音楽ストリーミングサービスは多数ありますが、そのうちトップ3といえるのが、Spotify、Apple Music、Google Play Musicです。
今のところ、これらサービスの質はほぼ同等であり、競争は三つ巴の様相を呈しています。
そんな中でも、ユーザーである私たちは1つを選んで契約しなければならないのが難しいところ。
そこでこの記事では、3サービスの料金、音質、ライブラリ、機能を比較します。
料金
多くの人にとって、何よりも大事なのが料金です。ただ、Spotify、Apple Music、Google Play Musicのいずれも、ほぼ横並びの料金構造になっています。
Spotify
- 無料:広告あり
- 月額480円:学生プラン
- 月額980円:個人プラン
- 月額1480円:ファミリープラン
無料版は広告ありなので、4~5曲に1回、広告が入ります。
また、スキップの回数制限がある、オフライン用にダウンロードできない、モバイルでアルバムを聴くときはシャッフルでしか聴けないなどの制限があります。

有料版はいずれも、想像通りのSpotifyらしいプレミアムサービスを利用できます。カタログに無制限でアクセスでき、曲をダウンロードできるのでオフラインでも楽しめます。
毎月自動更新のほかに、単月契約ができます。年払いも可能ですが、それによる割引はありません。
月額1480円の家族サブスクリプションは、契約者本人を含め、接続されたアカウントを持つ最大6人がプレミアム機能を使えます。
全ユーザーが同じ住所に暮らしている必要があるので、Spotifyアカウントの登録住所を同じにしておく必要があります。
最後に、高等教育(大学、専門、高専など)の学生は、プレミアム機能を半額で利用できるほか、HuluとSHOWTIMEに無料でアクセスできます。
学生であることの証明にはSheerIDを利用。学生サブスクリプションの特典を受けられる期間は最長4年となっています。
Apple Music
Spotifyとほぼ同じ料金体系です。
- 月額480円:学生プラン
- 月額980円:個人プラン
- 月額1480円:ファミリープラン
無料版はありませんが、3カ月の試用期間が用意されています。
試用期間が終了すると支払いが発生しますが、試用期間中含め広告表示や機能制限はありません。

Apple Musicのサービスは、期待通りの内容です。
月額980円で、任意のデバイスから全ライブラリにアクセスでき、ダウンロードしてオフラインで楽しむことも可能です。
家族プランもSpotifyと同じです。月額1480円で、最大6人までApple Musicに無制限でアクセスできます。これを利用するには、ファミリー共有のグループ内でApple IDアカウントを関連付けておく必要があります。
学生は月額490円で利用できます。
大学生限定で、認証にはUNiDAYSを利用します。ただし、学生割引は48カ月限定なので、Spotifyの半分の期間しか恩恵を受けることができません。
Google Play Music
Google Play Musicには、2つの料金プランが用意されています。
- 月額980円:個人プラン
- 月額1480円:ファミリープラン
Google Play Musicは、他の2つにはない無料サービスを提供しています。
無料サービスではミュージックカタログのストリーミング再生はできませんが、自分の曲を5万曲までアップロードできるのです。
アップロードした曲は、あらゆるデバイスでストリーミング再生可能です。

Google Play Musicのサブスクリプションサービスは、他の2つとほぼ同じです。
カタログへのアクセスが無制限で、あらゆるデバイスに音楽をダウンロード可能、広告表示はありません。試用期間が30日間あり、その間はすべてのサービスを無料で楽しめます。
ファミリープランも他の2つと同様で、最大6アカウントまで関連付けることが可能です。ただし、同じ国に住んでいて、同じGoogleファミリーに所属している必要があります。
学生割引はありません。
勝者:Spotify
個人でサインアップするなら、全サービスが同料金です。
とはいえ、Apple Musicは3カ月間無料で使えるのが大きな違い。
家族サブスクリプションは3サービス横並びで、家族を証明する方法が少しずつ違うだけです。
学生なら、Spotifyがよさそう。Apple Music同様半額ディスカウントになりますが、SpotifyならHuluとSHOWTIMEに無料でアクセスできるからです。
また、広告やその他の制限が気にならず、無料で音楽を楽しみたいのであれば、Spotifyが唯一の選択肢となります。
音質
音楽ファイルの作り方は千差万別で、ビットレートが高いほど音質が高まります。せっかく音楽サブスクリプションにお金を払うのですから、こちらの記事を参考にストリーミングの音質を改善する方法をお試しください。
ただ、違いがわかるのは音楽マニアぐらいだと思いますが。
Spotify
Spotifyのストリーミング再生時のビットレートはデフォルトでは160kbpsですが、プレミアムサブスクリプションでは320kbpsを選択できるようになります。
しかし、標準のオーディオ機器を使っている場合、そこまでの違いはわからないと思います。

