ToDoリストを作ったら、タスクの優先順位はどうやって決めていますか? どれも重要度の高いタスクに見えるときは特に難しいですよね。
ではそうしたとき、どうやってその優先順位を決めたらいいのでしょうか?
プロジェクトマネージャーをしていると、重要度が同じくらいのタスクや優先事項を同時進行させることばかり考えてしまいがちです。
偶然にも私は、プロジェクトマネジメント協会認定のプロジェクトマネジメント・プロフェッショナルとして何年もフルタイムの仕事に就いていました。
当時の私は、オフィスのワークロードの管理や目に見えて増えていく私生活のToDoリストの管理に役立つコツをたくさん習得しました。
その中で、読者の皆さんの日常生活に応用できそうなものを書き出してみました。
タスクの重要度を再確認するための5ステップ
ToDoリストにあるタスクはどれも等しく重要な気がしますが、どれに時間をかける必要があるか、どのように時間配分すべきか細かく考えてみる必要があります。
その際、本当にどのタスクも重要度は同じなのか、あらためて良く考えてみましょう。重要度を測るときのコツは次の通りです。
1. 上司に確認する
職場には上司がいます。私生活では自分が自分の上司です。どんな上司も最初に果たすべき役割は、部下に何が重要で何が重要でないか、どのタスクに取り組むべきか示すことです。
オフィスには、そういう上司がいるかもしれません(部下の助けがないとうまくできない上司もいますが)が、私生活では、自分自身で管理する必要があります。
今すぐデータのバックアップをする方が家のペンキを塗るより重要だ、とは誰も教えてくれません。
考えることを放棄して、「どれも全部重要だ」と思うのは簡単ですが、職場では上司に歩み寄り、「どうしてもあなたの助けが必要なんです」と言ってみましょう。
家では、ToDoリストからタスクを選んで作業を始めてみると、勢いがつきますよ。
2. 周囲に相談する
家族や友人や同僚など他人を巻き込むタスクを優先するときは、相手はいつこちらの助けを必要とするのか、一緒に作業する背景でどの程度の作業がバックアップされるのか、相手から手助けしてもらえるのか、相手と話し合って確認しましょう。
「あと1週間は助けはいらない」と言われることもあれば、「明日からすぐ手伝って欲しい」と言われることもあります。また、相手がこちらほど忙しくないときは、助けてもらいましょう。
3. 締切から逆算する
詳しくは後述しますが、各タスクに関して締切はいつか、あるいは少なくともいつまでに終わらせたいか、作業の所要時間はどのぐらいか、大よその見当はつくはずです。
まず、締切がいつなのか明確にして、各タスクにどの程度の作業が必要か、他人からどの程度のインプットをもらう必要があるかもカウントしましょう。
そして、締切から逆算して、今すぐ着手すべきタスクを決めるようにしましょう(場合によっては、既に作業を始めていなければならないのに出遅れてしまったものもあるはずです)。
4.説明責任を持ち続ける
重要度が本当に高いタスクを見極め、さらに着手する順番を調整したら、それを書き出して関係者全員とシェアしましょう。
誰かに納品する仕事なら、その相手と一緒に期待値も設定します。個人的なプロジェクトの作業をするときは自分の期待値を設定します。
期待値の設定は、私生活以上に職場では大切ですが、仕事とは関係のない作業であっても、他人を巻き込むとお互いに説明責任を維持できます。
5.生産性ツールやメソッドを活用する
優先度が同じぐらいのタスクに関しては、自分の尺度で優先順位を決める生産的な仕組みを持つ必要があります。自分で決めた優先順位に自分で責任を取る仕組みです。
経験則により、それができるなら問題ありませんが、そうでない場合は、こちらの過去記事をチェックして、自分に向いているやり方を確立しましょう。
この場合の最終目標は、ToDoリストにどんなにタスクが多くても、次に着手するタスクを決める時間を短縮することです。
私の場合は、David Allenさんが運営しているGTDというサイトでシェアされているフレームワークが、最も効果的だと思います。
今すべきことと次に取るべきアクションにフォーカスして、自分に向いているシステムにToDoを落とし込むと、考えなくても物事が進捗する点を強調しています。
他にも、以前ご紹介したWunderlistやチームで仕事をする人向けの Asanaという素晴らしいコラボツールなど、選択肢はたくさんあります。
ツールや生産性メソッドを選んだら、できるだけ早くそれにToDoリストやプロジェクトを落とし込みましょう。頻繁にアクセスしやすくて、ワークフローにしっくりくるツールやメソッドを選べばうまくいくはずです。
結局は、中身を確認しやすく、タスクを入力しやすいことが一番です。抱えているタスクの全貌をいつでも確認できますから。
ToDoをこなすための3つの原則
プロジェクトマネージャーだった頃、最も重要で、最も注意を払う必要があるプロジェクトを見分けるために最初に学んだことは、「3つの制約」を表す正三角形です。
正三角形の各辺は、プロジェクトの「コスト」「範囲」およびプロジェクトの完了に必要な「時間」を表します。
どの辺も残りの2つの辺に変更を加えない限り、調整できません。最も脆弱な辺を見れば、特別に注意すべきプロジェクトがわかります。
