みなさんは「ふるさと納税」をされているでしょうか。
収入により上限額はありますが、2000円を自己負担し寄付をするだけで、寄付額は翌年の住民税から減額され、かつ寄付額の3分の1の金額を目安とした「特産品」がもらえるというお得な寄付制度のことです。
申し込みができるサイトが増え、利用者も増え、商品数もかなり増えました。
また、この「特産品をもらえる」ことを狙うだけではないふるさと納税の活用の仕方も出てきています。ふるさと納税の在り方も、徐々に変わってきているのです。
応援する気持ちを形にできるふるさと納税
ふるさと納税は、自分の出身地やゆかりのある土地、もしくは興味のある特産品のある自治体に寄付をすることが主な目的です。
ですが、最近は活動の幅が広がり「寄付の窓口」としての役割も担うようになっています。
今までは「支援したい」と思っていても、どこから寄付できるのか、この寄付窓口は信頼できるのかなどと思い、なかなか寄付ができなかった人も多かったかもしれません。そういった方が気軽に寄付ができるようになりました。
各自治体の活動を応援する、各地の困りごとを応援するなど、互いに支え合う姿勢がよく出ている上に、取り組みが具体的でわかりやすいのです。
最近では、「災害支援」「クラウドファンディング」という活動もあり、自分が応援したい事業、自治体、生産者を選んで寄付をすることができます。
使い道がはっきりしているので、寄付をする側としても安心です。そして、目的をもって寄付をすることで、応援しているという気持ちを形にすることができるのです。
「災害支援」としてのふるさと納税

毎年のように、豪雨や地震による災害が起きている日本。家屋の倒壊など住まいすら失うような被害も多く、被災地の復興のためのボランティア活動などをニュースなどで見る機会が多いと感じています。
このような被災地が一日も早く復興されるように、寄付の窓口になっているのがふるさと納税の各サイトです。
基本的に返礼品はありませんが、クレジットカードでの寄付が可能ですので、速やか、かつダイレクトに寄付された全額が被災自治体に届きます。ふるさと納税サイトは手数料を取らない、ボランティア活動となっています。
今で言えば、最近豪雨被害にあった熊本県の各市町村、大分県、長野県など多数の自治体が寄付を募っています。
さかのぼれば、平成26年の長野県の地震被害に対しても寄付ができます。災害や寄付する自治体を自分で選べるところも、気持ちよく寄付ができるところです。
また、今回の新型コロナで被害を受けた地域や事業への支援についても特集が組まれています。
外出自粛や一斉休校により、肉、魚、野菜、果物、花などが行き場を失っています。収穫時期が限られるものもあるので、事業者によっては多少価格を落としても誰かに購入してほしいと思い、ふるさと納税の返礼品として出されているのです。
商品自体はしっかりとしたものばかりですし、寄付をして返礼品を受け取ることで助かる人がいるのであれば、ぜひ利用したい仕組みだと思いませんか。
「クラウドファンディング」という形の応援

よく、企業の事業を応援するための仕組みとして「クラウドファンディング」という言葉を聞いたことがあると思います。
事業に対して、ネット上で資金調達をする仕組みのことですが、実際に物やサービス、体験などを受け取る「購入型」と、配当や運用益を受け取る「金融型」、寄付をする「寄付型」があります。
この寄付型を利用したのが、ふるさと納税におけるクラウドファンディングです。複数の自治体が協力して活動を打ち出し、それに対する寄付になります。
たとえば「罪のない動物の殺処分をなくす」という事業、「厳しい生活環境の子ども達を応援する」事業、ほかにコロナ禍における医療従事者に向けた事業など、さまざまあります。
応援したいと思えるプロジェクトが多数ありますし、それぞれがどのような活動をするための資金になるのかも明確に出されていますので、安心して寄付をすることができます。
上限を超えると、メリットがなくなるので注意を
このように単に返礼品を受け取るだけではなく、自治体、果てには日本を良くしようという活動に金銭面で参加できることを喜ばしく思う人も多いでしょう。
ですが、一つ気を付けてほしいのは、寄付金額です。ふるさと納税の恩恵を受けて寄付をするには、自分の年収や家族構成に基づいて算出された限度額から2000円を引いた金額までです(限度額を超える寄付をすると、自己負担分が増えてしまいます)。
今年は新型コロナの影響で、収入状況が昨年通りとはいかない人もいるかと思います。そこだけ注意をし、ふるさと納税を活用しましょう。
最新情報は総務省のふるさと納税ポータルサイトもチェックしてみてください。
あわせて読みたい
横山光昭(よこやま・みつあき)

家計再生コンサルタント、株式会社マイエフピー代表。お金の使い方そのものを改善する独自の家計再生プログラムで、家計の確実な再生をめざし、個別の相談・指導に高い評価を受けている。これまでの相談件数は23,000件を突破。書籍・雑誌への執筆、講演も多数。著書は60万部を超える『はじめての人のための3000円投資生活』や『年収200万円からの貯金生活宣言』を代表作とし、著作は累計330万部となる。
Source: ふるさとチョイス災害支援, ふるさとチョイスガバメントクラウドファンディング®
Image: Shutterstock, Getty Images