お金は銀行に預けるということが、いまだに主流です。ですが、超低金利の時代が続いています。このままでは何年間預けていても、「預金」として預けている限り、お金はわずかしか増えません。
ですが、預け先を変えると、預金金利以上の利息がつき、増えやすくなることもあります。せっかくのお金ですから、効率よく増やすことができる預け先に、今回は注目してみましょう。
銀行以外なら、何と言っても「国債」

国債は国が発行する債券です。その中でも、個人が利用できるものが「個人向け国債」です。
金利タイプと満期までの期間が異なる3種類があります。固定3年、固定5年、変動10年です。
それぞれに金利の設定が異なりますが、どれも市場金利が下がった場合でも年0.05%の最低利率が保証されています。
そして今は、すべてに最低利率が適応されています。現在普通預金は0.001%、定期預金でも0.01%という金利ですから、これらに比べると高金利です。
中でも「個人向け国債(変動・10年)」は金利が固定ではないため、半年ごとに適用金利が見直されます。ですから、金利が上昇したらそれに合わせ、受け取れる利子も増えることになります。
満期は10年となりますが、購入後1年経過すると途中換金が可能になりますので、お金が必要な時が来たら解約することもできます。
解約時には、途中換金調整額として直前2回分の税引き前の利子相当額に0.79685をかけた金額が引かれますが、元本割れはありません。
銀行や証券会社で扱っているのですが、金融機関によっては口座管理料がかかる場合があります。金融機関選びは慎重にしていきましょう。
百貨店に旅行会社。「目的別の積み立て」の活用も

少し変わり種ですが、もし、目的があってお金を増やしたいなら、その目的のために積み立てられる、優遇された制度がないか調べてみましょう。
簡単に思いつくのは百貨店の「友の会」。入会した百貨店で買い物をするために毎月積立をしていくものです。
なんとなく積み立てているというのであれば無意味ですが、その百貨店をよく利用し、購入したい商品があるのなら、効率よくお金を増やせる預け先になります。例えば月に5000円積み立てると、1年後には5000円がボーナスとして加算されます。
また、旅行に行く目的、例えば数年後に家族みんなでハワイに行こうなどというのであれば、旅行会社の積立も良いでしょう。
利用する会社やコースにもよりますが、年利2%で増える積立もあります。早く目標額に到達しやすいですし、効率よく貯めながら増やせます。
そのほか、企業独自の積立もあるでしょう。信頼できる企業であり、自分の目的にあった預け先だと判断できれば、利用する価値があると思います。
長い将来に向けては「証券口座」を置き場にすることも

老後など将来の資金作りを目的にするのであれば、証券口座へ預けることをおすすめします。元本は確保されませんし、利息がつくわけでもないのですが、「長期・分散・積立」の投資方法で運用することも良いでしょう。
一度にまとまったお金を投資する投資法とは異なり、少額から積立をしていきます。ですからリターン(儲け)も少ないですがリスク(不確実性)も少なく、初心者も取り組みやすい方法です。
ですが、気にしたいのは手数料。長期に投資をしていくと、わずかな手数料の差が将来の資産に大きく影響します。できるだけ安く抑えたいものです。
手数料を安く抑えられるのは、店舗を持たないネット証券です。系列の銀行口座を持ち連携させると預金金利が優遇されるメリットがある場合もあり、利用者が増えています。
今では窓口のある証券会社もオンライントレードができるようになってきていますが、手数料はやはりネット専業の証券会社の方が安く設定されています。
このように、お金を増やすための預け先にも、目的によりさまざまあります。ご自身の目的に合わせ、増える預け先を活用してみてください。
もし投資をしてみようと思う場合は、くれぐれも手元に生活防衛資金があるかどうか、確認することを忘れずに。
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横山光昭(よこやま・みつあき)

家計再生コンサルタント、株式会社マイエフピー代表。お金の使い方そのものを改善する独自の家計再生プログラムで、家計の確実な再生をめざし、個別の相談・指導に高い評価を受けている。これまでの相談件数は23,000件を突破。書籍・雑誌への執筆、講演も多数。著書は60万部を超える『はじめての人のための3000円投資生活』や『年収200万円からの貯金生活宣言』を代表作とし、著作は累計330万部となる。
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Source: 財務省