Apple Music
256kbpsで再生されます。
ギガを節約したいときは、ビットレートを落とせます。Spotifyの320kbpsより低いビットレートですが、コンピュータのスピーカーやイヤフォンで聴き分けられる人はほとんどいないでしょう。
Google Play Music
Spotify同様、最高320kbpsのビットレートで再生可能です。インターネット接続が遅いときは、自動的に低いビットレートに切り替わります。
勝者:SpotifyとGoogle Play Music
どちらも320kbpsなので、音質がどうしても気になるという人は、これら2つを選ぶといいでしょう。ただし、プロ向けの高音質スピーカーやヘッドフォンを使っていない限り、Apple Musicとの違いはわからないと思います。
ライブラリとセレクション
お気に入りのアーティストが聴けなければ、音楽サービスにお金を払う価値はありません。とはいえ、どのサービスでも世界中の音楽を聴くことができる昨今、そのようなケースは少なくなりました。
Spotify
Spotifyのライブラリには5000万曲が収められています。
1曲3分とするならば、24時間ノンストップで音楽をかけ続けても285年かかる計算になります。しかも、あなたの聴きたい曲がほとんどあるといっても過言ではないでしょう。
かつては、Spotifyを避けるビッグアーティストがたくさんいました。他の競合サービスと専属契約を結んだ、Spotifyの無料サービスに賛同できないなどがその理由です。
しかし最近では、多くのビッグアーティストが折れたようです。
以前は聴けなかったTool、テイラー・スイフト、ビヨンセ、ビートルズもSpotifyで聴けるようになりました。現時点で聴けないビッグスターはJay-Zくらいではないでしょうか。
Apple Music

ここではApple Musicに軍配が上がります。
無料サービスを提供していない点が、アーティストに信頼される理由でしょう。
Apple Musicでは、実に6000万曲を楽しむことができます。その大半はSpotifyとかぶりますが、これはどちらのサービスも専属契約を回避するようになったためです。
Google Play Music
Google Play Musicで聴けるのは、3サービスの中では一番少ない4000万曲です。大半のメジャーアーティストは全ストリーミングサービスで曲を配信しているとはいえ、ひいきのアーティストの新譜を聴けない可能性はGoogle Play Musicが一番高いのが現実です。
勝者:Apple Music
ライブラリによって多少の違いはあるものの、ほとんど誤差範囲です。最近では特定のストリーミングサービスのみでアルバムを配信するアーティストは減ってきましたし、もしそうするとしても、2週間限定など期間限定が一般的です。
とはいえApple Musicは、2位に1000万曲もの差を開けていますので、勝者であることは間違いありません。
機能
音楽ストリーミングサービスは、多くの曲にアクセスできるだけではありません。
新しいアーティストを発掘する、友達が聴いている曲を知る、他のデバイスに引き継ぐなど、さまざまな機能が用意されています。
Spotify

Spotifyは、新しい音楽の発掘機能やソーシャルシェアリング機能が優れています。毎週、巨大データからあなたに最適なプレイリストが作られ、Release Radarに新しい曲が表示されます。
SpotifyとFacebookを連携させると、友達が聴いている曲を知ることができます。
また、曲を任意のSNSに共有したり、他のSpotifyユーザーに直接送信したり、共同プレイリストを作成したりといった機能も充実しています。
Spotifyの引き継ぎ機能は最高です。デバイスからデバイスへ、1拍もスキップすることなくシームレスに引き継ぐことが可能です。
Apple Music
Apple Musicの価値ある機能の数々については、こちらの記事をご覧ください。記事中でも触れていますが、ラジオ番組「Beats 1」はイチオシ機能の1つです。
Apple Musicのローンチ前、AppleはZane Loweに同局の選曲を一任していました。
昔ながらのいわゆるラジオ放送を聴いてノスタルジックな気持ちに浸りたいときは、Beats 1がオススメです。
Apple Musicは他のSNSプラットフォームとは連携していませんが、Apple IDアカウントを使って友達をフォローすることは可能です。
Spotifyのような分刻みの情報は得られないものの、誰が何を聴いているのか、全般的な概要を知ることはできます。
驚くなかれApple Musicには、引き継ぎ機能がありません。HomePodに音楽を送ることはできても、Appleデバイス間で曲を引き継ぐことはできません。
Google Play Music

Google Play Musicにサインアップすると、YouTube Musicにも無料でアクセスできるようになります。充実のミュージックビデオを誇るYouTube Musicは、日常的に音楽を聴くのにも適しています。
ただ、Google Play Musicの機能は、SpotifyやApple Musicよりも少し劣ります。オンラインラジオ番組や音楽発掘プレイリストなどを提供してはいるのものの、他の2つに比べるといまひとつ低品質なのが現状です。
勝者:Spotify
Apple MusicやGoogle Play Musicに比べてキャリアが長いだけあって、Spotifyのプレイリストやソーシャル機能は洗練されています。
そのうえ、どのプラットフォームでも同様に機能し、デバイス間で音楽を転送できるのが非常に素晴らしいところです。
さらっと音楽を聴きたいときのために定番ラジオがほしいなら、「Beats1」のあるApple Musicがいいでしょう。あるいは、音楽動画をたくさん見たいなら、YouTube Musicが見られるGoogle Play Musicがオススメです。
最終結果
以上、3つの音楽ストリーミング配信サービスを比べてみました。読んでいただければわかるように、Spotify、Apple Music、Google Play Musicはいずれも、ほぼ同じサービスを展開しています。
ある面では秀でていても、他の面では不利な部分があるものです。
どうしても選ばなければならないなら、Apple Musicよりライブラリの曲数は劣るものの、全体的に見てSpotifyが少しだけ抜きんでている感じがします。
まとめると、どれを選んでも悪い選択ではありません。
3社ともに、素晴らしい音楽ストリーミングサービスを提供しているのです。どれがベストなストリーミング配信サービスかは、あなたのニーズ次第といえるでしょう。
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Image: MakeUseOf, Apple, Spotify, Google
Source: Apple, Spotify, Google
Original Article: Spotify vs. Apple Music vs. Google Play Music: Which Is Best? by MakeUseOf