今や、2人に1人が生涯のうちに一度は転職する時代。
「すぐにでも」とは言わないまでも、「いつかは転職を」と思っている人は多いはず。そして、転職先として外資系企業を視野に入れている人も少なくないでしょう。
外資系企業には、終身雇用の保証がない反面、年功序列がなくて個人の実力が問われるといった特徴があるといわれ、そうした点を魅力に感じる人にとっては、有望な選択肢となります。
ただし、採用プロセスや求められる人材像は、日本企業と異なる点が多いようです。ここを押さえておかないと、いくらチャレンジしても内定を得られないということも。
そこで今回は、外資系企業への転職ノウハウをまとめた書籍『やっぱり外資系! がいい人の必勝転職AtoZ』(鈴木美加子著/青春出版社)から、重要ポイントの1つである「面接」をクリアするコツを紹介します。
30歳を超えての「リクルートスーツ」は減点評価
外資系企業の面接では、どのような服装で臨むべきでしょうか?
一言で言えば「比較的カジュアルで大丈夫」だそうです。もっとも、若いスタッフの多いスタートアップでも、Tシャツ・ジーンズといったラフすぎる格好はダメ。
逆に、30歳を超えそれなりの経験を積んだ人が、上から下まで紺づくめの「リクルートスーツ」的な服装も評価を下げてしまいます。
正解は、男女とも「上下揃ったスーツでなくても良いですが、きちっとしたジャケットを羽織る」です。そして、適度に自分らしさを出す装いを意識しましょう。
アイコンタクトしない&うなずきすぎの問題点
日本企業の就職活動では、面接時のアイコンタクトはほどほどに抑え、相槌は多めにするほうが安全だと教わったと思います。
しかし、これは外資系企業の面接ではマイナスに作用するそうです。その理由は、「英語でのコミュニケーションに慣れていない」と受け取られるため。
これは、面接担当者が日本人であっても同様です。つとめてアイコンタクトをするようにし、うなずきは同意を示す場合のみにとどめましょう。
転職理由を聞かれたら
本書によれば、面接の質疑応答でまず間違いなく聞かれる質問は、「現在、転職を考えている理由はなんですか?」
それに対し、以下のような受け答えが、好印象を与える例です。
「現職に5年務めておりまして、これ以上学べることがなくなりました。会社が小さくて異動や昇進ができないため、外部に出ようとしています」
逆に悪い印象を与えてしまうのが、転職理由が人間関係のもつれといったネガティブなものであり、それをそのままストレートに伝えてしまう返答です。仮にそうした事情があっても、「ポジティブな理由」に置き換えるのが吉です。
他社への応募状況も聞かれたら
第1志望ではない外資系企業の面接で、相手の心証を良くしようと「御社だけしか受けていません」と言った場合、第1志望の内定をもらった時に困ることになります。
そこで第2志望以下の企業に、他社への応募状況を尋ねられた時は、「ある程度は正直に答える」が正解。例えば、以下のように答えます。
「現在、御社のほかに2社、面接に進んでいる会社があります。ほとんど同じスピードで進んでいます」
これなら、面接担当者が採用を前向きに考えている場合、今後の採用プロセスを早めてくれるメリットもあります。
面接後のお礼メールを出す
面接が終わったら、すみやかにお礼のメールを出すよう、本書ではアドバイスされています。
文面はシンプルなものでよく、「面接していただき、ありがとうございました」に続けてポジティブな感想を書き、「次のステップに進めることを、心待ちにしています」と添えれば大丈夫だそうです。
複数の面接官がいても、CCでの一括送信は避け、1人ずつ送りましょう。
それに対する返信がなくとも、落ち込む必要はありません。たまたま、手が回らないだけかもしれませんので。 「焦って凹んだりせず、自分がやれることを淡々」と行なうことを肝に銘じてください。
本書の著者である鈴木美加子さんは、外資系企業の人事畑を渡り歩き、1万人以上の採用面接にかかわってきました。
現在は(株)AT Globeの代表取締役社長として、世界で活躍できる人材の育成に携わっています。
本書には、人事のプロとして得てきた知見が散りばめられ、外資系企業への転職志望者に役立つ1冊となっています。
実際に転職活動を始める前に、一読されるとよいでしょう。
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Image: Shutterstock.com
Source: 『やっぱり外資系! がいい人の必勝転職AtoZ』青春出版社