コロナ禍で世界中の学校は大影響を受けている現状に、子どもたちの将来について親としては不安が募ります。
この不確実な時代、成功者の声に耳を傾けてみました。
CQ(好奇心指数)とは?
2019年、ビル・ゲイツが母校の高校で講演をした時、校長先生から「10年後、20年後の社会で活躍するためにどんなスキルが必要だと思うか」という質問をされました。
好奇心のある学習者には今は最高の時ですね。オンラインのポッドキャストや講義で知識をいつも新しくしていける能力はどんどん向上しているからです。
(Inc.より引用翻訳)
答えは、好奇心を活用して知識を得てゆくことの重要性。Inc.では、これは「CQ(curiosity quotient)」、つまり好奇心指数だと表現しています。
また、ビルは自分は主に読書で知識を得ていると話し、さまざまなジャンルを学ぶように生徒たちに促したとか。
たしかに、彼のブログ「Gates Notes」では読んだ本が頻繁に紹介されています。恋愛小説やコミックから大統領の伝記や経済専門書までさまざまなジャンルが取り上げられており、CQの高さが感じられます。
リーダーのCQの伸ばし方
もちろんCQは将来を担う子どもだけに期待されている能力ではありません。ビジネススクールでも注目されているんです。
CQを鍛える方法として、ロンドン・ビジネス・スクールでは次のような行動を提案しています。
SNSの見方を変える
普通は自分が賛同したり好きなSNSをフォローしていますよね。でも、時には異なる視点やアイディアを取り上げているSNSを敢えてチェックしてみます。
自分の習慣や思い込みによって固まってしまっている考えを広げるのに役立ちます。
自分の街を違う角度から眺める
具体例としては通勤ルートや朝のルーティンを変えてみることや、ツアーバスに乗ってみることが挙げられています。
ツアーバスに参加して、旅行者の視点から自分の街を眺めてみるのもおもしろそうです。
21世紀に生まれた人に相談してみる
仕事では年齢も経験も上の人に相談することがほとんどだと思いますが、21世紀生まれの若者に問うてみるのも世代の違う人の視点を知るチャンスです。
相手にとってもビジネススリーダーと話すチャンスはプラスになるでしょう。
もっと質問をして他人の話に耳を傾ける
リーダーはチームを導くためについつい話し手になりがちですが、意識して質問し、聞き手に回ることで意外な情報やひらめきが得られるかもしれません。
どれも、自分の決まったルーティンを変えてみたりコンフォートゾーンを抜け出すこと。それが視野を広く持つことにつながり、興味の対象が広がります。
社会人、ことにリーダーシップの立場にあるとなかなか違うやり方を試す心の余裕も時間もないかもしれません。しかもウィズコロナ時代では、知らない人に話しかけたりすることさえ気が引けます。
でも、ビルが示唆したように、異なるジャンルの本を読んだりポッドキャストを視聴したりと、ひとりでできる方法もあります。自分ならどんなCQアップ活動をするか考えてみるのも、想像力が試されます。
子どもとともにCQアップ
話を子どもへ戻すと、子どもはもともと好奇心が旺盛ですよね。大好きな電車の名前やモデルなど細かく覚えている2、3歳児などがいます(ただし興味があることとないことの差は激しそう)。
もちろん、子どもにも好奇心を持ち続けてもらいたいし、興味の対象をどんどん広げていってほしいというのが親心。
でも、親のほうは仕事や家事に忙殺されて、好奇心が刺激されても行動につながらず、そこで終わってしまうことが多いかもしれません。
では、まず凝り固まった好奇心(の欠如?)をほぐしてみてはどうでしょう。たとえば10回刺激を受けたら、そのうち1、2回は知識を広げる行動に移してみることはそれほどハードルが高くないと思います。
通りがかってふと気になった店に立ち寄る、初めて見た英単語を辞書で調べてみるというようなことには労力も時間もかかりません。
それに、自分がCQを伸ばす努力をしている姿を見せることは子どものプラスにもなるでしょう。子どもの好奇心にも寄り添って、その芽を摘まないで伸ばしていけたらいいなと思います。
これまでの学びの姿勢を振り返ってみると、仕事や学校で必要だからとか何かに役立つから学ぶという姿勢が中心でした。理由や人からの押し付けもない、それらを超えた好奇心は本人の中から湧き出る興味と知識欲なのです。
これまで成功に必要だと言われていたIQ(知能指数)やEQ(感情指数)に続くCQ(好奇心指数)。どれも重要だと思います。
ただ、コロナ禍で不確実性が高まっている社会では、どんな知識がどんなアイディアや解決策につながるかわかりません。
既存の枠を超えた発想がますます必要になるとしたら、純粋な興味を持ってみずから学び知識を得る姿勢ががますます重要になるだろうことは理解できます。
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Image: goodmoments / Shutterstock
Source: Inc., London Business School
Reference: Gates Notes