豆は牛肉と同じくらいタンパク質が豊富なの?
コカ・コーラ1本飲むとドーナツ6個食べるのと同じカロリーになる?
ベーグル1個で食パン6枚分のカロリーって本当?
栄養に関して、このようなミーム(ネット上で拡散されているネタや情報)が常に身の回りに蔓延していますが、今日はその中からいくつか選んで事実確認したいと思います。
ネタバレになりますが、結論を先に言うと、インパクトが強烈なミームはたいてい真実ではありません。
肉はビーガン向けのタンパク源よりタンパク質量がかなり多い
ビーガンのタンパク質源と肉の比較は、どれも大雑把過ぎます。
ラベルに消費者が確認したい栄養素がすべて記載されていることはほとんどなくて、ビーガンが有利に見える情報ばかり記載されています。たとえば、上の画像をご覧ください。
カロリーや炭水化物(どちらも豆の方がずっと多いです)についても肉に含まれていて野菜には含まれていないビタミンについては、一切書かれていません。
米国農務省(USDA)は、もはやコレステロールを「懸念の栄養素」とは見なしていないのに(英語)、相変わらずコレステロールがラベルに記載されています。
コレステロールは植物には存在しないので、あらゆるビーガンフードはもともとコレステロールを含んでいないことを強調することが目的でしょう。
しかし、タンパク質の比較に関してはさらに別の問題があります。
カロリー量や1人前の分量などを使った実用的な比較をしていないことです。
こちらの「牛肉 vs. 豆」の画像は、直接比較に見えますが、実は、牛肉も豆も調理する前の状態で比較していることにお気づきでしょうか。
では、実際に調理してお皿に盛られたらどうなるでしょう。
生の牛肉100gは調理すると75gぐらいまで小さくなります(肉は調理中に水分を失うからです)。1人前は2.6オンス(約73g)、大きさにすると一組のトランプの束より少し小さめのステーキになり、一口で食べてしまえるぐらい分量が減ります。カロリーは142キロカロリーになります。
一方、豆100gは調理中に水分を吸収するので、約230g、つまり1.5カップにまで増量します(数字はSeriosu Eatsの豆に関する調査より)。
これは、水切りした黒豆の缶詰1缶と同じです。1人前で341キロカロリーとなり、これは牛肉のカロリーの2倍以上です。
ですから、牛肉と豆を夕食の食卓で単純に比較することはできません。
確かに、植物性の食品から美味しくて高タンパクの料理を作ることはできますが、カロリーとタンパク質の比率を見ると肉の方が断然有利になります。
なるほどね。自分が食べているものに関して現実的に考えないといけませんね。
飲み物のカロリーをドーナツで換算するのは間違い
コカ・コーラをごくごく飲むことはあっても、ドーナツを一気に6個も胃袋に詰め込むことはしないはずです。
「ドーナツ何個分に相当するかを示す」下のチャートの類は、飲食することに罪悪感を抱かせることを目的としています。
でも、ドーナツを物差しの単位にして、果たしてどれぐらい正確に計れるのでしょうか?
20オンス(約566g)の炭酸飲料水には65gの砂糖が入っています。この数字はまずまず正確です。
6個のドーナツにも同じぐらいの砂糖が含まれています(クリスピー・クリーム・ドーナツだと、1個あたり10gの砂糖が含まれていますが、ブランドによって砂糖の量は異なります)。
では、なぜドーナツをそんなにたくさん食べるより、炭酸飲料水を飲む方が罪悪感が少ないのでしょうか。それは、ドーナツと炭酸飲料はまったくの別物だからです。
ドーナツ(ここではクリスピークリームドーナツとします)6個分のカロリーはなんと1,140キロカロリーになります!
砂糖以外にもでんぷんや脂質などのカロリーがあるからです。
コカ・コーラは砂糖しか入っていないので、240キロカロリーです。つまり、砂糖の含有量は同じでも、カロリーなど他の点ではまったく違うわけです。
ベーグル1個のカロリーは食パン何枚分?
私は初耳ですが、ニューヨークの同僚たちは、ベーグル1個で食パン6枚分ぐらいのカロリーがあることは誰でも知っていると主張しています。
ベーグルは、基本的にパンと同じ材料で作られるので、この2つは確かに比較しやすいと言えます。どちらも小麦粉と水以外にほとんど何も含んでいません。
USDAによると、「普通の」ベーグル1個は277キロカロリーで、55gの炭水化物が含まれています。また、「普通の」食パン1枚6枚切りは130キロカロリー程度なので、ベーグル1個は食パン2枚程度のカロリーになります。
とは言え、パンもベーグルもさまざまです。
我が家でサンドイッチにするパンは、1枚あたり90キロカロリーです。読者の皆さんの地元で売られているベーグルは、USDAが言及しているベーグルより小さかったり大きかったりすることもあるでしょう。
いずれにしろ、サンドイッチの具が同じなら、ベーグル1個で作ったサンドイッチの方が、食パン2枚で作ったサンドイッチよりも炭水化物とカロリーが多く、一般的にモチモチした「噛みごたえ」もあります。
でも、そもそもこの食感があってこそ、ベーグルが食べたくなるのではないでしょうか。
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Image: Shutterstock
Source: Facebook,Seriosu Eats,USDA
Beth Skwarecki – Lifehacker US[原文]