小学校の頃、夏休みの宿題はどう終わらせたでしょうか?

私はこの問いをよく投げかけるのですが、次のようにある程度傾向が見られます。

  • 最初の1週間で一気に終わらせて心置きなく遊んだ人
  • 最後の1週間で一気にお尻に火がついて終わらせた人
  • コツコツ分散して終わらせていった人
  • 嫌な宿題は先に終わらせて心置きなく遊ぶことを選んだ人
  • まず遊びを優先して嫌なことは最後に回した人

この傾向が大人になってからも確実に続くとは言い切れませんが、やはり物事の進め方・習慣には性格タイプがあります

行動ー思考傾向を、童話である「うさぎとカメ」「アリとキリギリス」からつくった4つのタイプを切り口に解説したいと思います。

あくまで分かりやすさと遊び心を重視して作ったので、正確さより楽しむ遊び感覚で読んで見てください。

行動・思考の傾向からわかる4つのタイプ

宿題をする少年と少女
Image: Master1305/Shutterstock

一気に終わらせるうさぎタイプ

まず、行動傾向として分かりやすいのが、うさぎタイプか、カメタイプかということです。

うさぎタイプは、コツコツ分散するより短期集中モチベーションを発揮することで強みを発揮するのです。

もちろん、うさぎタイプは、短期集中の努力になりがちなので、継続力が必要です。しかし、それはカメのタイプの継続力とは質感が違うものです。

コツコツ進めるカメタイプ

いっぽう、カメタイプにうさぎ型の追い込み努力論を展開しても、これまた「無理だ」となりがちです。

目標達成にせよ仕事にせよ、人生のあらゆることは、一気にモチベーション高く走り抜けたいうさぎタイプの人に、カメタイプの努力論を語ったとしても、もどかしく気が遠くなるでしょう。

それぞれに行動のタイプが違うと考えて、強みと弱みを把握して自分にあった方法をとるのが賢明です。

リスク回避を優先するアリタイプ

思考傾向として分かりやすいのが、アリタイプとキリギリスタイプです。

「宿題と遊びのどちらを優先したか?」という問いに対して、「嫌な宿題は先に終わらせて心置きなく遊ぶことを選んだ人」「まず遊びを優先して嫌なことは最後に回した人」に傾向がわかれます。

アリは、将来のリスク・大変なことを見通して先に備えるタイプ(リスク回避傾向)と表現できます。

楽しみを追求するキリギリスタイプ

いっぽう、キリギリスは今の楽しみを満喫し続けるタイプ(快感獲得傾向)と表現できるでしょう。

必ずしもキリギリスタイプが悪いわけではなく、リスクを見通し備えるのですが、取り越し苦労に追われ自分の時間が取れないこともありますし、いっぽうで好きなことをやらせたら抜群のノリで進められるという強みもあります。

あなたはどのタイプ?

「うさぎとカメ」「アリとキリギリス」の童話をクロスさせてつくったのが次のマトリックスです。

ちなみに、童話は、あくまでうさぎよりカメ、キリギリスよりアリの方が良いと描かれていますが、あくまでここではニュートラルに捉えたいと思います。

4タイプ別のマトリックス
Image: 習慣化コンサルティング

ここでは、「夏休みが40日」「宿題は大変なこと」「遊びは楽しいこと」という前提としましょう。

上の図にある「うさアリタイプ」「うさギリスタイプ」「カメアリタイプ」「カメギリスタイプ」がどのように宿題を終わらせたタイプかご説明します。

私などは、うさぎリスタイプの典型ですが、あなたはどれに近いでしょうか?

うさアリタイプ:宿題は最初の1週間で一気に終わらせて、気がかりをなくし、残りの時間は徹底して遊ぶタイプ

うさギリスタイプ:遊びを優先して宿題は最後に一気に締め切り効果で終わらせたタイプ

カメアリタイプ:最初の30日でコツコツ分散して行い、最後の10日は余裕をつくって分散努力するタイプ

カメギリスタイプ:逆に序盤は遊び、後半に「追い込まれ感」の中でコツコツ日々宿題をしたタイプ

タイプ別の長所・短所と課題

4タイプ別の長所・短所
Image: 習慣化コンサルティング

うさアリタイプ

▼長所

何と言ってもやるべきことを前倒しで早めに一気に終わらせることができることです。このタイプに仕事を任せると確かに任せた方は安心です。

▼短所

やるべきことを優先して大変なことに追われて、やりたいことや自分のことを後回しにしてしまう傾向があることです。

職場でも家庭でも大変優秀なタイプかもしれませんが、本人の人生や生活は常にやるべきことで追われて日々を楽しめないという悪循環にハマることもあります。

▼課題

このタイプが持ち味を生かし輝くためには、心配事ややるべきことを心配しすぎてあまりにも一気に頑張りすぎて疲れてしまうことを避け、計画的に休んだり、好きなこと、自分のための時間を確保することです。

うさギリスタイプ

▼長所

自分の好きなこと、得意なことでぐんぐん乗っていけることです。大好きな仕事や趣味などを持っていると大変熱中力があり、かつ感情的に豊かにも過ごしている傾向があります。

▼短所

想像に難くないですが、義務的な仕事、やるべき仕事はギリギリになるまでやる気になれないこと。

ギリギリ力でこなせる範囲なら良いでしょうが、必ずしもそうでない場合は先延ばしが課題となります。

▼課題

このタイプが持ち味を生かし輝くためには、好きなことを仕事・趣味にしてなるべく「ニンジンで動くスタイル」にシフトすること。

義務的なことをこなすためには、締め切り効果を使いつつも致命的な遅れや失敗にならないように、計画を立てることが有効です。

カメアリタイプ

▼長所

やるべきことをコツコツ分散して着実に進められること。

▼短所

うさアリタイプと同様に、やりたいことが後回しになることです。

▼課題

このタイプが持ち味を生かし輝くためには、義務的なことだけではなく、好きなこともバランスよく生活に持ち込めるように理想のスケジュールをつくると良いでしょう。

カメギリスタイプ

▼長所

やるべきことだけに追われるのではなく、楽しいことを日常生活に持ち込みながら、やるべきこともコツコツ分散型で実行できることです。

▼短所

基本後回しのため、細く長くずっと心理的プレッシャーを感じながら生きており、完全に人生を満喫できないことです。

▼課題

このタイプが持ち味を生かし輝くためには、気がかりや不安を言語化してきちんと計画をして見える化することでずっと続く心配を限定的にすることです。


それぞれに、一長一短があるので、別のタイプに過剰に憧れることなく、自分の特徴を知ってどう持ち味を生かすかを考えるヒントになれば幸いです。

古川武士(ふるかわ たけし) 習慣化コンサルタント

furukawatakeshi

約5万人のビジネスパーソンの育成と約1000人の個人コンサルティングの現場から「続ける習慣」が最も重要なテーマと考え、オリジナルの習慣化理論・技術をもとに個人向けコンサルティング、習慣化講座、企業への行動定着支援を行っている。「続ける習慣」「やめる習慣」など著書は全20冊、計80万部を超え、中国・韓国・台湾など海外でも広く翻訳され読まれている。公式サイト

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