手帳、使っていますか?
Googleカレンダーなどスケジューラーアプリ全盛の現代ですが、今も手書きの手帳を愛用する人は少なくありません。それは「アナログならでは」のよさをどこかで求めているからではないでしょうか?
ライフハッカー[日本版]の特集「深化するメモ術」でも登場した手帳評論家の舘神龍彦さんに「手帳メモ習慣」のメリットを教えてもらうとともに、習慣化するためのポイントについて寄稿してもらいました。
今回は全3回の第2回です。
前回は、スケジュール管理ツールとしての手帳の特徴とメリットについて解説しました。今回は、具体的な手帳記入のテクニックについて紹介していきます。
手帳は、可処分時間を見える化してくれるツールです。この点では、Googleカレンダーなどのデジタルなスケジューラーも同様です。
違うのは、手帳は開いてすぐに記入できる点。それも前後の予定や1週間、月単位のスケジュールを一覧しながら書き込める点が大きなメリットです。
その上で、ポイントして押さえたいのは、予定の開始と終了の時間をきちんと記入すること。具体的にどういう作業なのか、仮にミーティングだとしたらどれくらい時間がかかるのか、見積もって書いておくのです。
これは、プライベートや個人的な予定でも同じです。たとえば、Netflixの動画を見るのなら何時から何時までなのか。
もしその動画コンテンツが2時間15分の映画だとしたら、午後8時から見はじめたら終わるのは午後10時15分です。なんとなく「2時間」と記入するより、所要時間を正確に把握して記入するほうが、その後の予定を正確に立てられるはずです。
15分というのは、意外と馬鹿にできない、まとまった時間です。正確な時間の見積もりを書いておくと、スキマ時間を有効活用できるようになります。
予定に必要な準備も記入しよう
その予定に必要な準備も書き込んでおくことも重要なポイントです。想定される流れ、段取りなども書いておきましょう。特に何かモノが必要な場合は、予定を立てる段階で用意しておきたいところです。
こうしないと、予定の開始時間には用意されていないということが起こりがちです。予定をスムーズに進行するためにも、事前の準備とそのためのメモを予定立案時に書き込んでおきましょう。
「頭の中でやればいい」と思わずに、書き込んでおくことによって抜け漏れを防げますし、それを元にさらに情報を追記することもできます。そうすることで、脳内の想定もよりクリアになるのです。
たとえば、サーバーを乗り換える作業をする場合、乗換先のサーバーやDNSサーバーの設定や、そのための具体的な知識、またレンタルサーバーの入力画面の実際の仕様について知っておく必要があります。
こういう作業について、慣れている人なら頭の中だけで備えることができるかもしれません。ですが、そうでない場合は逐一書き出したほうがロスがなくなります。
また、自分の知識のどこが足りないのかも見えてきます。その結果、足りない知識をまず補うことが必要だと気がつき、作業としてリストアップすることができるのです。
コツはとにかくマメに手帳を開くこと
こういうことを実践するには、とにかくマメに手帳を開くことです。
予定は決まった時点で書き、使える残り時間を確認する。段取りや準備も確認する。それらを含めて所要時間を見積もっておく。
できれば、予定と予定の間にバッファの時間を設けておきましょう。こうすると前の予定が押した場合も、その後の予定への影響を最小限に抑えられます。
また、予定の一覧を見て、可能なら前倒しをしたりすることもできます。これも手帳をマメに開くことのメリットです。
「予定決定の主体者は自分」ということを自覚する
最後にもう一つ、最も重要なポイントについて触れておきます。
それは、予定を決める主体者は自分だということです。
現代では、ホワイトカラーならば、仕事はきちんと締切までにできれば問題はないはず。ですが、出社と退勤の時間は決められていました。
それが、新型コロナウイルスの流行によって、ガラッと変わりました。
テレワークが常態化した現在、時間の使い方の自由度は飛躍的に高まったと言えるでしょう。テレワークをしながら家事をやったり、休憩がてら軽いトレーニングをしたり、そういったことが誰でもできるようになったのです。
だからこそ、自分が活動できる、体力や気力が持つ範囲を考えながら、時間を使う主体が自分にあることをきちんと意識して、予定を立てるようにしましょう。
時間の枠を区切り、その枠で何をやるかをできるだけ明確にすること。
これは、デジタルでも基本的には同じですが、紙の手帳には独特のハードルの高さがあります。それは一度書いた予定を消したり変更したりがやりにくいことです。
この問題に対してどう対応するかについては、次回取り上げたいと思います
舘神さんおすすめ手帳
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