緊急事態宣言が継続されている都道府県もあり、将来に対する不安やフラストレーションはまだ募ります。
先日、火事や失職、大病で人生の危機を経験し乗り越えた人たちのアドバイスがNPRにありました。
そこからメンタルを維持する4つのポイントを紹介します。
1. 内面を見つめる時間を持つ
Robyn Waleryさんは、10代の時にカリフォルニアの山火事で自宅を焼失、立ち直るまでに数年間かかりました。
セラピストから日記をつけるように言われたものの、自分には向いていないと感じて、自分の気持ちを毎日数行書くだけにしたそうです。
Robynさんは、どんな方法でもいいので、一時停止して自分の内面を見つめるひとときを持つことが大事だと言います。
それは、火事で家を失うという非常事態を乗り越えるのに役立ったそうです。
NPRでは、日記以外にも祈ることや友人と語り合うことで、「辛い」や「楽しい」などの自分の感情を見つめる機会を持つことがすすめられています。
自分に合った方法で、不安を一時停止して、内面を見つめて心の休み時間を作りましょう。
毎日ではなくても、そうして少しずつ自分の気持ちを出していけば、回復不可能なほどの過労やストレスを抱えることが防げそうです。
2. 「べき思考」を自分に押しつけない
「きちんと家事をすべき」「自分を優先せず、他人を優先すべき」などの「べき思考」は誰にでもあります。
友人と会ったり、外出やショッピングなどの気晴らしができない現状では、気づかないうちに「べき思考」にどんどんはまってしまう可能性が高くなります。
前述のRobynさんは、このような考えを自分に押しつけないようにと言います。
「べき思考をやめるべき」というのもその一部ではあるのですが、自分の体調や気持ち、状況に合わない時のべき思考はストレスのもと。
疲れているのに「きちんと家事をするべき」という思考で行動すると、「私はやっているのに家族は手伝ってくれない」のような思考の悪循環にはまる可能性があり、すでにストレスがある心身がもっと疲弊してしまいます。
自分に役立たない「べき思考」は手放してOK。
そして、他人にも「すべき」は押しつけないようにしたいです。
3. 手抜きしてみる
35歳の時末期ガンの診断を受けた大学准教授のKate Bowlerさんは、辛い時には手抜きしていいと言います。
たとえば食事。料理が面倒なら「毎食きちんと作るべき」思考は手放してもOKなんです。
時にはスナックディナーでもいいではないですか。
買い物に行く気がしないなら、宅配サービスを利用したっていいんです。
まめで真面目な人はそれさえも心苦しく思うかもしれませんが、今は非常事態なので「手抜きしてもいい」と自分に許可を出しても構わないと思うのです。
わたしたちのRAMは無限ではありません。
コロナ禍で、今までは考えることもなかった買い物や外食、通勤など日常生活のあらゆる面に大量のRAMを費さなければならなくなって、もはやキャパオーバー気味になっていることでしょう。
「べき思考」を手放して手抜きをすることは、容量不足を緩和し、固まった心身をほぐし、心の余裕を取り戻すのに役立ちます。
4. 状況把握や未来予測を急がない
まだまだわからないことが多いコロナウイルスとアフターコロナの社会。
いろいろな情報があり、しかも食い違っていることもあると、ますますわからなくなって不安になってしまいます。
NPRで取材された人たちは、「先走りして将来を予測して破滅のシナリオにはまってはいけない」「状況を把握しようと急ぎすぎてはいけない」と釘を刺しています。
ハーバード大学のBrooks教授がリスクと不確実性の違いについてわかりやすく説明していました。
コロナ禍は不確実な状況だから、今の時点で状況を把握しようとか未来を予測しようとするのは、科学や医療知識のない一般市民にはとてもハードルの高いことです。
今は将来のことを考え過ぎず、「1日1日をしっかり安全に生きていく」ことにフォーカスするのが、心身の健康を保ちながらコロナ禍を乗り越える秘訣だと思います。
あわせて読みたい
Image: Chanintorn.v/Shutterstock.com
Source: NPR