交渉は簡単なものではありません。さらに、かなりの社交スキルを要します。でも、交渉相手をよく知ることで、その成果に大きな違いがでるのもまた事実です。今回は、交渉相手とのコミュニケーションのコツについて紹介します。
LinkedInでは、教授であり交渉のエキスパートであるAdam Grant氏のAmerican Psychological Associationによって発表されたある調査を例に挙げています。研究者は、学生にEメールで交渉するよう指示しました。名前や住所を交換しただけの学生もおり、そうした学生が取引を成立させた確率は40%未満でした。しかし、学生が自分の出身地の詳細や趣味といった取引とは関係のない個人的な情報を伝えた場合、59%の確率で取引成立となりました。
自分がよく知っている相手との方が契約に至る可能性が高いようです。一般に人は、「相互規範」に従います。つまり、相手が自分をどう扱うかということに反応するのだとGrant氏は説明します。相手から信頼を得る一番の方法は、信頼を示すことであり、それは情報を共有することだと、Grant氏は主張します。とくに、交渉とは関係のない個人的な情報を伝えた場合に有効だといいます。個人的な話をなるべく盛り込むことで、相手を信頼させて、交渉に応えたいと思わせるのです。
ただし、共有する情報に関しては、慎重に選ぶべきだとGrant氏は警告しています。もちろん、自分自身が無防備になるような情報を話す必要はないと、彼は言います。たとえば、給料交渉を行なう際、自身の経済的な問題を上司に話すことは、あまり得策ではありません。むしろそれは、交渉が不利になる関連情報となります。
交渉相手とできるかぎり信頼関係を築き、上手に率直な気持ちを打ち明ければ、大いに効果があるので、試してみてください。
The Bad Habits of Good Negotiators | LinkedIn
Kristin Wong(原文/訳:コニャック)
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