私の娘がとても小さかった頃、『Brown Bear, Brown Bear, What Do You See?』という幼児向けの絵本をよく一緒に読んだものでした。
題名にも出てくる茶色のクマちゃんは、赤い鳥、黄色いアヒル、青い馬、緑のカエル、紫のネコ、白いイヌ、黒いヒツジ、金魚を目にします。
微笑ましい絵本ですが、もしかしたら子どもに色を教えるにはあまり良い本ではなかったかもしれないと今は思います。
子どもが覚えやすい色の教え方は、名詞+色の順
認知科学の分野で元アカデミー科学会員であるMelody Dyeさんの研究によれば、普段大人が子どもに色の名前を教える方法は、子どもが混乱する可能性があるので、問題があるようです。
同氏は学術誌『Scientific American』で次のようなジレンマがあることを説明しています。
色を表す言葉は「名詞の前に置いて」使いがち。
つまり、「あの風船は赤い」というように色の名前を名詞の後に置く代わりに「赤い風船」と言いがちです。
Scientific Americanより引用翻訳
これのどこが問題なのでしょうか。
人間の注意が払われる順番で言葉が使われるべきだというのが彼女の主張です。
認識しているかどうかは別として、人間は他人と会話するときは、話の対象になっているものを特に視覚的にトラッキングしています。
たとえば、大きな犬がぐるぐる走り回っているときは、まずその犬を見ます。
まず名詞に注目して、それから、子どもの焦点を絞っていく記述をしてください、とDyeさんは言います。
たとえば、「あの風船は赤い」と言えば、「赤い」は世界中の一般的な風船でなく、この風船の性質になり、焦点が絞られます。
こうして、子どもはその風船の色は「赤」と識別できます。
Scientific Americanより引用翻訳
同氏の研究で、「赤い風船」でなく「その風船は赤い」というように、色を表す単語を名詞の後に使う形で子どもに色を教えると、学習効果が著しく高まることが実証されています。
Michelle Woo – Lifehacker US[原文]
Photo: Getty Images