Appleは最近、iPhone、iPad、Macの最新アップデートを公開しました。パイデー(円周率3.14にかけて3月14日のこと)アップデートで、iOS 15.4、iPadOS 15.4、macOS 12.3に多くの素晴らしい新機能が搭載されます。
アップデートのダウンロードを待つ間に、新機能をチェックしておきましょう。
Appleはこれら3つのデバイスの境界線を曖昧にしているので、多くの同じ機能が3つのデバイスでアップデートされています。そのため、この記事ではすべてのシステムを1つのシステムとして取り上げます。iPadやMacに限定される機能がある場合は、必ずその旨を記載しますね。
1. ユニバーサルコントロール(iPadOS 15.4、macOS 12.3)
今回のアップデートサイクルの最大の特徴は、間違いなくユニバーサルコントロールです。ついにMacとiPad間でシームレスな作業が簡単にできるようになります。
仕組みをご説明しましょう。
iPadOS 15.4を搭載したiPadと、macOS 12.3を搭載したMacを並べます。両方のデバイスがWi-Fiに接続され、同じAppleアカウントにログインしている限り、一方のディスプレイからもう一方のディスプレイにカーソルをドラッグすることができ、1つのマウスとキーボードで2つのデバイスを操作できるというわけです。
話しがうますぎる感じがしますが、ケーブルも接続も、設定もまったく必要なく、本当にそれができるんです。
誤解を避けるために言うと、これはiPadとMacの機能であり、iPhoneの機能ではないので、そこまで驚くことではありません。
でも、物理的なキーボードを搭載したiPhoneに切り替えられたら、素晴らしいでしょうね。いつかAppleがその機能を追加してくれるかもしれません。
2. マスクをしたままFace IDでiPhoneのロックを解除(iOS 15.4)
さて、ここからはiPhoneの主要なアップデートにフォーカスしていきますが、このアップデートはとにかくすごいです。
iOS 15.4では、マスクをしたままFace IDでiPhoneのロックを解除できるようになり、パンデミック生活のイライラが解消されます。
Appleは過去にこの問題を解決しようと試み、Apple Watchを使ってマスクを着用したままiPhoneのロックを解除できるようにしたことがあります。
しかし、その機能はApple Watchを持っていない多くのiPhoneユーザーには使えなかったので、今回のアップデートは歓迎すべきことです。
とはいえ、iPhone12以降にしか対応していないのは、本当に残念です。こうした機能を使えるようにするには、確かにiPhoneの処理能力が高くないとダメですが、私としては、iPhone11で対応できなかったとは考えにくいです。
3. マスクをしたままApple Payと自動入力を利用(iOS 15.4)
同様に、iPhone 12以降の機種なら、マスクをしたままApple PayとアプリやSafariの自動入力が使えるようになりました。
一部のiPhoneに限られるかもしれませんが、該当するiPhoneにとっては利便性の大幅な向上となります。
4. たくさんの新しい絵文字が登場
実は、私は新しい絵文字に目がありません。
Appleの最新のアップデートでは、「溶ける顔」(2022年にたくさん使われることになるでしょう)「覗き見している顔」「口が斜めの顔」を含む37種類の新しいアイコンが登場しており、さらに性別の統一や複数の人種の握手など、さまざまなアップデートが行なわれています。
新しい絵文字や既存の絵文字の変更点については、Emojipediaのブログ記事をチェックしてみてください。
5. SharePlayとサポートアプリが統合(iOS 15.4)
この最新のアップデートでは、SharePlayと対応アプリの統合が導入されました。
この変更により、FaceTimeの通話からではなく、アプリ自体からSharePlayのセッションを開始できるようになりました。
そのため、通話を開始して、友だちを集めてからSharePlayアクティビティを開始する必要はなく、最初からSharePlayを開始することができます。
6. 空間オーディオのアップデートがM1 Macに適用(macOS 12.3)
Appleシリコンチップを搭載したMac(M1、M1 Pro、M1 Max、および近日発売予定のM1 Ultra)を持っていると、Musicでダイナミックヘッドトラッキングを利用できます。
この機能があると、ユーザーが動くと、頭の動きを追いかけるので、対応楽曲がMacから音が出ているかのように聞こえます。頭を横に動かすと、従来の固定された音と違って、音源の位置が変わったように感じます。
また、対応するAirPodsのコントロールセンターで、空間オーディオをコントロール(オフ、固定、ヘッドトラッキング)できます。
7. MacBookのバッテリー容量の測定がより正確に(macOS 12.3)。
MacBookのバッテリー容量は、新品の頃に比べてどれだけ充電できるかを示す指標です。この情報を知っておくと便利です。
バッテリーが一定の寿命を迎えたら(通常は1000サイクル、または充電量が以前の80%以下になったら)、交換することを考えた方が良いでしょう。
どうやら、Appleのこれまでのバッテリー容量の測定は、それほど正確ではなかったようですが、macOS 12.3ではそれが変わります。
