いよいよ10月1日から、消費税が10%にあがります。

9月に入ってから、軽減税率やキャッシュレスによるポイント還元制度のテレビ報道が頻回で、消費者への周知を進めているように思えます。ネットでは駆け込み購入すべきものといった記事があふれています。

では改めて、この増税直前にするべきことと、増税を待ってからしたほうがよいこと(焦ってやりがちな間違い)を考えてみましょう。

消費増税:1カ月前の今からできる対策、やっておきたいこと

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駆け込み購入するものはある?

ドラッグストア
Image: Mihai_Andritoiu / Shutterstock.com

もう少しで消費税増税だと思うと、直前でも買っておいた方が得になるものはないかと考えがちです。

ただ今回、食材関係は8%で据え置きですし、飲料も据え置きなので、買いだめする必要はありません。

日用品は増税のタイミングで買いだめする人の多いアイテム。石鹸やシャンプーなどを買いだめる人が多いようですが、買い込みすぎると逆に消費が加速するとも言われるため、以前よりは慌てて購入している人も多くはないようです。

通勤・通学定期

ここで買っておいた方がよいと思われるものは、あえていうなら増税後に運賃が上がるとわかっている電車の通勤、通学定期

特に10月から後期授業に入るため、生活費を1円でも切り詰めている大学生の通学定期は9月中に購入すると良いでしょう。できれば、今期分(半年分)購入するとお得感があるかもしれません。

増税前後で値段が変わらず長く使うもの

増税前後で値段が変わらず、一度買うと長く使うものはチェックしておきましょう。

例えばMacのパソコンなどは、買い替えなどのタイミングを迎えているのであれば、10月になる前に購入したほうがお得に感じることでしょう。

常備薬

常備薬を見直しておきましょう。不足分を買い足すだけでも長持ちしますし、備えという意味でも買っておいて損はなさそうです。

今、必要がないものは買わない

必要がないものでも安いうちに買う、という発想はやめておきましょう。日用品の買いだめも意味があまりないことです。在庫が多いと思うと消費が加速しがちになりますから。もし、今必要なものがあれば、どうせなら9月に買おう、その程度で十分だと思います。

なぜなら、ポイント還元を上手に活用できれば、急いで購入する必要はありません。そして、そもそも、数カ月分のお得な買い物ができていたとしても、やがて増税後の支払金額に慣れ、家計をやりくりしていかなくてはいけなくなるからです。

増税後のポイント還元はどこで受けられる?

ベーカリーにあるたくさんのパン
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増税後の買い物で期待したいのは、キャッシュレス決済によるポイント還元。

中小のお店では5%、フランチャイズのコンビニなどでは2%のポイントが戻ってくることになっています。それは値引きの形であったり、ポイント付与であったり、その企業や決済事業者により対応が異なるようですが、増税の裏側で少し期待ができる存在です。

5%還元事業者の登録も2019年9月5日時点では全国で577,885店が申請中となっており、これからももっと増えるはずです。上手に使って恩恵を受けていきたいもの。

キャッシュレスで得する損する!10月からのポイント還元はこう変わる【追記更新あり】

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大手スーパーやドラッグストアは5%還元対象外

最近はスーパーなどでもスマホアプリによるQRコード決済を導入し始めています。

これらスーパーも、5%ポイント還元の対象かもと勘違いしてしまいそうですが、実は対象外である場合が多いのでご注意を。なぜなら、名を聞くスーパーは大手である場合が多いため。

今回ポイント還元対象となるのは、小売業の場合、資本金は5000万円以下、従業員は50人以下であることが条件となるので、該当しないほど大きいスーパーは、もちろん対象外なのです。

また、大手のドラッグストアも対象外。そうなると、いったいどこで5%還元が受けられるのでしょうか?

地元密着・小型小売店の動向をチェックしよう

恐らく地元に密着したような商店、パン屋さん飲食店などで、「キャッシュレス・消費者還元事業」に登録されている店での決済に限られてしまうでしょう。

自分の行動範囲にあるお店の利用の仕方も検討してみたほうがよいかもしれません。

増税後は、ネットショッピングをお得に使え

ネットショッピングをする手元
Image: Shutterstock.com

実際の店舗ばかりに目が行きますが、いつも使うネットショッピングサイトは、5%還元を受けるには便利かもしれません。

Yahoo!ショッピングや楽天など複数店舗が出店しているショッピングサイトでは、5%還元事業者となるお店にはマークを付けるという方針を各サイトが打ち出しています。

ポイント還元の仕方も、実際にポイントとして還元するのか、値引きという形にするのかはそのサイトにより異なります。

利便性を考えれば、ポイント還元の恩恵を受けやすいのは、実店舗よりネットショッピングサイトに軍配が上がりそうです。

もともと、中小企業が多数ある地域の商店街などに客を集め、活性化しようという狙いが国にはあったのかもしれませんが、10月以降はネットショッピングが活性化されるかもしれませんね。

増税後は国のポイント還元だけではなく、キャンペーンで還元率が高くなる企業も複数あります。

増税前後、どちらで購入すると得なのかは、まだはっきりと断言できませんが、少なくとも今購入するべきもの以外を無理して購入する必要だけはないと言えます。落ち着いて増税と付き合っていきましょう。


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横山光昭(よこやま・みつあき)

横山光昭

家計再生コンサルタント、株式会社マイエフピ代表。お金の使い方そのものを改善する独自の家計再生プログラムで、家計の確実な再生をめざし、個別の相談・指導に高い評価を受けている。これまでの相談件数は23,000件を突破。書籍・雑誌への執筆、講演も多数。著書は60万部を超える『はじめての人のための3000円投資生活』や『年収200万円からの貯金生活宣言』を代表作とし、著作は累計330万部となる。



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