漫画で読める「南の島の脱力幸福論」。国民の94%が幸せを実感している南国フィジー。コロナ禍で時代が変わりゆく中、「脱」資本主義の先頭に立つフィジー人から私たちが学ぶべき新常識とは?
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今回のお話は、原作『世界でいちばん幸せな国フィジーの世界でいちばん非常識な幸福論』を漫画化するキッカケとなったエピソード。
日本では、コントでしかありえない事件に感じるでしょうが、フィジーに長く住む今の私にとっては「フィジーらしいな」と感じさせられるストーリーです。どうぞお楽しみください。













フィジーの「共有」の習慣は、泥棒にまで根付いています。
もちろん、泥棒(犯罪)は悪いことですが、犯行に及ばざるを得ない状況まで追い込まれていた泥棒までもがシェア精神を忘れず、被害者と収益を分かち合うなんて…。まさに漫画みたいな話です。
また、フィジーでは警察が市民におねだり(ケレケレ)してきます。ほかの発展途上国でよくある「賄賂」のような感じではなく、ごく自然な感じで。
プリンターのインク以外にも、警察からのケレケレはいろいろ。
「パトカーのガソリンがないから、一緒にガソスタ行ってガソリン代払ってくれへん?」
「マクドでポテト買ってきてくれへん?」
「(私が運転中、バス停にいた警官に制止されて)タウン方向に行くんやったら、俺の妹(警官ではない)を乗っけてってくれへん?」
などなど。泥棒だろうが、警官だろうが、関係ありません。
どちらにもケレケレ精神(共有の心)が遺伝子レベルで宿っています。
<原作・エッセイ>永崎 裕麻(ながさき・ゆうま)

移住先を探す「世界一周」の旅を終え、世界でいちばん幸せな国フィジーに移住し、14年目。ライフスタイルをアップデートする英語学校カラーズの校長。現在、フィジー・デンマーク・日本を行き来する「世界3拠点生活(トリプルライフ)」に挑戦中。著書に「世界でいちばん幸せな国フィジーの世界でいちばん非常識な幸福論」(いろは出版)。
<イラスト>やまぐちかおり|https://gooillustration.jp/
1987年生まれ大阪出身、ドイツ・ベルリン在住。イラストレーターとして「寿命図鑑」(いろは出版)や 絵本「ないしょのオリンピック」(ほるぷ出版)など、書籍や雑誌、広告、ボードゲームにいたるまで幅広く手がける。原作の大ファン。