私は、以前これが問題であることを知りませんでしたが、今回のアップデート後に、私のMacBook Proのバッテリー容量が少しでも変わったように見えるかどうか確認するのが楽しみです。
8. Siriに新しい音声が追加
Siriの元々の音声はアイコニックかもしれませんが、このデジタルアシスタントは長年にわたって多くの新しい音声を追加してきました。
今回の新しい音声は、これまでの音声に比べて男性・女性の区別をあまり感じさせないので、Siriの音声のバリエーションが増えました。
9. オフラインでもSiriで日付と時刻の情報にアクセス(iOS 15.4、iPadOS 15.4)
Siriについて言うと、オフラインの状態でも日付と時刻を尋ねることができるようになりました。
これまで、このデータはSiriがインターネットに接続されているときだけアクセスできましたが、これからは、iPhone XS以降、またはA12Z Bionic以降を搭載したiPad Proであれば、どこにいても日付や時刻を尋ねることができるようになります。
10. EUデジタルCOVID証明書に対応(iOS 15.4)
健康アプリがEUデジタルCOVID証明書に対応するようになりました。これを使えば、予防接種や回復の記録、検査結果などをダウンロードすることができます。
しかし、AppleがiOS 15の初期リリースで約束した機能である、Apple WalletのIDにはまだ対応していません。
11. 保存したパスワードにメモを入力
AppleのiCloudパスワードマネージャーを使っていると、この機能は便利だと思うかもしれません。
最新のアップデートでは、保存したパスワードにメモを追加できるようになりました。そのパスワードを参照する時にあると、いろいろな便利情報をここに入力できます。
12. カメラからメモ、リマインダーにテキストを追加(iOS15.4、iPadOS15.4)
Live Text は、iOS 15の最も便利な機能の1つです。
Appleの最新のアップデートはそれをベースに、キーボードのカメラオプションからメモとリマインダーにテキストを入力できるようにしました。
メモやリマインダーでカメラをタップし、ドキュメントに移動させたいテキストを特定します。実世界のアイテムからメモやリマインダーに情報を入力することに慣れている人なら、この機能は多くの時間を節約してくれるはずです。
13. コントロールセンターからキーボードの明るさを変更(iPadOS 15.4)
Magic Keyboardケースを装着したiPadを持っている人は、バックライト付きキーボードの操作が煩わしいことはご存知でしょう。キーボードの明るさを変更したい時、ノートPCならキーを押すだけでいいところを、iPadではさまざまな設定ページに入っていかなければならないからです。
しかし、iPadOS 15.4では、新しいコントロールセンタータイルを追加し、いつでも好きな時にキーボードの明るさを変更できるようになりました。
その他の細かい機能
すぐに気づくような重要な機能や変更に加えて、Appleはアップデートのたびに小さな調整も詰め込む傾向があります。ここでは、注目すべきものをいくつか紹介します。
- SafariのWebページ翻訳が、イタリア語と中国語(繁体字)にも対応。
- ポッドキャストアプリに、エピソードをシーズン、再生済み、未再生、保存済み、ダウンロード済みでフィルタリングする機能が追加。
- iCloudのカスタムメールドメインを設定から管理可能。
- ニュースでは、Todayフィードおよび音声タブでのオーディオコンテンツの検出が強化。
- ショートカットは、リマインダーのタグの追加、削除、クエリーに対応。
- 緊急SOSの設定が変更され、すべてのユーザーを対象に「長押しして通報」を使用するように。5回押すことで通報する機能は引き続き利用可能。
- 拡大鏡のクローズアップ機能により、iPhone 13 ProとiPhone 13 Pro Maxに搭載された超広角カメラを使って小さなものを見やすくすることが可能。
- iPad(第5世代以降)、iPad mini(第4、5世代)、iPad Air 2、iPad Air(第3、4世代)、iPad Proで、iPadを回転させながら音量調節するように設定可能。
バグの修正一覧
Appleのソフトウェアは一般的に安定したユーザー体験を提供しますが、まだ多くのバグに遭遇することがあります。
Appleは、iPhone、iPad、Macをアップデートした後は、次のようなバグに遭遇することはないとしています。
- キーボードで入力した数字の間にピリオドが挿入されることがある。
- Today Viewのニュースウィジェットをタップしても記事が表示されないことがある。
- 写真やビデオが iCloud フォトライブラリに同期されないことがある。
- ブックアプリで、画面を読み上げるアクセシビリティ機能が、予期せず終了することがある。
- コントロールセンターでライブリスニングをオフにしてもオフにならないことがある。
- Apple TV アプリ(macOS) で動画を視聴しているとき、音声が乱れる。
- 写真 (macOS) でアルバムを整理する際に、一部の写真と動画が意図せずに移動することがある。
Source: Emojipedia