ちょっとの手間で動作を快適に。
ウェブブラウザってネットを見るだけではなく、動画視聴や文書・スプレッドシートの共同作業、SNSなど、いろんな目的で使ってますよね。ふと気づくとタブを何十枚、もしかしたら何百枚も開いてるなど、コンピューターのリソースをものすごい勢いで使っていることがあります。
幸い、その対策はいろいろあります。どんなブラウザでもきちんと管理しながら使えば、コンピューターにとっての作業机にもたとえられる、RAM(Random Access Memory)の浪費を回避できます。RAMをうまく解放してあげれば、MacでもWindowsでも、反応や動作をより早くできるので、その方法を以下にまとめますね。
1. ブラウザの設定確認
メモリ消費を抑えるには、ブラウザのタブ数は少ないほどベター、が基本です。ブラウザを使ってるとつい全部開きっぱなしにしたくなるんですが、使い終わったタブは意識的に閉じるように心がけてみると、チリも積もれば的にパフォーマンスに差が出てきます。タブを閉じてもブラウザ履歴からすぐ復活できるので、「あとで使うかもしれないから」という理由で開けておく必要はないんです。
開いてるタブ数を数枚以内に抑えられない場合は、他にもできることがあります。まず、ブラウザのバージョンを最新にしておきましょう。最新バージョンには、ブラウザにかかるRAMの負荷(CPUも)を軽減するような最適化処理が入っていることが多いんです。ブラウザが自動でアップデートしてることも多いのですが、一応確認しておくと良いことがあるかもしれません。

あとはブラウザのタスクマネージャをのぞいてみると、どのサイトやタブがリソースを浪費しているかがわかります。ChromeやFirefox、Edgeでは、「その他のツール>タスクマネージャ」で開くことができます。ただしmacOSのSafariの場合タスクマネージャがないので、この手は使えません。
余計なブラウザ機能拡張を削除するのも、RAMの負荷を軽減する方法です。あまり使っていないものはリソースを浪費するだけのため、インストールされてる機能拡張リストを開いて、なくしてもいいものを選びましょう。削除しても、あとで必要だと思えば再度インストールできます。

ブラウザの設定の中にも、試す価値のある機能がいろいろあります。たとえばタスクの一部をCPUからGPUに移す、ハードウェア・アクセラレーションが効果的な場合もあります。
ChromeとEdgeなら設定ページの「システム」、Firefoxなら「一般」(最初に「推奨のパフォーマンス設定を使用する」のチェックを外す必要があるかも)に行くと、「ハードウェアアクセラレーションを使う」というようなスイッチが出てくるので、それをオンにします。Edgeにもタブ管理設定がいろいろあり、「設定>システム」から、たとえば自動でタブをスリープさせる、などが可能です。
ブラウザの開発元はみな、設定をデフォルトに戻すとシステム負荷が下がる、と言っています。時間とともに使ってない機能拡張やキャッシュがたまっていくため、たしかにそれは一理あります。Safariではこれができないのですが、Chrome、Firefox、Edgeにはそれぞれ詳細なマニュアルがあります。
2. 拡張機能でRAMの負荷軽減
逆に拡張機能をプラスすることで、RAMへの負荷を減らす方法もあります。その多くは開いてるタブ数を制限するタイプで、各ブラウザに対していろんなものが出ています。自分のハード・ソフト環境にとってベストな方法を見つけるまでは、多少試行錯誤があるかもしれません。
Auto Tab DiscardはChrome、Firefox、Edgeで使えて、一定時間使っていないタブは自動で閉じることでCPUやRAMを解放してくれます。オプションがたくさんあり、時間が過ぎても閉じなくていいタブのホワイトリスト化や、メディア再生中のタブは閉じない設定にする、といったことができます。

The Great Suspender(前はマルウェアが入っていたのですが、今は安全です)も、ChromeとEdge向けしかないのですが、同様に良い方法です。タブを閉じるのではなく、一定時間使ってないとサスペンドされ、必要になればすぐリロードできます。Auto Tab Discardと同じように、サスペンドしないタブも指定できます。
OneTabはChrome、Firefox、Edge、Safariで使えて、ちょっと違うアプローチです。メイン機能は、一連のタブをリストにすることで、これによって各タブによる負荷は下げながら、必要になったら簡単に、かつまとめて復活させられます。便利なオプションもいろいろあり、ピン留めしたタブは無視する、などができます。

あとはFirefox用のLimit Tabs、これは一度に開いておけるタブの数を制限するものなので、何らかのタブを新たに開こうとすると、別のタブが閉じます。そのとき何を閉じるのかは、1番最後に開いたタブ、1番使ってないタブ、1番左(または右)のタブ、から選ぶことができ、ピン留めしたタブは無視する設定もあります。
もっと総合的なタブ管理用拡張もあります。たとえばSession Buddy(Chrome用とEdge用)では、複数タブのグループをコレクションとして保存でき、必要に応じて名前を変えたり、マージしたりして整理できます。ブラウジングの効率を高めつつ、RAMへの負荷を下げられる仕組みです。
Image: Shutterstock/Source: Google Chrome ヘルプ, Support.mozilla, Microsoft, Auto Tab Discard, github.com, OneTab, Firefox Browser ADD-ONS, Session Buddy/訳: 福田ミホ
ギズモード・ジャパンより転載(2022.1.19公開記事)