このご時世、どこに行っても手の除菌ローションが売り切れです。しかし、除菌ローションの手作りレシピがそこらじゅうに出回っているので、自力でつくることができます。
それで、そのレシピを試してみようと思ったのですが、ある問題にぶち当たりました。
手作りレシピに効果があるとは限らない
WHO(世界保健機関)による「少なくともアルコールが60%の手の除菌ローションは、石けんと水で手を洗えない場合に除菌をするのに許容される方法です」という説明が明快でした。
従って、アルコールと他のものを「6:4」の割合で混ぜるだけでいいということですよね?(ほとんどのレシピで、他の材料としてアロエベラのジェルが求められています)
残念ながら、ここで問題がいくつかあります。まず、専門家はレシピを間違えやすいと指摘しています。
たとえば、計量を間違えたり、アルコールの濃度を間違えたり、もしかしたら、オンラインで見つけたよさそうなレシピに従ったのに、実際には適切なアルコール濃度にならないものだった、という可能性もあります。
次に、アルコールで手をこすると非常に肌が荒れます。手づくりの除菌ローションは、市販の除菌ローションほど、手がしっとりもちもちにはなりません。
医療関係者のコメントによれば…
除菌ローションを製造している会社は、各製品の適切な配合を開発するのに時間とお金をかけているからです。また、Twitterである薬剤師がこれは簡単なことではないと指摘していました。
私はプロの調合薬剤師なので、手の除菌ジェルを作ることができます。
2009年のパンデミックでそれを極めるべく学びましたが、非常に難しいです。ジェルにアルコールを入れると水っぽくなり、アルコールを液体のまま使うと肌が荒れる。
とにかく、ただ石けんを使ってください。
WHO公認の手の除菌ローションのレシピもありますが、これは医薬品が入手困難だったり、不測している国の薬剤師が作るためのものです。
いくつかの点で、オンラインで見つかるほとんどのレシピとは大きく違います。
- 除菌ローションづくりの前に、材料や用具に存在するかもしれない細菌を殺すのに、過酸化水素が必要。
- 刺激やアレルギーを引き起こす可能性がある場合は、香料や染料を追加しない方がいい(手作りレシピにはエッセンシャルオイルを入れるものが多いが、エッセンシャルオイルは必ずしも肌に安全ではない)。
- 材料を適切に混ぜた後、混ぜる過程でアルコールが蒸発し過ぎていないかを確認するために、アルコール含有量の測定について説明がある。
- 新しく作った除菌ローションに混入した細菌を殺すために、72時間は除菌ローションのボトルを“隔離する”という説明がある。
上記すべてを行う準備ができ、慎重に指示に従ったら、除菌ローションを手づくりできると思います…。が、そこまでして手作りする意味はあるのでしょうか?
ハンドサニタイザーを作るのは理に適っていない
ともかく、手作りレシピを試してみようと思い、ターゲット(アメリカ拠点の小売店)にアロエジェルとアルコール、それにWHO版のレシピも試すためにグリセロールを買いに行きました。
アロエジェルを探して棚を隅から隅まで見ていた時に、近くで棚に商品の補充をしていた2人の従業員が、冗談ではなく本当に、ちょうどこの話題についてこんな話をしていました。
「アロエベラのジェルとウォッカで(除菌ローションを)手づくりできるって誰かが言ってたんだって。私なら、ウォッカがあったら飲むけどね!」
(2人で笑う)
「(手の除菌なら)アルコール使えばいいのにね」
「だよね! でも、アルコールも品切れだけど」
といった感じです。ターゲットでは、手の除菌ローションだけでなく、アルコールも過酸化水素も品切れでした。
(ちなみに、ウォッカは使わないでください。通常のアルコールよりもはるかに高価なだけでなく、手づくり除菌ローションのレシピで必要なアルコール度数の半分しかないので、効果がありません。先ほどの従業員が言うように、ウォッカは飲むに限ります。)
では、ここで質問です。除菌ローションを手づくりしようと考えているなら、普通にただ手を洗ってはどうですか?
もちろん、除菌ローションは手を洗う場所がない時のその場しのぎとしてはいいですが、大雑把な手づくりの除菌ローションでもないよりはマシなのでしょうか?
実際に効果がないかもしれませんし、おそらく手が乾燥して、かなり荒れます。
非常に特殊な状況でなければ(何もない場所で大勢の人に囲まれていて、目に見えて手が汚れてはいないなど)、手を洗いにトイレに行けるはずです。
朗報として、私がチェックしたどのお店にも手の除菌ローションはありませんでしたが、ハンドソープは十分に在庫がありました。
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Image: Shutterstock.com
Source: The Verge, Global News, WHO
Beth Skwarecki - Lifehacker US[原文]