矛盾する資産運用が山ほどある中で、そのすべてを整理することは難しく、ましてやどれが自分にとってベストなのか見極めることは困難です。

そうした流行りの戦略をいくつか耳にしたことがあるかもしれませんが、実際にはどのような投資戦略なのでしょうか。

それをかみ砕いてご説明します。

Bogleheads(John Bogle流投資術)

バンガード・グループの創業者である John Bogle氏にちなんで名付けられたこの戦略。

  • 収入の少なくとも20%を貯蓄すること、早くから頻繁に投資すること
  • 決して「市場のタイミング」を図らないこと
  • 高すぎず低すぎずのリスクプロファイルを見つけること
  • 低コスト(低経費率)のインデックスファンドに幅広く分散投資すること
  • 株式市場の上昇と・下落に応じて軌道修正すること(つまり、相場が下がる気配がしたら売らないこと)

を提唱しています。

Bogle氏は「Investing with Simplicity(投資はシンプルに)」という講演の中で、「シンプルであることこそ、経済的成功のマスターキーである」と。

Bogleheadsは、個別銘柄の大規模なリサーチやトラッキングを行うのではなく、シンプルな投資哲学に従ってポートフォリオの分散化を達成することを提唱しています。

具体的には、株式市場総合インデックスファンド、国際株式総合インデックスファンド、債券市場総合インデックスファンド(Bogle氏は、年齢と同じ比率、すなわち40歳ならポートフォリオの40%を債券に割り当てることを推奨しています)の3つのファンドからなる「ほったらかし」ポートフォリオを構築することです。

そして、定期的にリバランスを行う以外は、設定さえしておけば、あとは時間の経過とともに市場に応じたリターンが得られるのを見ていればいい。

FIRE(経済的自立と早期リタイア)

1)早期リタイアを優先事項とし、2)高収入で、3)年収の50~75%を投資する習慣がある人は(地ビールともスタバとも縁のない生活です)、この積極的な戦略が向いているかもしれません。

FIREの考え方は新しいものではなく、1992年に出版されたVicki Robin氏とJoe Dominguez氏の共著『Your Money or Your Life』に初めて登場しますが、Mr. Money Mustacheの元ソフトウェアエンジニアで30歳で引退したPeter Adeney氏などのブロガーによって最近人気が出てきました。

FIREの基本は、徹底した予算管理、支出コントロール、低コスト投資です。

倹約して贅沢をせず、収入の最低50%を安価なインデックスファンドに投資します(ちなみに、一般的には、経済専門家は税引き前所得の10~15%を老後資金として毎年投入することを推奨しています)。

しかし、Adeney氏は自身のブログで、「経済的自立とは、『現役時代のキャリアの終わ』りを意味するのではなく、『完全な自由』を意味する」と書いていました。

また、Financial Timesには、「『引退』の意味は人それぞれです。人によっては、パートタイム労働に切り替えることでワークライフバランスを取りながら十分な貯蓄をすることだったり、給料は下がってもやりがいがある仕事を選ぶことだったりします」と語っています。

50/30/20ルール

Elizabeth Warren上院議員の著書『All Your Worth: The Ultimate Lifetime Money Plan』によって広まったこの予算管理法は、税引き後の収入を3つのカテゴリーに振り分けることを基本としているのです。

具体的には、50%を必要なものに、30%を欲しいものに、そして20%を貯蓄や借金返済に割り当てます。

この枠組みでは、収入の半分を家賃や住宅ローンの支払い、食料品、光熱費、ガソリン代などの必需品に。

3割を娯楽、セルフケア、外食、ショッピング、ジム、休暇などに。

2割を貯蓄、老後、投資、負債の支払いに充てることです。

家計管理は、50/20/30ルールを意識すると上手くいく | ライフハッカー[日本版]

家計管理は、50/20/30ルールを意識すると上手くいく | ライフハッカー[日本版]

50/30/20の詳細な予算作成については、こちらの過去記事を確認してください。

もっとシンプルに、給料の20%を自動引き落としで貯金に回し、残りの80%を自由に使う「80/20」ルールを推奨する人もいます(ただし、娯楽に費やす前に、必要な支出を確実に支払うことが前提です)。

Dave Ramsey流7つのベビーステップ

Dave Ramsey氏を抜きにして、財務戦略の総括は語れません。

ベストセラー作家であり、ラジオ番組のホストでもある同氏の影響力は、好むと好まざると、否定できません。ここでは、借金のない生活を送るためのRamseyの「7つのベビーステップ」を紹介します。

  1. 手始めに、緊急事態用の資金として1,000ドル(10万円)貯める。
  2. 住宅ローン以外の借金を返済する。その際は、Ramsey氏が提唱して物議を醸している「雪だるま式」と呼ばれる方法を採用すること。これは、金額の小さい借金から攻めていく(金額の大きい借金の金利に関係なく)方法である。
  3. 3~6カ月分の出費を賄えるだけの緊急事態用資金を準備する。
  4. 収入の15%を勤務先の401(k)プラン(確定拠出年金)とRoth IRAに投資する。
  5. 子供の大学進学のために、教育貯蓄口座(ESA)や529税制優遇貯蓄プランで「できる限り」貯金する。
  6. 住宅ローンを完済する。
  7. 富を築き、寄付をする。

HELOC戦略

「HELOC戦略」とも呼ばれるこのやや危険な手法は、信用枠(典型的にはホームエクイティラインオブクレジット:HELOC)を普通預金や当座預金として使い、毎月の出費を賄い、ローン(通常は住宅ローン)の元金を支払うというものです。

Money誌によると、「基本的な考え方は、戦略的に資金をさまざまな負債商品に分散させ、支払利息を最小限に抑え、住宅ローンの元本返済に回す金額を最大にすること」。

この戦略は、収入よりも支出が少なく、住宅ローンやその他のローンの毎月の元本(利息だけでなく)を支払うのに十分な可処分所得があり、責任を持って負債と余剰キャッシュフローを管理することができる自信がある場合にしか向きません(収入以上の支出をして借金を重ねてきた人には向いていません)。

住宅ローンの金利が低くなっているので、HELOCで毎月の支出を賄い、可処分所得を株式市場やその他の退職金口座で運用するほうが有利だという意見もあります。

Warren Buffett流投資術

Buffett氏の投資アドバイスは、「Buffettheads」のようなキャッチーな名前はついていませんが、1120億ドルの純資産を持つ「オマハの賢人」(Buffettのニックネーム)の言葉には、注意を払わなければなりません。

バークシャー・ハサウェイ社のオーナーの最も有名な格言の1つは、「ルールNo.1:決して損をしないこと。ルールNo.2:ルールNo.1を忘れないこと」です。

この伝説の投資家は、質素な生活(1958年に購入した3万1000ドルの家に今も住んでいることは有名)と、「質の高い商品を値が下がったときに買う」ことを大切にしています。

Buffett氏は、価値の高い投資を低価格で購入し、強力な金銭習慣を身につけ、常に現金を用意し、借金(特にクレジットカードによる借金)をしないことを説いているのです。

そして、Bogle氏同様、Buffett氏もインデックスファンドを信頼しています。

2013年のバークシャー・ハサウェイ社の株主への手紙の中で、「現金の10%を短期国債に、90%を非常に低コストのS&P500インデックスファンドに入れましょう」と書いています。

少なくとも、これは、この記事でご紹介したさまざまな投資哲学の共通点です。


Source:Investing,Amazon,YOUR MONEY OR YOUR LIFE,Mr Money Mustache,nerdwallet, FINANCIAL TIMES,Simon & Schuster, John Hancock, Debt.org