起業家やビジネスオーナーは、自社のソリューションやビジネスモデルに対してだけでなく、自らの能力に対しても、絶対の自信が必要です。

これがなければ、成功をおさめることはできません。スタートアップ企業のエンジェル投資家である私は、その会社のソリューションやプロダクトがどれほど革新的であるかよりも、こうした「自信」があるかどうかを常に気にしています。

もちろん、経営に必要なスキルやプランがないのに、自信過剰だったり、大風呂敷を広げたりする経営者もいます。

一方で、残念ながら、ビジネスアイデアは素晴らしいにもかかわらず、自信のなさや、失敗への恐れ、不安な気持ちのせいで頓挫してしまうケースをいくつも見てきました。

その数は、自信過剰なせいでダメになるケースよりも多いほどです。

自信の持つ力と自信のつけ方を改めて思い知らせてくれたのが、Nate Zinsser氏の新著『The Confident Mind: A Battle-Tested Guide to Unshakable Performance(自信にあふれた精神:揺るぎないパフォーマンスを実現するための、戦いによって検証されたガイド)』です。

Zinsser氏は心理学者で、パフォーマンスにおける自信と、精神的な強靭さが持つ力を専門にしています。

The Confident Mind』には、誰もが持っているはずの自信を蝕む要因の数々がまとめられています。

それらは、私自身も何度も目にしてきたものです。自信を奪ってしまうこれらの要因に打ち勝つ方法、ありきたりではないものの考え方をする方法、ビジネスの成功や人生の目標の達成に必要な能力を劇的に高める方法について、ポイントが示されており、私もそうした主張に同感です。

では、スキルとしての自信をどのようにして身に着け、磨き、活かしていけばいいのか、段階的に説明していきましょう。

1. 人生で一番求めていることを確認する

何よりも求めていることを自らに確認したら、その目標の追求に脳と体を集中させてください。

一歩前へと進むたびに、小さな成功を収めるたびに、喜びや興奮を感じるでしょう。それが、不安やストレスをかき消してくれます。

失敗とは学びのための経験、自信をつけるための経験であって、奈落の底へとつながるミスなどではない、と思えるようになるでしょう。

起業家たちが「早くお金持ちになりたい」と言っているのをよく耳にします。けれども多くの場合、満足感や幸福感のカギを握るのはお金ではないことを、私は知っています。

靴のオンラインショップTOMSの創業者であるブレイク・マイコスキー氏は一貫して、「人の役に立つこと」を真の目標に掲げてきました。みなさんの中にも、マイコスキー氏と同じ考えを持っている人がいるかもしれませんね。

2. 常に、自分自身のベストフレンドになる

自信をつけたかったら、親友に対してそうするように、いつも自分自身を支えてあげなければなりません。親友が困難に直面すれば、きっと気遣うはずです。

けれども、自分が同じ状況に陥ったときに、自らを思いやる起業家はほとんどいません。自信を保つために、自分を認め、許し、思いやりましょう。

私の経験では、誠実で自信に満ちた人たちは、他人からどう見られるのかをくよくよと思い悩んだりしません。

自分からケンカの種をまくようなことはありませんが、率直な意見を述べることを恐れません。それでも、周囲から信頼されています。

日々、昨日よりも自分に忠実な自分を目指しましょう。

3. 理性と感性を両方使い、新たな現実を創造する

時には、分析的で注意深い思考のスイッチを切り、単純に「見て行動し、感じて反応する」ことが必要です。

それが特に当てはまるのは、起業家として未知の領域に足を踏み入れようとしている時です。

次々と決断を下さなくてはならない状況では、現実を見据えましょう。長期的な展望を立てるときには、創造性を働かせましょう。

たとえば、これまでにも数多くのケースで、SFが革新の原動力となってきました。イーロン・マスク氏はSpaceXを立ち上げ、人類の火星移住を目標にかかげて、再利用が可能な宇宙船といった新技術や数多くの製品を開発しています。

4. 知識を増やし、それを常に生かす

自分の主な強みを見つけ、それを常に生かしましょう。何もかもを同時にうまくこなそうとしても、自信にはつながりません。

私が知るかぎり、起業家とは、「アイデアパーソン」か「ビジネスビルダー」のどちらかです。

両方に当てはまる人はめったにいません。そうした場合、互いに補い合える長所を持った共同創業者を見つけるほうがいいでしょう。

5. 小さな前進を積み重ねる

自信は、本物の能力を育んでいくためのエネルギーや意欲、やる気、意識をもたらしてくれます。完璧な自信をもって行動しないかぎり、自分の真の能力を知ることはできません。

自信をつけるためには、行動に修正を加えていくアプローチではなく、小さな前進を積み重ねていくようにしましょう。

6. 相手も同じ人間、勝ち目はあると信じる

メディアが氾濫する世界から聞こえてくる、ライバルや、渋る顧客についての大げさなニュースやゴシップに、振り回されてはいけません。

真偽を自分で確かめてください。そして、誰であろうが、自分と同じで、不安や疑い、欠点を抱えた人間なのだと認識しましょう。

そうすれば、「相手が誰であっても勝ち目はある」と自分に言い聞かせることができます。

7. どんなときも「勝つためにプレイする」

自分が犯した過去の失敗や、これから犯す可能性のある失敗について、あれこれ思い悩むのはやめましょう。そんなことをしても、自信が育まれるどころか、損なわれるだけです。

それよりも、過去のすべての成功と、そこに至るまでの好ましい瞬間を思い出して称えましょう。

そして、まわりに迎合せず、周囲の人々とは異なる考え方をして、自分だけの特別な見識を活かしてください。

「自分に自信を持ったり、自分を信頼したりできるかどうかは、生まれつき決まっている」「自信とは、あるとき突然湧いてくるものだ」といった考えは、事業が失敗したり、諦めたりするときに自分を慰めるための言い訳です。

私に言わせれば、自信の根源は、強い決意やたゆまぬ努力、ひたすら積み重ねる訓練であることのほうが多いのです。

自信とは、たとえ人生の危機に直面しているときであっても、ひたすら養い、育て、完成させるべき習慣です。さあ、いますぐはじめましょう。

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