これは、プロジェクトやプロジェクトマネージャーに限らず、あらゆることに当てはまります。作業量(範囲)を増やし、作業時間(時間)を増やさずに処理するには、リソース(コスト)を増やす必要があります。
たとえば、遠方からの来客を滞在させる予定に合わせて来客用寝室にペンキを塗りたいとき。
その作業のサイズ(範囲)は変更できませんが、自分で徹夜で作業に専念する(時間)か、自分が別のことをしている間は誰か他の人に代わりに作業してもらえば(費用)解決できます。
このように、「3つの原則」を駆使すれば日々のToDoも整然とこなしていけます。
コスト:家族、友人、同僚の助けを借りる
この場合の「コスト」には、お金だけでなく、手伝ってくれる人や助けになる外注サービスも含まれます。
誰かに代わりに作業をしてもらえば早く終わりますか? チームメイトに仕事の一部を請け負ってもらい、後でできたものを受け取ることはできますか? プロセスを自動化できるプログラムやアプリを安く使えるかもしれません。
有給休暇を使い果たす前に台所の改装を終えるには、それなりのお金を払うか、友人に手伝ってもらうのも一案です。
あるいは、業者に電話して新しい洗濯機を設置してもらえば、自分でそのための時間を取る必要はありません。
範囲:必要に応じて妥協点を見出す
締切までにToDoを終える必要があるのに、助けが得られないときは、納品を待っている人たちとじっくり話し合って交渉しましょう。
いつまでに何を納品できるのか伝えて、それ以降はいつ頃何を納品できるのか説明しましょう。
するべき仕事を回避しようとしているわけではなくて、今すぐ使ってもらえるものを分納して、残りは相手の希望に従ってすべて納品していくつもりであることを伝えるためには、とても重要なことです。なるべく早く「オール・オア・ナッシング」でToDoを考えるのをやめるほど、「明日はこれを納品できます。残りはあと1週間頂けませんか。」とフレキシブルな提案をしやすくなります。
時間:締切から逆算して作業する
「時間」は、ほとんどの場合変更できない変数です。なぜなら、締切は多くの場合、他人によって設定されるので易々とは変えられないからです。
そのため、締切から逆算して作業することが不可欠です。スプレッドシートを使って、ToDoリスト上のプロジェクトやタスクの締切をそれぞれ記入しましょう。
次に、その締切から現在まで遡って、締切までにしなければならない具体的なタスクを全て記入し、各タスクの所用時間を考えます。
ここまでできると、本当なら既に着手していなければならない一連のタスクや、当面は手を着けなくても良さそうなタスクがわかります。
そのリストを見れば、優先度が高いのはどれか、今すぐ着手すべきなのはどれか、それが終わったら次は何に取り組むべきかがわかります。
何よりも重要なことは、他人の助けが必要なタスクが判明することです。特に、1週間も前に着手しているべきだったタスクがあるとわかったら、どうしても他人の助けを借りなければなりません。
他人の手を借りることも大切
生活や仕事に静かに嫌悪感を募らせ、刻一刻と膨らむストレスに苛まれながら黙々と働いていることがよくあります
でも、お願いすれば喜んで助けてくれる友人や、適切な質問をしたり正しい情報を提供すれば、喜んで助けてくれる上司が案外いるかもしれません。
過去記事で、他人に仕事を任せることの難しさや効率的な仕事の頼み方を紹介してきましたが、いずれにしても、他人に助けを求めるときは攻撃的にならないように気をつけながら、はっきり自己主張する必要があります。
その際、使えるデータはすべて駆使しましょう。既に、タスクの優先順位を決めて、何が必要か十分に把握しているはずです。助けを求めるときや助けが必要なことを証明するときは、その情報を使ってください。
ただし、友人や上司や同僚に断られても、怒ってはいけません。
手が回らなくなったら取捨選択しなおす
ここまでご紹介したことを実践しても、やるべきことが多すぎてあっぷあっぷし始めたら、八方ふさがりになる前に、ToDoリスト上にある項目を厳しい目でじっくり見直すべきです。
何を除外して、何を加えるべきか再考しましょう。ただし、頭を水上に出して一息つきたくても、忙しくなり過ぎてストレスがたまってしまうと、必要な変更もしにくくなるので、早めに判断することが大切です。
とは言え、どんなに大変になろうとも、この見直しは必要であり、一度やれば二度と見直す必要はなくなります。
ここでご紹介したことを仕事、家庭、日常生活で応用していただけたら幸いです。
取り組むべき作業とそれを仕上げるための所用時間がわかると、職場で新規に大きいプロジェクトが立ち上がるとき、自分はそれを引き受けていいのか賢い判断が下せるはずです。
それに、少なくとも親友がバチェラーパーティの計画を立てるとき、強力な助っ人になれます。
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Image: Shutterstock
Source: Project-Management.com, Getting Things Done, Wunderlist, Asana
Alan Henry – Lifehacker US[原文]