敏腕クリエイターやビジネスパーソンに学ぶ仕事術「HOW I WORK」シリーズ。今回は米ライフハッカーの舞台裏で活躍するシニア・ビデオプロデューサー、ジョエル・カーン(Joel Kahn)さんの仕事術です。
居住地:ニューヨーク市
現在の職業:シニア・ビデオプロデューサー
現在のPC:2017年版27インチのiMac Retina 5kディスプレー・モデル
現在の携帯端末:iPhone 8
仕事の仕方を一言で言うと:管理的
米ライフハッカーでビデオチームを率いる
── まず、略歴と現在の仕事に至るまでの経緯を教えていただけますか?
最初は、Viacomでブランドコンテンツの仕事を始めました(偶然にも現在のGawker Mediaと同じビルで働いていました)。入社時は、ビデオの編集アシスタントとしてスタートしましたが、退職するときはプロデューサー兼編集者になっていました。
その後、ブランドコンテンツの代理店でシニアプロデューサーになり、大企業のクライアント向けに、料理からファッション、テクノロジーまで、あらゆる種類のビデオを制作しました。その経験を買われて、今はここ米ライフハッカーでビデオチームを率いています。

── 仕事の内容を教えてください
このサイトで読者が目にするビデオに関連するあらゆることに携わっています。具体的には、
- 他のプロデューサーたちと一緒にビデオのネタを考えること
- 脚本を書いて編集すること、撮影スケジュールを立てること
- 撮影を指示して、たまにはカメラワークもすること
- 撮影後の編集とビデオの公開カレンダーを調整すること
- 自分でも必要に応じてビデオを編集すること
- ビデオ編集に関するフィードバックを提供すること
- ビデオを含む投稿を執筆すること
- ライフハッカーのサイトとソーシャルチャンネルで公開されるすべてのビデオの分析をトラッキングすること
です。
週に1~2回撮影、Airtableでプロジェクト管理
──最近の1日の流れを教えてください
米ライフハッカーでは、週に1〜2回撮影します(オフィスのスタジオですることが多いです)。私は、このサイトとYouTubeで最近公開されたビデオをチェックして、視聴回数が急上昇しているものがないか確認します。
その後、午前中は脚本の作成、スケジュールの設定、メールのチェックをして過ごします。オフィスで撮影するときは、撮影は午後にスケジュールして、午前中に小道具を集められるようにしています。
撮影用にセットアップして、約2〜3時間かけて撮影したら、後片付けをしてすべての映像をサーバーにアップロードします。
── 「これがないと生きられない」というアプリ・ソフト・ツールは?
まず、Adobe Creative Suiteです。すべてのビデオはPremiereを使用して作成しているからです。それから、現在作業中のプロジェクトはすべてAirtableに入力しています。
どれが撮影前で、どれが公開できる状態なのかトラッキングするのにとても便利です。他に、Google Docsを使って脚本の編集を複数名で協力して行っています。
あと、Slackは会社全体で使用しています。

2つのデスクを使い分けて作業
── 仕事場はどんな感じですか?
私は、米ライフハッカーではデスクを2つ持っています。1つは、窓際にあり、ラップトップとモニターが置いてあります。脚本を確認する必要があるときや、自然光や人間の近くにいたいときに使っています。
もう1つのデスクは、窓が無くて穴ぐらのようなビデオ編集室にあります。山ほどのTシャツと「Death Hacker」と呼ばれる小道具のドクロが置いてある部屋です。
こちらのデスクの上には、デスクトップと2台のモニターがあり、デスクの後ろには別のデスクと小道具が散乱しているソファがあります。このデスクで、ビデオの編集や会議をしたり、電話を取ったり、カットを見たりしています。
デスクトップでは、常にSlack、Spotify、Chrome(Airtable付きです)を開いています。あと、Premiereは、何年も調整を重ねて現在の設定に至りました。
── お気に入りの時間節約術やライフハックは何ですか?
これはマンハッタンという我が社のオフィスのロケーションならではのことですが(「私が編み出したタイムズスクエアをうまく通り抜ける方法」はそれ自体が1つのシリーズになれそうです)、最近、私は仕事が終わってからラッシュアワーの真っただ中に空港に行かなければならないときがありました。
交通量が多い時間帯なので車で行くと何時間もかかります。それで、地下鉄に乗り、3駅先のクイーンズで降りて、そこから空港まで10ドルでLyftに乗りました。これでどれほど多くの時間とお金を節約できたことか!
荷物があまり多くないなら、マンハッタンから抜け出すには間違いなく理想的な方法です。

── どんな人たちからどのように仕事を助けてもらっていますか?
ニューヨークにいるプロデューサーのHeatherさんとAbuさん。編集と撮影を担当しています。それから、西海岸にいるプロデューサーのTahsinさん。脚本の執筆と、Claireさんとすばらしい料理ビデオの監修を担当しています。
──ToDoはどうやってトラッキングしていますか?
3つの方法でアプローチしています。
1つ目:Airtableにすべての作業中のプロジェクトを入れてあります。そのリストに目を通すだけで、各プロジェクトを仕上げるために何をする必要があるかトラッキングできます。
2つ目:ToDoリストを書いたノート。常に持ち歩いています。
3つ目:何か重要なことがあるときや、何かを決まった時間にする必要があるときは、自分が忘れっぽいことを自覚しているので、スマホのリマインダーを設定することにしています。

──どのように充電したり休憩していますか?
私は一度も「充電した」ことはありません。
過去10年間のお気に入りアルバムをプレイリストに集約
──今、何を読んでいますか? おすすめの本はありますか?
John Seabrook著『The Song Machine』を読んでいます。ポップソングを書く人たちが、どのようにしてヒット曲を作ったかを描いた本です。月に一度だけ公開される『Hit Parade』というポッドキャストに私は夢中なの、この本の内容がしみじみわかります。
──お手製のプレイリストをシェアしてくれますか?
常軌を逸した凝り性なので、細心の注意を払ってSpotifyの曲を整然と管理しています。
プレイリストは10個あり、この10年間で毎年楽しんだ曲をすべて入れてあります(各プレイリストに約500曲入っています)が、最近、過去10年間の100のお気に入りアルバムを80時間のプレイリストに集約しました。作業中に聴いています。
──挑戦中の課題はありますか?
どんなビデオなら誰もが見たいと思うのか知りたいです。
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Source: Adobe Creative Suite, Airtable, Amazon, SLATE, Spotify
Joel Kahn – Lifehacker US[原文]