敏腕クリエイターやビジネスパーソンに仕事術を学ぶ「HOW I WORK」シリーズ。

今回お話を伺ったのは、本の要約サービス「flier(フライヤー)」を運営する株式会社フライヤー代表取締役の大賀康史(おおがやすし)さんです。

大賀康史

2001年早稲田大学理工学部機械工学科卒業、2003年早稲田大学大学院理工学研究科機械工学専攻修了。2003年にアクセンチュア(株)製造流通業本部に入社。同戦略グループに転属後、フロンティア・マネジメント(株)を経て、2013年6月に株式会社フライヤーを設立。 著書に『最高の組織』(自由国民社)、共著に『7人のトップ起業家と28冊のビジネス名著に学ぶ起業の教科書』(ソシム)『ターンアラウンド・マネージャーの実務』(商事法務)がある。

大賀さんは、経営コンサルタント時代の自己体験から、10分で本の要約を読める「flier」を創業。1日を通して要約・音声コンテンツを使い倒すという大賀さんに、インプットのコツから哲学まで仕事術を伺いました。

大賀康史さんの一問一答

氏名: 大賀康史

職業:株式会社フライヤー代表取締役CEO(本の要約サービス「flier(フライヤー)」運営)

居住地: 東京都

現在のコンピュータ: ThinkPad、MacBook Air

現在のモバイル: iPhone

現在愛用しているノートとペン: Rollbahn(ロルバーン)、MONTBLANC

仕事スタイルを一言でいうと:壁打ち相手が本

自分がほしいサービスを作ろう

――現在のお仕事内容を教えてください。

本の要約サービス「flier」を運営する、株式会社フライヤーにて代表取締役CEO務めています。「flier」は、一言で言うと、ビジネス書の新刊や話題のベストセラー、名著の要約を1冊10分程度で読めるサービスです。経営やマーケティング、スキルアップなどをテーマとするビジネス書の他にも、睡眠やアンガーマネージメント、教養(リベラルアーツ)など、幅広く3000冊以上の取り扱いがあります。

ユーザー数は累計100万人を突破し、法人の同入社数も690社になりました。個人向けに広がっていたサービスですが、今は法人の人材育成、学びの分野でも伸びています。

――創業されたきっかけは?

約10年ほど経営コンサルタントをした後に創業したのですが、自分達がほしかったサービスを形にしようと。コンサルタントとして忙しく働いてきた中で、土日も含めて本を読む時間が全然取れませんでした。

プロジェクトが落ち着いたときに10冊や20冊まとめて読むということをやってきましたが、話題になっている本やトレンドを掴めないという課題もありました。

加えて創業した2013年は、iPhoneなどスマートフォンを多くの人が持ちはじめていた時期。通勤やランチの隙間時間に、情報をキャッチアップできるサービスがあればなとぼんやりと浮かんでいました。海外では、すでに1000万人以上のユーザーがいるサービスがありました。でも日本ではあまり見たことがない。これはチャンスかもしれないと思い、flierをはじめました。

音声サービスを3つ使い分ける

――仕事をする上で、欠かせないアプリは?

flier、Voicy、Podcastです。

――音声サービスをどう使い分けている?

朝起きたら、まずflierで本の情報をインプットして、役立つ情報を仕入れます。昼間は仕事をしながら音楽を聴いています。

音に敏感なので、周りがざわついていると集中できないため、音楽は欠かせません。夜は24〜2時はインプットの時間で、PodcastとVoicyを聴いたり、本を読んだりしています。

PodcastとVoicyのいいところは、お風呂の中でも、ストレッチをしながらでも、場所やタイミングを選ばずに聞けるところですね。

――PodcastとVoicyでよく聞く番組は?

Voicyは、フライヤーにてアドバイザー兼エバンジェリストを務める荒木博行さんの「荒木博行のbook cafe」。

Podcastは、歴史を面白く学ぶ「COTEN RADIO」。内容はもちろん、深井龍之介さんの声がいいですよね。

インプットした情報を整理するコツ

――月にどのくらいの本を読んでいる?

ビジネス書や歴史や哲学書はたくさん読みます。ディープラーニングで1カ月かけて1冊読むこともありますが、平均月10〜20冊でしょうか。基本的に紙で読んでいます。

――インプットした情報はどう整理する?

私はめんどくさがりやなので、毎日日記を書いたりできません。それの代わりに、寝る前に5〜10分ほど、瞑想をしています、座って目を瞑って呼吸を整えて。その日学んだことや悩みを一回整理する時間を作っています。そこで、必要なものを記憶していますね。

また、毎朝読んでいるflierでは、「学びメモ」という機能を使って、感じたこと・学びになったことを短くメモをするようにしています。

――座禅ですか?

座禅崩れみたいなものというのでしょうか。ICCというベンチャーのイベントに行ったときに、京都で座禅ツアーがありました。お寺で修行僧の雄叫びが響く暗くて静かな場所で、座禅の基本的なやり方を教えてもらいました。

そこで、頭がすっきりしたんですよね。その状態で、毎日のインプットを整理して、次の日に備えています。

――仕事のなかで編み出したライフハックは?

ファイルは日付で分けて管理する」です。

昔、フォルダーを細かく分けて整理していたのですが、今は日付だけで管理しています。いつ使ったドキュメントか思い出せれば、細かく管理する必要性がないことがわかったんです。思い出せなくても、検索機能を使えば問題ありません。

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