睡眠は、人生の3分の1の時間を費やすものだと考えると、とても不思議です

睡眠に費やした時間のほとんどは覚えていないにもかかわらず、私たちは起きている時間の多くを費やして、睡眠を改善する方法についての情報、そして誤った情報を触れ回っているのですから

この記事では、睡眠に関して最も広まっている誤解に満ちた11の勘違いをご紹介します。こうした勘違いにはそろそろ眠りについてもらいましょう。

勘違い1:どこでも寝られる人は「良い眠りにつける人」

どこでも眠ってしまうのは良いことではありません

日頃から十分な睡眠時間を確保し、概日リズムに合ったスケジュールを守っていれば、映画のために照明を落としたり、ヨガのインストラクターの指示でリラックスした屍のポーズをしたりする度に疲れを感じることはありません。

日中に眠ってしまう場合は、そろそろ夜にもっと睡眠をとるべきだということです

勘違い2:誰でもいびきをかく

たまに軽いいびきをかくことがありますか?

確かに、かかない人がいるでしょうか?

しかし、家を揺るがすようないびきが習慣になっているということだと、それは正常ではありません。

睡眠学会 によると、週に3日以上いびきをかく場合や、特にいびきの音が大きい場合、あるいは喘いでいたり息苦しそうだったり鼻を鳴らしたりするような音がする場合は、医師や睡眠の専門家に相談するべきです。

もしそうなら、特に日中の眠気や疲労感を伴う場合は、閉塞性睡眠時無呼吸症候群の兆候である可能性があります。

勘違い3:アルコールは睡眠を助ける

寝酒をすると眠くなるかもしれませんが、別の効果もあります。

アルコールは睡眠を妨げる傾向があるのです。レム睡眠の回数が減るうえ、複数の研究によると、寝る前にアルコールを飲むと成長ホルモンの分泌量が通常より減るといいます。

そのため、8時間しっかりと睡眠をとったとしても、寝る前にお酒を飲まなかった場合ほどには十分な休息が取れないでしょう

勘違い4:本気で取り組めば1日5時間の睡眠に慣れることが可能

これは、睡眠不足の人が自分に言い聞かせたがる嘘の1つです。

成人はほとんどの場合に1日7〜9時間の睡眠が必要ですが、多少の差はあります。そのため、5時間の睡眠で健康な人もいるでしょう。

しかし、それは稀なケースでしょうし、人が自分の意志で睡眠時間を短くできるという根拠はありません。

日常的に睡眠時間がこの指針より短いと言う人は、たいてい嘘をついているか、勘違いをしているか、単に睡眠不足なのです

勘違い5:ブルーライトカットのメガネやスクリーンカバーを使えば寝る前に画面を使っても大丈夫

就寝直前に目に光を浴びると、夜だと認識するのを助けてくれる脳の一部が混乱する可能性があるため、より良い睡眠のためには、画面を遠ざけることが一般的に推奨されています。

ブルーライトカットのメガネやスクリーンカバーがあれば画面は大丈夫というわけではありません。

そうしたものは、実際にはブルーライトをほとんど遮ってくれないのです。

勘違い6:夜に運動すると寝つきが悪くなる

夜に運動した後は、寝つきが悪くなるということにお気づきかもしれません。

しかし、それは必ずしも夜の運動のせいではありませんよね。結局のところ、運動は睡眠の質を向上させる傾向があるのです。その原因は実は、夜の生活習慣の残りの部分にあるのかもしれません。

身体は食事のスケジュールから睡眠に入る時間のヒントを得ているため、運動後の食事やシェイクが原因で時間通りに眠りにつくのが難しくなっている可能性があります

勘違い7:夢を見ない人もいる

私たちは毎晩4〜6個の夢を見ますが、目が覚めるまでにすべて忘れています(レム睡眠が夢を見る段階だと考えられているものの、ある種の夢のような脳活動はすべての睡眠段階でも経験しています)。

脳は朝までに夢を消すのに非常に長けているため、夢の最中に起こされたのでなければ、おそらくはたくさんの夢を見ていても知らないだけなのです。

勘違い8:10代の若者は夜更かしをやめればそこまで疲れない

10代の若者は確かに夜更かしをしすぎているかもしれませんが、たくさんの睡眠を必要とする発達段階にあり、この段階では2つのことが同時に当てはまります。

つまり、10代の若者は、睡眠がたくさん必要であるとともに、体内時計によって夜更かしをする方向にシフトしているのです。

アメリカ小児科学会は、10代の若者たちには「夜更かしするな」と言うよりも、単にとてつもなく早起きさせたりしないことのほうが、より多くの睡眠をとることができて精神的にも肉体的にも健康に良い、と指摘したことがあります

勘違い9:夢遊病者を起こすのは危険

夢遊病は、それ自体は危険ではありませんし、夢遊病者を起こすことは命にかかわるわけでも本質的に問題があるわけでもありません。ただし、それが良いことだということではありません。

夢遊病者は奇妙な精神状態になっていることが多く、完全に起こすのが難しいか不可能な場合があります。目覚めさせることができたとしても、混乱したり、恥ずかしい思いをしたり、怒ったりするかもしれません。

そのため、もし可能であれば、単純にベッドに戻してあげるのが一番賢い対応です

勘違い10:大きなイベントの前には十分な睡眠が必要

もちろん、大事なテストやレース、仕事のプレゼンなどの前には、十分な睡眠をとるのが理想的です。しかし、興奮や緊張で眠れないこともありますよね。耳寄りな情報があります。

一晩良く眠れなくても肉体的、精神的なパフォーマンスにはわずかな影響しかなく、その過酷な一晩の前にしっかり寝ていれば、影響を感じることもまったくないかもしれないのです。

勘違い11:運転中に眠らないようにするには…

夜遅くに運転中、どうやって眠らないようにしていますか?クーラーをかけますか?音楽の音量を上げますか?ペパーミント味の飴を食べるでしょうか?

引っ掛け問題です。眠らないようにするのに一番いいコツを探しているほど眠いのであれば、運転するには眠気が強すぎます。

睡眠学会は、「運転中に疲れを感じたら、路肩に寄せて、15〜30分ほど仮眠がとれるか一泊できる安全な場所に移動するのが最も安全な最善策だ」と指摘しています。

少し疲れているだけなのであれば、大きなサイズのコーヒーを飲み、パワーナップ (仮眠)をとりながらコーヒーの効き目が出るのを待つのもいいでしょう。そうでない場合は、本格的に寝るべきです。


Source: Sleep Foundation(1,2), Alcohol and Health, UCSF, JOHNS HOPKNS MEDICINE, DISCOVER, AAP,Sleep.org