「結論」で終えればいいということです。(46ページより)

順序を変えるだけで評価されやすくなる

上記の「取引先A店の売上改善策を上司に打診する場面」でのよい例と悪い例を比較してみると、説明している内容はほぼ同じで、ただ順序が違うだけだということがわかります。しかし両者には、相手からすれば決定的な違いがあるというのです。

「A店にポイントカード導入を検討できませんか?」と冒頭ではっきり結論が示されると、相手は「なるほど、この人はこれからその結論に向かって説明するんだな」と理解して聞き始めることができます。

なお、ここで重要なのは、相手にとってその結論が正しいか、期待どおりか、同意できるかは、とりあえず関係ないということ。

相手にとっては、提示された結論の理由や根拠を精査することがなにより重要であるわけです。

はじめに結論がわかれば、説明を受けながら自分なりの知見や仮説でそれを検証することが可能。そのため、相手は「聞く効率」が格段に上がるのです。

相手の効率が上がるなら、それはよい説明。正確で速く説明が終わり、説明をした側も「説明がわかりやすい」と評価を受けやすくなるわけです。(47ページより)

うまい説明力は、誰でも身につけることができると著者は断言しています。コミュ力は関係なく、ましてやセンスだって不要だとも。

しかも結果を出す前に自身のブランディングができるので、「こんなにコスパのいいメソッドは他にない」というのです。だからこそ本書を参考にしながら、ぜひとも説明力を身につけたいものです。

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Source: アスコム/Photo: 印南敦史