「親は子どもの最初の教師」というよく耳にする言葉。
たしかにそうかもしれません。
けれど、その言葉を聞くと、私の心には、赤ペン片手に子どもの勉強ぶりを肩越しにのぞき込み、あれこれ細かく指図する親のイメージが浮かんできます。
それより、子どもの生来の知的好奇心をうまくサポートしてあげるには、親は自分を「教師」ではなく「司書」と考えたほうが良いかもしれません。
親の役目は、成長の糧を絶やさないようにすること
作家のオースティン・クレオン氏は自身のブログ投稿の中で、教育者である故ジョン・ホルト氏の名著『学習の戦略:子どもたちはいかに学ぶか』(原書:How Children Learn/初版:1967年)を考察しています。
ホルト氏は、アン・スクーリング(反学校)運動の先駆者で、子どもの成長を望むなら、私たち大人は口出しを控えるべきだと考えていた人物でした。クレオン氏はその投稿の中で、同書の中の次の一節を取り上げています。
子どもは、何か新しいことを学ぶたびに、新たに学ぶべきものがほかにもあると気づきます。
子どもの好奇心は、その糧にするものによって成長します。
私たち大人の仕事は、その糧を絶やさないようにすることです。
(中略)
「糧を絶やさないようにする」というのは、「食べさせる」ということではありません。「食べるべきものを指示する」ということでもありません。
それはつまり「体に良い食べものを、なるべくいろいろ、なるべくたくさん、手の届くところに置いておいてあげる」ことなのです。
ジャンクフードを一切扱っていないスーパーマーケットに子どもを連れていく時のように。
(そのようなものがあると仮定した場合の話ですが)
『学習の戦略:子どもたちはいかに学ぶか』より翻訳引用
クレオン氏が指摘しているように、これは司書の仕事に似ています。
図書館を頻繁に利用する者として、私もこの意見に賛成です。司書は、あなたはこの本を読むべきだと言ってきたり、まわりをウロウロして順調に進んでいるかどうかを確認したりしません。
司書が口にする話題は、いつも教養にあふれています。
そして、司書は、多種多様な本や資料に触れる機会を与えてくれます。
たとえテーマが何であれ(腹話術や剥製術、東京のレコードショップなど何であれ)、利用者の興味の追求を手伝ってくれます。
「司書のように」子どもを育てる3カ条

1.好奇心を刺激しよう
表紙を上にして本を並べ(あるいは何かほかの、子どもの興味をかき立てるものを並べて)、子どもの好奇心を刺激しましょう。
例:「ピンボールが好きなんだね。だったら、ルーブ・ゴールドバーグ・マシン(いわゆるピタゴラ装置)とか、ガリレオの発明品なんかも面白いよ」など
2.子どもが自力で見つけるためのサポートを
質問にひとつひとつ答えることをせず、子どもが情報を自力で見つけるステップを身につける手伝いをしてあげると良いと思います。
3.子どもの努力をそっと見守ろう
あとは、一歩引いたところから、子どもが世の中のしくみを自分のペースで理解しようと努力する姿を見守ってあげてください。
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Source: Austin Kleon tumblr
Image: Popartic/Shutterstock,Pexels
Michelle Woo - Lifehacker US[原文]