TACUBOはミシュランガイド東京で1つ星の評価を評価を受けるイタリアンの名店。そんなTACUBOがクラウドファンディング中の「Ensō(エンソー)」を導入する予定とお聞きし、急遽インタビューをさせていただくことになりました。
「Ensō」は医療グレードの純チタンで作られたカトラリー。熱伝導率が低くやチタン由来の抗菌作用のほか、軽さや耐久性のあるカトラリーとして、すでに400万円を超える支援を集めている注目プロダクトです。
今回は、日本でも数少ないミシュランから星の評価を受ける名店が、一般的なカトラリーではなく「Ensō」を採用することになったきっかけと、その魅力について、TACUBOの代表・エグゼクティブシェフである田窪大祐(たくぼ・だいすけ)さんに伺います。

田窪大祐(たくぼ・だいすけ)
東京・恵比寿のイタリア料理店「TACUBO(タクボ)」のオーナーシェフ。1976年、愛媛県生まれ。「ミシュランガイド東京」にて2年連続1つ星を獲得。
存在を消してくれるようなカトラリーを探していた
── TACUBOというお店について、少しお話しいただけるでしょうか?
田窪:以前は共同経営の形でレストランの経営をしていたのですが、100パーセント自分の表現を追求したくて、4年前に独立をして開いたのがTACUBOです。
薪で焼くステーキで有名なお店と言われていますが、自分では、前菜や食事の流れ、お店の内装まで、トータルのバランスがとれたお店だと思っています。

イタリアンでステーキを出す利点を活かして、メインだけでなく、前菜からコースとして妥協がない内容になっていることを大事にしています。
キッチンの壁にステンレスではなく、1枚でできたタイルを使うなど、内装も既存の形にこだわらずに作りました。ダイニングテーブルというものがなく、お店の人と話したり雰囲気を楽しめるカウンターと、プライベートな空間で食事ができる個室しかないシンプルな空間も、TACUBOならではの工夫です。
── TACUBOでは、カトラリーや食器はどのような存在ですか?
田窪:カトラリーや食器は見過ごされがちですが、実は食事にとって重要な意味を持ちます。
口に入れた瞬間に、スプーンが少し冷たいと思ってしまうだけでも、暖かい食事のイメージに影響してしまう。

食事を味わうとき、味を純粋に伝えるために姿を消してくれるようなカトラリーが理想的なんです。
また、非日常を味わえるかどうか、というのも大事ですね。レストランは、日常から一歩離れて、非日常の時間を楽しむ場所。見たこともない新しい食器に出会うことは、非日常な時間を過ごすために、大事な要素になります。
木のような温度感や口当たりの自然さがあるチタン
── お店で使うカトラリーにチタン製のカトラリーを選ばれたのはどうしてですか?
田窪:カトラリーを選ぶ段階で、ありとあらゆる素材を試しました。その中で気に入った素材が2つありました。1つ目は木製のもの。もうひとつはチタン製のものです。

木製のカトラリーは、口の中に入れた時にヒヤリとすることもなく、自然な口当たりが気に入りました。ただ、木製のカトラリーは、素材が脆いのが弱点です。
デザートなどは木製のスプーンで出しているのですが、欠けることもあり、耐久性では少し不安がありました。
チタン製のカトラリーは、木製の温度感や口当たりの自然さに一番近いものを感じました。

口に入れた時にヒヤリと冷たく感じることがなく、茶碗蒸しを木のスプーンで食べる時のような、ふわりとした印象があります。
── Ensōをお店で使おうと思われたきっかけを教えてください。
田窪:なるべく、お客さんがはじめて出会うような珍しいカトラリーを使いたいのですが、日本でデザイン性が良くて、高級感のあるカトラリーを探すと、実はかなり数は限られてしまいます。
自然と他のお店で見たカトラリーに出会うことも多くなってしまうのですが、偶然うちのお客さんから、Ensōの記事を紹介してもらったんです。

口の中であたたかいと感じるほど、温度が安定している
── よろしければ、Ensōを使われた感想なども聞かせてください。
田窪:最初に触った時に思ったのは、とても軽いことです。お箸は少し重く感じますが、それ以外のカトラリーは、持った瞬間に明らかに違う軽さがあります。
デザインは少し角ばっている印象を受けたのですが、チタン自体が加工が難しい素材と聞いているので、ある程度納得しています。
逆にフォークは持ち手の部分が少し角ばっているので、指にかかりやすく、それがパスタを巻きやすくしてくれている感じがします。今使っているカトラリーと比べても、ずっと巻きやすいですね。

食感の部分では、口の中で少しあたたかいと感じるほど、温度が安定していますね。口の中で金属特有の冷たさが感じにくいので、料理を自然に味わえる感じがします。
お店で働いているスタッフに、金属のカトラリーが苦手な人がいるのですが、口の中に入れても金属だと感じないほど自然な感触だった、と言っていたのも印象的でしたね。

お店での使用を想定して、食洗機にも入れてみました。カトラリーによっては色が変わってしまうものもありますが、Ensōは大丈夫そうでした。お店で使うので耐久性があるのはありがたいですね。
machi-yaでのクラウドファンディングは終了間近

TACUBOで導入が決まった「Ensō」は、クラウドファンディングサイトmachi-yaにて支援額400万円を超え、プロジェクト終了まであとわずか。
料理の印象を変えるアイテムとして注目を浴びる「Ensō」。医療グレードの純チタンカトラリーで、料理との関わり方を変えてみませんか。
今回取材にご協力をいただいたTACUBOは、恵比寿にお店を構える、言わずと知れたミシュラン1つ星を獲得している名店。非日常の空間を味わいに訪れてみてはいかがでしょうか?
取材協力:TACUBO
Image: machi-ya
Source: machi-ya
Photo: 吉田 祥平