消費増税後は「税支出を少しでも抑える」ことに懸命に取り組んだ方も多かったのではないかと思います。増税後2カ月が経過する今、消費税ばかりに注目している場合ではありません。
間もなく年末を迎えますから、次には最近増えがちな「固定費」の支出の仕方にも、気を配りたいもの。
皆さんは、「契約してそのまま忘れている」固定費はありませんか?意外と盲点はたくさんあるんです。
毎月の固定費を把握していますか?

あなたの支出の中で「固定費」と言える支出はどのくらいありますか?
家賃、生命保険料。今は通信料もそうですし、塾代など学費もそうですね。つまり、毎月一定額を支払うようなものが、固定費です。
この固定費は、食費や水道光熱費などといった変動費と比べ、支出の削減効果が長く続くもの。契約内容やプランの見直し、契約そのものの見直しなどをすることで支出が下げられます。
一度見直しをすると、自分ががんばらなくても自然に支出を抑えた状態が維持できる、節約生活の大きなポイントとなるものです。
この固定費の割合が大きいと、たとえ収入が多くても生活は苦しいと感じるでしょうし、割合が少ないと、収入が少なくても貯蓄も生活も順調!なはず。
もちろん、変動費の使い方次第でも生活は苦しくも楽にもなるのですが、がんばりすぎてリバウンドしてしまっては元も子もありません。
少々の意識や気の持ちようで支出を減らせる変動費に比べ、簡単に減らせない固定費を減らせたら、格段に家計は楽になります。
最近増えた「固定費」は積極的に見直しを

生活が便利になるにつれ、実は固定費に対する支出は増えています。
スマホ料金の見直し
携帯電話が一般的になる前は、1家族の電話代は5000円程度だったもの。しかし、携帯電話やスマートフォンの普及とともに、家族一人当たりの電話代が8000円程度もかかることが当たり前になりました。1家族にすると、2万円、3万円という金額です。
これが格安スマホの登場で、格安業者に乗り換えたり、大手キャリアも対抗して安いプランを出すようになったりと、通信料金を下げる傾向になってきました。
サブスクリプション(定額制)サービスの見直し
そして次は、「サブスク(サブスクリプション)」。「月額制」や「定額制」のような支払いの仕方で受けるサービスです。
スマホプランにも組み込まれるようになった「Netflix(ネットフリックス)」や、その他「Hulu(フールー)」「dTV」「Amazonプライム」などの動画配信サービス、「Apple Music」「LINE MUSIC」「Spotify」などの音楽配信サービスがすぐに思い当たるでしょう。
そのほか、「楽天マガジン」「dマガジン」などの雑誌読み放題サービスや、毎月定額で定食を食べられるサービスなど変わり種まで私たちの周りにはサブスクがたくさんあふれています。
しかも500円程度~1500円程度で利用できるので、気軽に始めて、すでに家計の中にはいくつもの契約が存在しているかもしれません。
その無駄に気づいても、解約の面倒さから放置するという自体まで生じています。これは、ちょっともったいないですね。
同じような定額サービスは1つに絞る
同じようなサービスを重複して契約、放置している人は、今すぐどれか1つに絞りましょう。その際「月の途中ですが解約していいですか?」という引き止めメッセージは無視します。
動画配信サービスで提供されている作品は、契約しているものを比較しても大きくは違わないはず。であれば、2つも3つも契約する必要はないですね。
音楽配信サービス、雑誌サービスも同じ。家族でアカウント共有できるからと考えてAmazonプライムに契約しても、他の家族がまた別のサービスを契約して、重複しているかも。もしかすると、サービスを使いこなせていないだけかもしれません。
これらを見直すだけで、毎月2、3000円の節約になることも多く、消費増税を気にするよりもこちらを見直した方が実は効果的だった、というケースも珍しくありません。
目先の節約より、支出の見直しが有効
節約を考えた時、つい目につくところから始めてしまいがちですが、実は「まあいいか」と思っている支出ほど、見直し効果が高いかもしれませんよ。
今回はサブスクに注目しましたが、毎朝コーヒーを買う程度の「ラテマネー」を支払う習慣や、いつも底値買いをするために転々とスーパーを回っているのに、先々でつい余分なものも買ってしまうといった行動を見直すほうが、節約効果が高いものです。
今がんばっていること否定するつもりはありませんが、がんばっているという自負があることほど、盲点になっている場合もあることをお忘れなく。
一度支出の仕方を客観的に見直してみると、支出の改善、節約につながるかもしれません。ぜひ、お試しください。
横山光昭(よこやま・みつあき)

家計再生コンサルタント、株式会社マイエフピー代表。お金の使い方そのものを改善する独自の家計再生プログラムで、家計の確実な再生をめざし、個別の相談・指導に高い評価を受けている。これまでの相談件数は23,000件を突破。書籍・雑誌への執筆、講演も多数。著書は60万部を超える『はじめての人のための3000円投資生活』や『年収200万円からの貯金生活宣言』を代表作とし、著作は累計330万部となる。
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