土曜日が半ドン(死語ですね)だった昭和には想像にも上らなかった「週休3日」。それが、コロナ禍で働き方が大変化しつつある現在、各地で増えているそうなんです。
週休3日を取り入れている業界は?
まず参照記事で挙げられている会社や業種を見て見ましょう。
- アプリ制作会社 Buffer(サンフランシスコ)
- オンライン出版プラットフォームデベロッパー 3D Issue(アイルランド)
- 雑誌出版・イベント会社 Target Publishing(イギリス)
- バーチャルボイスエージェンシー Bunny Studio(コロンビア)
- ソフトウェア会社 Monograph(サンフランシスコ)
- 起業家を支援する団体 Uncharted(デンバー)
- コロラド州とウエストバージニア州の地方自治体
やはりIT関係が多いようです。
“週4日勤務”のメリットは?

2018年、ニュージーランドで自分の会社を週休3日にして成果があったことから、週に4日働くことを支援する団体「4 Day Week Global」を立ち上げたアンドリュー・バーンズさんは、こう言っています。
「パンデミックの影響で、企業は職場のあり方を見直し、革新的に再構築することを考えるようになりました。今はいろいろ試して生産性とは何かを再評価する時です。
(中略)職場で過ごす時間よりも生産性や成果に焦点を当てることで、週4日勤務がワークライフバランスを改善し、従業員の満足度やメンタルヘルスをアップ、離職率を下げることにつながります」
NBC Newsより翻訳引用
やってみた結果は?
残念ながら、参照記事ではどのように週休3日が取り入れられているかについて具体的には述べられていなのですが、重要なのは勤務時間が減っていても給料は変わっていないという点です。
つまり、勤務時間の長短よりも仕事の成果が重視されているのです。
コロナ禍で週休3日を導入したアプリ会社Bufferで、社員にアンケートを取ったところ、ストレスは軽減、仕事の満足度がアップ、仕事における自主性・自律性を感じられたという声が挙がったそうです。
企業側が考えたいこと

上にも挙げたように、従業員へのメリットはより良いワークライフバランス、満足度や自主性アップ、ストレス減など。
企業にとっては、業績アップ、生産性の向上により時短で業務を終わらせられる、人材の定着率が上がるなどのメリットが挙げられています。
特に小規模の会社では、大企業と差別化するために週休3日を取り入れているところもあり、人材を惹きつける力になるという意見がFast Companyに取り上げられていました。
また、現状では、週休3日によって、職場での社会的距離を維持するのにも役立つという意見もあります。
オンライン出版プラットフォームデベロッパー会社3D IssueのCEOであるマクナルティさんは、Fast Companyの記事で、こう述べています。
コロナ禍で誰もが人生の優先順位を考え直している。(中略)1日の休みか、週に30ユーロの追加ボーナスかを提示したら、従業員は休みを選ぶだろう。(中略)雇用主は従業員の生活の質を上げるために何ができるかを考えるべきだ。
Fast Companyより翻訳引用
ウィズコロナ時代の新しい働き方

日本では、日本マイクロソフトが2019年8月に1か月間、週休3日のトライアルを行なったことが海外のメディアで取り上げられています。
筆者が子どもの頃は週6日働くのが普通でした。就職した時には週休2日でしたが、どの業種も職場に行って仕事をするのが当たり前。
そして今、アメリカに住みながら日本の仕事ができるなんて、20年ほど前に引っ越した時には思いもよらなかったことです。
「職場に行って仕事をする」という概念が崩れつつある今、決まった勤務時間ではなく、生産性を重視した柔軟な勤務時間と休日を、徐々に取り入れていくことに可能性を感じています。
毎週ではなくても、隔週や月に1度などの頻度で取り入れることができれば、その影響は無視できない気がします。
多くの人が語っているように、ウィズコロナ時代には「できる場所で効率良く、より賢く安全に働く」がキーワードになるのではないでしょうか。
3日休みか4日働くか。英語と日本語の違い
余談ですが、日本語で言う「週休3日」は英語で「4-day work week」「4 day week」と言います。
祝日と週末を合わせて休みが3日続く時には「3-day weekend」と表現することもありますが、これは定期的な「週休3日」には使われません。
日本語では休日の数に、英語では働く日数にフォーカスされています。表現の違いにその社会が持つ視点が隠れているような気がします。
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Source:NBC, Fast Company, 日本マイクロソフト
Image: Shutterstock