年末に大掃除を済ませ、すっきりした気分で新たな年を迎えていらっしゃることでしょう。でも、その掃除が、気持ちはリフレッシュできても、衛生面ではあまり効果が出ていない可能性があるとしたら…。
「これまで当たり前だと思ってきた掃除は、実は健康面でリスクが高い」と指摘するのは、日本ヘルスケアクリーニング協会代表理事の松本忠男さん。
例えば、「窓を開け換気するのは病原ホコリを拡散させる」「床を水拭きするのは雑菌を塗り広げるだけ」などこれまでの掃除には数々の問題点があると言います。
「病を防ぐ掃除法」って何?
多くの医療現場で環境衛生を指導してきた松本さんが、真に必要と唱えるのは「病を防ぐ掃除術」(または「エビデンス掃除術」)。物理学と化学の知見に基づいた、病気を予防する掃除の手法として、そのエッセンスは著書『図解 健康になりたければ家の掃除を変えなさい』(扶桑社)にまとめられています。
では、「病を防ぐ掃除術」とは具体的にどのようなものでしょうか? 本書の内容を少し紹介してみましょう。
リビング:フローリングの掃除方法
本書でキーワードとなるのが「病原ホコリ」。これを取り除くことが、「病を防ぐ掃除術」の目的の1つとなります。
病原ホコリとは、繊維などからなる「無害なホコリ」が、人やモノの動きによる気流で部屋の隅などに移動。そこで病原体が増殖してできます。これを吸い込むと、呼吸器系の病気などを引き起こす危険な存在です。
リビングのフローリングは、意外と病原ホコリがたまりやすい場所。ここは、ドライシートのフローリングワイパーを使って、週2回の頻度で早朝に掃除します。
松本さんは、「病原ホコリの飛散を最小限に抑えながら回収」するのがポイントだとアドバイスしています。

<正しいフローリングワイパーのかけ方>
- フローリングワイパーは自分の体からできるだけ離して、ヘッド面を床に密着させ、力を入れすぎず前方に向かって静かにゆっくり滑らせる。
- 順序は、部屋の中央から始めて、最後は隅を掃いていく。
多くの人がやりがちな、前後に動かすのはNGだそうです。
寝室:ベッドまわりの掃除方法
1日のうち3分の1を過ごす寝室にも、「インフルエンザウイルス、花粉、PM2.5、ダニなど」数々の病原体が存在すると、松本さんは注意を促します。

- 寝室での病原ホコリ取りは、毎朝行います。
- 窓・ドアは閉めて、高い所から順に化繊ハタキを使い、(空気中に拡散させないよう)静かに取り去ります。
寝具カバーは、手間を省いて毎日交換
もう1つ、ダニ喘息やインフルエンザ対策として有効なのは、寝具カバーの交換。これは、化繊のバスタオル3枚を、それぞれ枕の上、下、掛け布団の顔が当たる部分に覆い、バスタオルだけ毎日交換すれば、手間が最小限に抑えられます。
布団は、週1回天日干しを
週に1回は布団の天日干しをします。これは、布団の中の湿気を取り、ダニの繁殖を抑える効果があるそうです。
干してある布団を叩くのは、実はNG。
布団を痛め、中からアレルゲンとなるダニの糞が飛び出すだけで逆効果だからだそうです。代わりに、干した状態でハンディ掃除機でホコリを吸うか、手でなでるように布団表面のホコリを払うと良いのだとか。
朝12分・重点スポットだけ掃除をしよう
本書では、窓まわり、シンク、洗面台、トイレなど室内のあらゆる箇所の掃除の仕方について指南されています。全部やるのは大変そうに思えますが、衛生上問題になりがちなスポット各所を掃除なら、毎朝12分でOK。

プラスαで、「月曜日は、洗面台、廊下・階段隅、キッチン床全体」というふうに、1週間のローテーションを組んで掃除を行うとパーフェクト。
100円ショップやドラッグストアで購入できる掃除道具や洗剤についても解説されているので、参考にしてみてはいかがでしょうか。
Source: 『図解 健康になりたければ家の掃除を変えなさい』
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