他国に足を運ぶこともなく多種多様の国の人ともオンライン会議ができる便利な時代。時間や諸経費の無駄をなくすという観点でも導入が進められてきました。

特に今、新型コロナウイルス感染症の世界的な広がりから、会議やイベントがオンラインで開催されるようにその流れが一気に加速しています。

そこで、今回はオンライン会議(WEB会議)のスムーズな進め方と注意点についてお話ししましょう。

オンライン会議のメリットは?

コーヒーを飲みながら会議する
Image: Shutterstock

会議のたいていは、“無駄”と言われがちです。

これには、会議そのものが「中身が薄く無駄」だけではなく、いろいろな“無駄”の意味が含まれています。

3つの無駄が省ける

よく言われるのが、3つの無駄です。

1:時間

会議の準備時間や1カ所に参加者全員が集合するということから参加者の移動時間。さらには会議開催中の時間。

2:労力

会議に関わることのすべての人の労働力。

3:運営費

交通費、宿泊費、会場費用や人件費などの経費発生。

たとえ同じ中身の薄い会議でもオンラインであれば、移動時間は不要、移動にかかる人件費も交通費もかかりません。これだけでも無駄は省け、気軽に開催ができるわけです。

ウイルス感染を回避できる

対面でなければ、今一番の心配事であるウイルス感染の危険を回避できます。

スマホからでも気軽に参加できる

緊急時などでも参加者の日程調整が集合会議より開催しやすく、海外との会議も容易なところも大きなメリットです。

今は昔のように、高額なテレビ会議システムを導入する必要もなく、スマホがあれば容易にオンライン会議の開催、参加が可能になりました。

意外なメリットは「自分が見えること」

オンライン会議は、自分がどのように見えているかが自分で見えるのもメリットのひとつです。

発言するときの身振り・手振りや顔の表情を、自分で確認でき現状把握できるところが良いですね。

怒っているわけでもないのに、仏頂面の自分をみて、普段、自分の部下や周囲にどう見られていたのか気付けられます。

また手振りなど非言語部分(ノンバーバルスキル)も癖がみえ、自己表現を磨くこともできます。

オンライン会議のデメリットは?

テレビ電話
Image: Shutterstock

良いところばかりの気がしますが、当然デメリットもあるわけです。

気軽に開催しがちになる

オンライン会議は、費用も比較的安く抑えることができ、手軽で気楽に開催できるところが落とし穴。

思い立ったら「オンライン会議」と、頻繁に開催されるようになると、いくらオンラインであっても、やりようが悪ければ無駄な会議の時間を増やすことになってしまいます。

インターネット環境に左右される

ネット環境など接続や音声などといった部分が、精度は高くなったと言っても不安定なものです。

さらに、オンライン会議の操作に不慣れな方もいらっしゃることでしょう。

「聞こえていますか?」

「……」

「聞こえてますかぁ~!!!」

と開始時間の前に早めに揃って事前に音声やビデオのテストも必要です。

途中、どんな回線トラブルがあるかもしれません。白熱しているときに、ブチッと回線が途切れてイラッとすることもあるでしょう。

それでも、会議を開催する必要があり、オンライン会議で開催可能であれば実施すれば良いのです。

スキルが磨かれるオンライン会議の進め方・手順

テレカンする女性
Image: Shutterstock

オンライン会議では、我先にと勝手に話すと、対面会議よりさらに誰が何を言っているのかが、わかりにくくなります。

そのため、自然と一人ひとりが発言に気を配り、積極的に話を聞く意識が高められます。

とはいえ会議は、オンライン会議でも対面会議も基本的な考え方は同じです。

1. 会議の目的・目標を明確にする

どちらも、まずは、会議の目的と目標を明確にさせ、本当に開催する必要があるのかを考えます。会議をする以外に方法がなければ、実施すればよいのです。

2. 接続テストを実施する

オンライン会議が始まる前に、各自「うまく接続できるかな?」と会議開始時間より10分早めにログインし、音は聞こえるか出せているか。

また、映像は見えているか相手に写っているかを確認し合いましょう。

3. 司会進行が会議を進める

会議が開催されると、総合司会者は、目的・目標を明確にさせ、多面的に物事を考えるよう視点にわけたテーマでの議論をすすめます。

4. タイムキーパーを指名する

ここで、視点にわけたテーマごとに制限時間を設けキッチンタイマーで時間管理する人を指名します。

5. 参加者全員に順番に意見を聞く

発言は、ひと言を基準にし、テーマごとに次々と全員に順番に話してもらいましょう。

参加者全員に話をしてもらうので、思いついた人からではなく、進行役の人が順番に指名して、参加者全員に発言してもらいましょう。

つまり、勝手な発言は許可せず、進行する人がオンライン会議の機能の特性を活かし会議で発言させるかどうかを仕切ります。

6. 議事録を記録する

発言の記録をとるために、議事録担当を1名決めておきチャット、もしくは共有できる場所に書き込みします。


このように、役割の分担や手順に沿って無駄なく進めるのが重要なポイントです。

一人で仕切らず、参加者全員がオンライン会議を有意義にしましょう!

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沖本るり子(おきもと るりこ)

沖本るり子

株式会社CHEERFUL 代表。1分トークコンサルタント。「5分会議」®で、人と組織を育てる専門家。江崎グリコなどを経て、聞き手が「内容をつかみやすい」「行動に移しやすい」伝え方を研究。現在、企業向けコンサルタントや研修講師を務めている。著書に『生産性アップ!短時間で成果が上がる「ミーティング」と「会議」』(明日香出版社)、『期待以上に人を動かす伝え方』『期待以上に部下が育つ高速会議』(かんき出版)などがある。

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