最近、「事実」と「意見」の違いがよく話題になっています。
また、近年、この概念は子どもだけでなく大人の中にも理解するのが難しい人もいることが次第に明らかになっています。
ですから、我が子には、学校任せにせず、親が家庭で「事実」と「意見」の違いを教えるべきかもしれません。
まず、基本的なことから始めましょう。
「事実」とは
「事実」は、その真偽を証明できます。
- 犬は哺乳類です。
- Ariana Grandeは歌手です。
- 世界には7つの大陸があります。
- 草は緑です。
どれも簡単ですね。上記の4つの記述は、「事実」であるだけでなく、「真実」であることを証明できます。
では、次の記述はどうでしょう。
- オウムは地下に住んでいます。
- Harry Stylesは貝殻です。
- ノースダコタは国です。
- チキンナゲットは液体です。
上記の4つを「事実」と呼ぶには、直感的に違和感を覚えるかもしれません。なぜなら「事実」は「真実」であるはずだから。
もちろん、それは「事実」の定義の1つです。しかし、「意見」と対立的な位置づけで「事実」について論じる場合は、「事実」は「真実」でないこともあります。
それは、情報が検証可能であるかどうかが肝心だからです。たとえ、検証のプロセスの途中でも、その情報が偽だと検証できます。
イリノイ州のフリーポート高校で英語を教えているRob Lairdさんは、「事実の記述は真実である必要はない」という考えを打ち出して、生徒たちを驚かせました。
「何かを事実として述べても、その事実は間違っていることもあります。誤認による場合もあれば、嘘をついている場合もありますが、いずれにしろ事実として述べています」とLairdさんは言います。
このことを説明するには、「事実」と「意見」の関係を説明する必要があるとLairdさんは言いますが、そうなると次の疑問が生じます。
「意見」とは
「意見」は、その真偽を証明できません。
- 野球はひどいゲームです。
- ピンクは素敵な色です。
- アンナはエルザより優れています。
- マインクラフトは奇妙です。
私は個人的に上記のようなことを考えるかもしれませんし、そう考えるにはそれなりの理由があってのことかもしれませんが、上記の記述はその真偽を証明できないので「事実」にはなりません。
さらに、何らかの理由で、次のように考える人もいるかもしれません。
- 野球は最高のスポーツです。
- ピンクは見苦しい色です。
- エルザはアンナより優れています。
- マインクラフトはとても楽しいです。
ここで紛らわしいのは、「意見」が実に明白なことのように見える可能性があることです。
Lairdさんが「事実」と「意見」の関係を取り上げた理由は、そこにあります。
「事実」と「意見」の関係性
サッカーを例にして考えてみましょう。
ニューイングランドの成績は13-3で、クリーブランドは3-13だとします。その場合、「ニューイングランドはクリーブランドより強い」という記述は「事実」でしょうか、それとも「意見」でしょうか。
Lairdさんの生徒のほとんどは、「事実です」と誤った回答をしています。
「なぜそう思うのですか」 とLairdさんが生徒たちに尋ねると、「ニューイングランドの方が勝った回数が多いからです」という答えが返ってきます。
これに対して、Lairdさんは次のように説明しています。
確かに、ニューイングランドの方がゲームに勝った回数が多いです。それは「事実」であり、ニューイングランドの方が強いサッカーチームであるという「意見」の裏付けとなります。
「事実」を使って意見を発展させます。
誰もクリーブランドの方がニューイングランドより強いと主張せず、ニューイングランドの方が強いことが明白であっても、その時点では、まだ「意見」であり、それを裏付けるために「事実」を使う必要があります。
「事実」と「意見」の見分け方
Lairdさんによると、このレッスンの本質は高校生に向けですが、基本的なことは小学4年生か5年生になればすぐに導入できるとのこと。
この「Teaching without Frills」のビデオでは、「事実」と「意見」を簡単に紹介しています(年齢が上がるにつれて学ぶであろう誤った事実についての複雑なニュアンスは含まれていません)。
それから、このPinterestのボードにある数々のワークシートをご覧ください。
これは、医療言語聴覚士であり、教育者であり、ピアチューターを利用するための情報とリソースを提供するTeach Tutorsというサイトの創設者でもあるDana Monaghanさんがキュレートしています。
信頼できる事実に基づいた情報をどこで入手できるかわからない人がたくさんいる今の時代に、このレッスンは特に重要です。
「それは、大人にも子どもにも共通に見うけられる最大の懸念です」とLairdさん。
「これが信頼できる情報かどうかは、どうすればわかるのでしょうか」
フェイクニュースは、「事実」であるかのように偽装した「意見」だったり、真実でない「事実」であることが多いので、フェイクニュースを見分けるためには、出典を確認したり事実確認のウェブサイトを使用することが重要です。
Lairdさんは、次のようなCRAPテストも提唱しています(生徒の間では大ウケでした)。
C:その情報は最新(Current)ですか?
R:その情報は信頼できますか(Reliable)?
A:その情報は、信頼できる情報源(Authoritative source)によって共有されましたか?
P:その情報の目的(Purpose)は何ですか?事実を示すためですか。それとも自分を納得させるためですか?
Lairdさんは、生徒に議論を招くような文章を書かせるときは、話題を選択させますが、その時点では「意見」を持たないようにと指示します。
まず、リサーチしてから、集めた「事実」を使って、自分の「意見」を展開させるようにします。
人々がソーシャルメディアで犯している間違いは、まず自分の「意見」を持ち、それからその「意見」を裏付ける「事実」を掘り出そうとすることだと思います。
私の生徒たちも同じ間違いをたびたび犯しています。そのやり方では、思考にひどくバイアスがかかってしまうので、自分の思い込みを変えるのは難しくなります。
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Source: Teaching without Frills,Pinterest
Image: Shutterstock
Jaclyn Youhana Garver – Lifehacker US[原文]